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2021.8.6 日本の侵略に感謝し勝利を手にした男

逃げるは恥か、それとも善か?
戦わずして勝つ天才・
毛沢東の隠された素顔

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1940年8月、中国大陸で百団大戦の火蓋が切られた。

眼前に迫りくる勇猛な日本軍の兵士たち。
家族を守るため、これ以上母国の土は踏ませない。

覚悟を決めた中国軍は必死に応戦する…。

当時、まだ小さな組織だった毛沢東率いる“共産党軍”も、この戦いに加わっていました。
共産党の兵士たちは、かき集めた武器を片手に
「抗日!」
という力強いスローガンを掲げながら、勇敢に日本軍のいる方向へと突進していく。

しかし、そのほとんどは、“軽い小競り合い”が始まった途端、一目散に逃げ出していった…。

その後の戦闘でも、必死で戦う“国民党軍”を尻目に共産党軍がやったことといえば、道路や橋を破壊して、日本軍の行く手を阻むくらい…。

実際の戦闘が始まると、我先にと山奥へ逃げていった…。
共産党軍には、よほど根性がなかったのだろうか?

いや、そうではない…。

実は、日中戦争が始まる前、毛沢東は党員たちにある”指令”を出していた…。

「戦力の10%は抗日戦争に、20%は国民党との妥協に、残り70%は我が党の発展のために使え」
この言葉に彼のずる賢い戦略の全てが現れている。

表向きは“日本軍を倒すため”という口実を掲げ、毛は敵対していた蒋介石が率いる国民党軍に入り込む…。
まるで寄生するかのように給料や武器を要求しつつ、攻撃が及ばないところに拠点を構え、日本軍との直接対決を避け続けた…。

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事実、日中戦争で国民党は132万人の犠牲を出したが、共産党で師団長クラスの死者はたったの1人…。
しかも戦闘ではなく、空襲に巻き込まれての死亡。

その傍らで、彼らはアヘン栽培に精を出し、行く先々で売りさばくことで資金作りをしていた…。

さらには“抗日を戦った救国の党”という正当性まで搾取。
各地域で広報活動を行うことで、共産党の勢力を伸ばしていく。

その甲斐あってか、元々12人でスタートした共産党は、1940年末には党員・軍・兵士を合わせて300万人を超える一大勢力になっていた…。

「二匹の虎の戦いを、山上で眺めるのが最上」
長年、激しい内線を繰り広げてきた中国では、古来よりこのような戦略思想があるが、国民党と日本軍という“二匹の虎”が死闘を繰り広げた8年間は、共産党にとって漁夫の利を得る絶好の機会になった。

事実、戦後、毛は日本社会党の訪中団に対し、このような発言を残している。
「日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしました。皇軍の力なしには、我々が権利を奪うことは不可能だったでしょう」

そして、日本敗戦後の1945年10月には、早くも武力衝突による内戦が勃発。

戦争で疲弊しきった国民党に対し、ほとんど無傷の共産党…。

さらに、毛は大国であるソ連の支援も取り付け、近代的な武器を手に入れたことで終始、戦いを優位に進める。

それからわずか4年後、毛はほとんど労せずして、中華人民共和国の建国を宣言。

毛が崇める中国の戦争の教科書『孫子の兵法』には、こんな教訓が刻まれている…。
“百度戦闘して百度勝利を得るというのは、最高に優れたものではない。戦闘しないで敵を屈服させるのが、最高に優れたことである。”
“最上の戦争は、敵の陰謀を陰謀のうちに破ることであり、最もまずいのは、敵の城を攻めることである…”

一人のリーダーの思想と行動で国家の運命は決まる

「敵軍を前にして、すぐに逃げ出す」

「長年の同盟国も、共産主義というイデオロギーもあっさり捨て去り、敵国に寝返る」

さらに
「内政はめちゃくちゃで、飢餓や虐殺で何千万もの自国民を殺した」
こういった面だけを見れば、毛沢東は残虐でプライドのかけらもない、どうしようもない悪人であることは間違いないでしょう。

しかし、善悪を抜きにして事実だけを見れば、たった12人で始めた共産党を、300万人以上の一大集団に拡大。
内戦に勝利して中国を建国…。

本来、負け組に入るはずだった冷戦時代…、ソ連とアメリカの脅威を無力化し、国の安全を確保…。

さらに、アメリカからの莫大な支援など、現代中国の成長のベースとなる“強固な同盟関係”を作ったのは偉大な業績であり、歴代の世界の国家リーダーの中でも、勝ち組の部類に入ります。

支配者と言われる人たちに共通する特徴の1つが、彼らは善悪や感情論ではなく、
今この局面ではどちらが得なのか?
と、極めて現実的に利害を判断するということ。

例えば、旧ソ連が崩壊した時、共産主義を信じていた一般庶民は絶望し、生きる道を失った人がほとんど。

一方で、支配者たちは崩壊の翌日から、何事もなかったように民主主義者に転向。

実は、彼らはイデオロギーさえも“支配の道具”として利用していた。
よって、物事を善悪や感情でしか判断できないとしたら、彼らに操られる側の人間から抜け出すことはできないだろう…。

当然ながら今、この世界の政治と経済を動かす大国のリーダーたちも、皆そのようなずる賢い思考を持っている。
国際関係においては極めて現実的に利害を見て、勝つためには、たとえ嫌いな相手とでも悪魔とでも組まなければならない。

昔から、日本人は非常に道徳心が高く、相手の感情を思いやることができ、物事の善悪を重んじるという特徴があります。これはもちろん強みでもありますが、同時に大きな弱みでもあります…。

なぜなら、ついつい条件反射のように、
どっちが良くて、どっちが悪いのか?
で判断してしまい、事実をありのままに見る目を曇らせてしまう。
冷静に利害を考える前に、これは悪だと決めつけたり、嫌だから見ないようにしようと、深く考えるのをやめてしまう…。

そのせいで、良いところもまとめて見落としてしまったり、複雑かつ常識の通じない国際関係において、もっと大きな要素を見落とし、重大な判断ミスを招くことになってしまいます。

例えば、日本では歴史の検証が進み、様々な事実が出てくるにつれて、
“あの戦争”で日本は良いことをしたのではないか?
悪いのはアメリカだったんじゃないか?
といった“アメリカ憎し”の論調が高まりつつあります。
もちろん、日本人が自虐史観から抜け出すことは大切ですし、善悪論で言えば、たしかにアメリカが悪だったと言えるかもしれません…。
しかし、過去の出来事を全てアメリカのせいにして怒りをぶつけたところで、また戦争になった時、日本は勝てるのでしょうか…。
アメリカが悪かったのだから謝れ!
今すぐ米軍は日本から出ていけ!
と、強気の対応を取り続けたら、今も世界一の覇権国家であるアメリカとの同盟関係はどうなるでしょうか…。

また、徴用工、慰安婦、レーダー照射問題と、異常な挑発を続ける韓国との関係も、善悪論で見たら「韓国が悪だ」と言えるでしょうし、北方領土を不法占拠し、なかなか返してくれないロシアに対しても、善悪論で見れば、「ロシアが悪だ」と言えるでしょう。

だからといって、多くの保守層が主張するように、これらの国に対して、
「強気でいけ!」
「断行しろ!」
と、突き進んでいったとしたら、その先には何が待っているでしょうか。

きっと、また日本は国際社会から“孤立”してしまうことでしょう。

思い出してください。
先の大戦で、日本はアメリカ・イギリス・ソ連・中国といった大国を全て敵に回し、戦争に負けました。
1905年~1945年の敗戦まで、長きにわたって大局観のないリーダーが国を支配…。
彼らが下した1つ1つの決断や行動は、全て日本の孤立に繋がるものとなり、次々に大国との同盟を破棄…。

それまで戦争に負けたことがなかった日本を、一気に敗戦へと追い込んでしまったのです。
このままでは、我々はまた同じことを繰り返すだけではないでしょうか。

今こそ善悪論から勝敗論への転換を

1905年より前、明治初期のリーダーたちは、欧米列強による侵略の脅威が間近に迫る中、大局に従って冷静に利害を見極めるなど、非常に賢明に振る舞うことで国を守りました…。

善悪で見れば、明らかに良いとはいえない残虐な行いや搾取を繰り返していた欧米列強に対し、理不尽な思いはたくさんあったでしょうが、その痛みを堪え、世界ナンバー1のイギリスと同盟。

さらにはナンバー2のアメリカを味方につけ、大国ロシアと戦いました。

両国から大金を支援してもらい、軍事面でも至るところでロシアを妨害してくれたおかげで、日本は圧倒的不利と言われた日露戦争に勝つことができたのです。

当時のリーダーが、あの戦争と同様、孤立に繋がる決断を下していたら、欧米列強に踏み潰され、とっくに日本という国はなくなっていたかもしれません…。

今、再び米中の覇権争いが過熱する中、我々に必要なのは善悪論から勝敗論への転換。

次こそ勝つためにはどうすればいいのか?
日本がまた負け組に入らないために、懸命なリーダーを選ぶためにはどうしたらいいか?
を知ることではないでしょうか…。

では、どうすれば私たち日本人は、善悪論から勝敗論へと意識を切り替えることができるのか?
過去と同じ過ちを繰り返さないためにはどうしたらいいのか?

これは、歴代の世界のリーダーたちの思想や行動を振り返って分析をすること、歴史から正しい教訓を得ることによって可能になります。

優れた決断で、国を繁栄に導いた勝ち組のリーダー。

そして間違った決断や行動で、国を衰退・没落させてしまった負け組のリーダーは何が違ったのか?

一見、国の文化や個性など、背景が全く違うように見えるリーダーたちも、一切の善悪論を抜きにして、勝敗論の切り口から分析を行うことで“明確な法則”が浮かび上がります…。

この法則を知ることによって、どんな人をリーダーに選べば国や自治体、社会は繁栄するのかが分かるようになり、さらには、賢く見えて実は愚かな人物を見抜くこともできるようになるでしょう。

そのような中で、皆さん自身が優れたリーダーを選ぶためにはどうしたらいいのか?
もしくは自ら皆を引っ張るリーダーとなったときにやるべきこと、決してやってはいけないことも、長い歴史の教訓から事前に知ることができます…。

将来の後継にもその教訓を伝え、これからの厳しい世の中を渡っていく明確な道標を授けることもできるでしょう…。

毛沢東、スターリン、鄧小平…。
自国民を大量に虐殺した“悪魔のようなリーダー”からも、日本人が学べる重要な教訓とは何なのか?

過熱する米中覇権戦争で、バイデン大統領はアメリカの覇権を守り抜くことができるのか?

それとも、中国の習近平が新たな覇権の座を奪い取るのか?

果たして日本は、菅総理から後に続くリーダーたちが日本を繁栄に導くことができるか?

その時こそ、私たちが真に賢明なリーダーを選ぶことができたのか?
という真価を問われる時かもしれません。

今回も最後までお読み頂きまして、有り難うございました。


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