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2022.2.20 「プーチンは去れ」ロシア軍の謀反

プーチンについて私は、
「優秀な【戦術家】だが、【戦略家】ではない。だから、勝てば勝つほど苦しくなる」
と常々思っています。

彼はチェチェン戦争、ロシア・ジョージア戦争、シリア内戦への介入、ISとの戦い、ウクライナ内戦への介入などで、ことごとく勝利してきました。

特に2014年3月、プーチンはウクライナから無欠でクリミアを奪い、ロシアの英雄になりました。

ところが、欧米日の制裁で経済は全く成長しなくなりました。

2000年代は、年平均7%の成長を続けていたロシア。

クリミアを併合した2014~2020年のGDP成長率は、年平均0.38%まで落ち込んでいます。

結局、クリミア併合は、見事な『戦術的勝利』でしたが、『戦略的敗北』だったのです。

さて先日、SNS上でも話題になっていましたが、ロシアで仰天の出来事がありました。

ロシアには、『全ロシア将校協会』という団体があります。

要するに将校を束ねる団体です。

その団体が、プーチンへの“公開書簡”を公開し、“プーチン辞任”を要求ましした。

公開書簡の原文はこちらから。

概説しますと、この協会のイヴァショフ会長は元上級大将。

少し前まで、“親プーチン”と思われていて、しばしばプーチンの悪口は絶対禁止の国営テレビにも出演していました。

では、彼と全ロシア将校協会は、なぜ反プーチンに転じたのか?

理由は、ロシアがウクライナ侵攻の準備を進めていること。

要するに、全ロシア将校協会はウクライナとの戦争に反対です。

その理由は、第1に、国家としてのロシアの存在を危ういものにする。

第2に、ロシア人とウクライナ人を永遠の敵にしてしまう。

第3に、ロシアとウクライナの若くて健康な男性が数万人亡くなる。

それだけではありません。

イヴァショフは、結局ロシアはNATO軍と戦うことになり、負けると予想しています。

<ロシアは間違いなく平和と国際安全保障を脅かす国のカテゴリーに分類され、最も厳しい制裁の対象となり、国際社会で孤立し、おそらく独立国家の地位を奪われるだろう。>

ロシアとNATOが戦闘になるか、現時点では分かりません。

バイデンは、(ウクライナはNATO加盟国ではないため)ロシアとは戦わないが、ウクライナとの戦闘回避交渉は継続すると言っています。

しかし、いずれにしても国際社会で孤立し、強力な制裁でロシア経済が壊滅的打撃を受けることは間違いないでしょう。

このようなことから、イヴァショフと全ロシア将校協会は、『大戦略的』に物事をみています。

問題は、プーチンが辞任しないまでも、公開書簡の正しい内容を聞く素直さを持っているかです。

そうであれば、世界にとってはめでたいこと。

しかし、怒ってイヴァショフと全ロシア将校協会幹部を逮捕し我が道を突き進めば、ウクライナにとってもロシアにとっても悲惨な未来が待っていることでしょう。

最後までお読み頂きまして、有り難うございました。

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