【短編小説】ひとりぼっちの稽古場
ある日稽古場で1人になった。
使い慣れない稽古場は広く、ただでさえ広い稽古場は鏡のせいか余計広く感じた。
ここで何をしようか。頭を巡らせるも起きてから空腹の胃は脳を働かせてくれない。
試しに「ない」窓を開けてみることにした。
世間でいう「パントマイム」の練習だ。
誰かに倣ったわけではないが見様見真似でなんとか形にしてみる。
鍵を開け、窓をスライドさせた。
外は快晴、雲ひとつない青空が広がってると自分に言い聞かせ、深呼吸をしてみるが、虚しくもそこにはマスクの匂いの