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【ニュースより】公務員の旅費精算は労働者に不利すぎる

このニュースを読んで、これって労働者側に不利すぎないか?と思ったので私の考えを綴ってみます。

役所では、基本的に部署内に旅費事務を担当する職員がいます。私の部署では私がやっています。
この旅費事務、めちゃくちゃ面倒くさいんです。
以下で書く内容はあくまで私の自治体では、ですが、基本的にどこも同じようなものだと思います。

このニュースで取り上げられている交通費ですが、何が何でも「一番安い経路」でないといけません。
沖縄から県外への出張のケースで説明しますね。

①航空券は往復割引航空券+宿泊料(定額支給)orホテルパックどちらが安いか(JAL・ANAどちらのパターンも用意。)
②ジョルダン(サイト指定)で経路検索し、安い順に並び変えて乗換回数・所要時間に関わらず一番安い経路の交通費のみ支給(特急に乗らないと間に合わない場合以外は特急料金支給なし)
③電車賃は空港⇔用務地、用務地⇔用務地のみの支給なので、用務地の最寄駅にホテルが無い場合、差額は自腹。

(これに本人都合の前泊や後泊がつくと倍になるので旅行伝票につける見積書などの資料だけで60枚くらいになりますが今回は省略します)

旅費精算にあたっては「合理的な手段で~」って書いていて、①はまぁ面倒だけど仕方ないとして②と③は全然合理的だと思えません。
②については、ちょっと出せば半分の時間、乗り換えなしで行けるのでそちらの方が合理的じゃないですか。なのでほとんどの職員は自腹出しているんですよ。
③についてはほんと、どうしようもないのに出してくれないなんて搾取としか思えないですけどね。

さて、このニュースの問題についてですが、この程度なら見なし支給という感じで支払っている自治体も多いと思います。
実際私の自治体でも出張の際の空港までのバス賃を支給することがありますが、車社会なので実際には家族に送ってもらったりしているんだろうなぁと思います。

北九州市は懲戒処分という重い処分を下しましたが、個人的には正直重すぎると思うし、これまで職員に正当な(条例に基づく適法なという意味でなく、上で述べた合理的なという意味で)旅費を支払っていたのかな、と思います。

この方は管理職なので労働組合に助けてもらうことは出来ないでしょうが、今後の取り扱いも含めて組合側は行政側ときちんと協議すべきだと思った案件です。

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