「あなたと仕事をしたくない」と言われた営業マネージャーが失敗から学んだこと
こんにちは。イノベーションの池上です。今回は、トップセールスマンから営業マネージャーになった途端、チームメンバーから「あなたと仕事をしたくない。」と言われてしまった内田雅人さんが、失敗経験から得た知見を伺いました。
この記事で分かること
1.トップセールスマンから営業マネージャーになるとよくする失敗
2.営業マネージャーになったらやるべきこと
内田 雅人さんの紹介
内田 雅人(うちだ まさと)
株式会社イノベーション 執行役員
株式会Innovation & co. 取締役
2010年、株式会社イノベーション入社。
IT企業を中心に営業戦略の立案やWebマーケティングのコンサルティングを担当。
2016年、イントレプレナーとして新規事業創出をミッションに活動。
2018年、B2B向けMAツール「List Finder」事業 事業部長に就任。
2019年、事業部門の子会社化に伴い、株式会社Innovation & Co.の取締役に就任。
現在、「List Finder」、セールスイネーブルメントツール「Sales Doc」の事業責任者を担当。
Twitter|@uchida_inv
自分のコピーを作ろうとして、チーム崩壊
ぼくが営業をやっていたとき、めちゃくちゃ成績がよかったんです。いわゆるトップセールスってやつです。なので、鳴り物入りでマネージャーになりました。でも、チームの数字を管理するとか、メンバーの育成をするとか、やったこともないし、やり方も知らなかったんです。
ぼく自身、多くの成功体験があったので、メンバーに自分と同じことをすることを求めました。でも、うまくいかないんですよね。だって、ぼくとは違う人間ですから。日に日に目標数字との乖離が大きくなって、フラストレーションが溜まり、「なんでできないんだ!」とメンバーに叱責を繰り返すようなパワーマネジメントになっていきました。
成績が出ない、チーム内もギクシャクとした雰囲気になり、事実上、チームが崩壊していました。ダメなマネージャーの典型でした。
「あなたと仕事をしたくない」と言われたことが転機
「メンバー3名 vs ぼく(マネージャー)」の構図が出来上がっていた時、「あなたと仕事をしたくありません。」と言われました。かなりショックでしたし、「これはマズイ!」と気付きました。
自分のやり方が間違っていたことに気づけたので、社内で別のプロダクト営業マネージャーに相談やフィードバックをもらいました。上司には相談しづらかったので、横のつながりで相談できる相手がいたことが幸いでした。
それから、チームメンバーと腹を割って話しをする場を設けて、「今までのやり方を止めます。」と宣言しました。そして、「チームとしての目標を達成するために協力してほしい」こと、「議論の場を設けるので、やり方について意見が欲しい」ことを伝えました。
今なら分かる、営業マネージャーになったらまずやるべきこと
今なら、当時のぼくがやるべきだったことが明確に分かります。それは「自分の成功体験を語る」「自分のコピーを作る」ではなく、チームの力量をきちんと把握するということです。把握したい内容は「定性的」な現状と「定量的」な現状の2つです。
「定性的」な現状を把握する
商談に同席するなど、行動を共にしてメンバーに寄り添いながら、定性的な現状把握するのはすごく大事です。
具体的な内容は、
1.顧客に対してどういうコミュニケーションを取っているか
2.どういうオペレーションでどういうソリューションを使ってどういう活動しているのか(セールスオペレーション)
3.個々のメンバーのセールスクオリティ
「定量的」な現状を把握する
定量的な現状とはKPIを把握することです。以下はあくまでも例の図ですが、目標に対してのロジックツリーを作り、実力値を把握することが必要です。まだまだ、ロジックツリーを作っていない企業も多いので、ぜひここは定量的な現状を把握するために、ロジックツリーを作ることをおすすめします。
現状分析から営業戦略を立案し、とにかくPDCAを回す
つぎに営業マネージャーがやるべきことは、「PDCAをとにかく回せ!」です。営業マネージャーがやるべきPDCAはこれです。
Plan(計画)
定性的な現状と定量的な現状を鑑みて、改善KPIを立案し、どこを強化していくのか戦略を立てます。
Do(実行)
メンバー含め、KPIを認識して実行する。
大切なことはメンバーとのコンセンサスが取れていることです。
定性的と定量的な現状を共有し、どういった意図で組み立てたのかを共通認識にして、目標を明確にすると、何を求められているかが分かり、メンバーの行動が変わります。
Check(評価)
事前に決めておいた時間軸(Daily、Weekly、Monthly)でKPIの確認します。
Action(改善)
計画したKPIと確認したKPIの乖離が大きい箇所から施策の見直しを図り、Doに戻るを繰り返します。
この記事のまとめ
トップセールスマンから営業マネージャーになり、「あなたと仕事をしたくない。」と言われてしまった内田さんの経験からこんなことが分かりました。
この記事のまとめ
1.トップセールスマンが営業マネージャーになると「自分のコピー」を作りがちだが、たいていうまくいかない。
2.営業マネージャーがまずやるべきことは「定性的」「定量的」な現状を把握すること。
3.営業マネージャーは現状分析から営業戦略を立案し、とにかくPDCAを回していくことが必要。
営業スキルをもっと身につけたいと思っている方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
インタビュアー自己紹介
池上 朋子
2021年7月、株式会社イノベーション入社。
セールスイネーブルメントツール「Sales Doc(セールスドック)」のマーケティング担当。
セールステック業界ド新人の視点で「法人営業ってかっこいいな」を伝えていきたいと思っています。
Twitter|@tomoko_ikegami