なぜ営業はCRMやSFAにデータ入力しないのかを紐解いてみる
こんにちは。UPWARD CPO(プロダクト責任者)の剣持です。
突然ですが、営業担当者がCRMやSFAにデータを入力してくれなくてお困りの経営者やマネージャーの方、多いのではないでしょうか?このnoteでは、なぜCRMやSFAへのデータ入力がこんなにも定着しづらいのかを、そのシステムの特性に着目して私なりに紐解いてみました。
ここから長々と、CRMやSFAへのデータ入力定着を阻む要因を挙げていきますが誤解のないように前もってお伝えしておくと(笑)、私はCRM、SFAは企業の営業生産性を向上させる素晴らしいツールだと思っており、多くの企業に活用の課題を乗り越えて効果を得てほしいと思っています。決して定着しづらいCRMやSFAをディスりたいわけでも、導入をやめておいた方がいいということをお伝えしたいわけでもありません。
このnoteを通じてお伝えしたいことは、データ入力を定着させていくためには、そもそもCRMやSFAはそのシステム特性ゆえにデータ入力定着が難しいという事実の認識が大切ということと、だからこそ、定着させるためにはこの要因を正しく理解した上で腰を据えて対策を打つ必要がある、ということです。
なお、CRMやSFAがどんなもので、いかに素晴らしいかについては、弊社の山倉が誰よりもわかりやすくまとめてくれています。CRM、SFAって何?いるの?という方はまずはこちらを。
ちなみに、UPWARDはCRMやSFAの活用の課題を解消し、その価値を最大化する「Sales Engagment」と呼ばれるサービスを提供しております。言い換えると、本noteのテーマであるデータ入力定着の課題をテクノロジーの力で解消することを目指している会社です。もし、データ定着の課題解消の打ち手として、UPWARDが有効と思っていただけたなら、ぜひ導入をご検討ください(笑)
さて、前置きが長くなりましたが、本題に入っていきます。
なぜ、営業担当はデータを入力しないのか?
まずは、営業担当目線でのデータ入力をしない理由をみていきましょう。図1はUPWARDが独自に調査した営業担当者がデータを入力しない理由です。
要するに、手間はかかるは、メリットは感じないということで、そりゃ入れないよねと言う話です。
さて、ここからが重要なポイントです。まさに、CRM、SFAの強み故の特性が、営業担当者に入力の手間やメリットを感じないということを強く感じさせる要因となっています。ここから、この主な要因4点を紐解いていきます。
なぜ、データ入力に手間がかかるのか
1つ目のデータ入力が手間と感じる主な要因を2つご紹介します。
異なる情報を別々に入力する必要性がある
上記はCRMやSFAのテーブル構成を超ざっくり書いたものです。ここでテーブル名やテーブル構成は重要ではないのですが、このように、顧客や営業活動に関する様々なデータを、データの種類(取引先、取引先担当者≒名刺、商談、問い合わせ・・・)ごとに細分化して専用の箱(テーブル・オブジェクト)に、データ同士を紐付けて(リレーションをつけて)データを管理する構造になっています。
この構造は情報を共有したり、さまざまな軸で集計、分析したりと、データの利活用をする目線では非常に使いやすいのですが、いざ入力する側からすると、データの箱ごとに入力が必要なため、非常に面倒です。1回の営業活動で、営業活動の報告を入力し、商談の更新をし、クレームをいただいたらそれもまた登録し、新しい方に会ったら名刺情報も登録し・・・、といった形で、たくさんの箱に一つ一つ入力しないとなりません。営業担当は1日に何件も営業活動を行うわけですから、そりゃ手間だし、漏れも発生してしまいます。
項目の増加や入力ルールの煩雑化を招きやすい
CRM、SFA(特にCRM)は部門横断で活用するものであり、かつ、ローコード・ノーコードで設定変更が行えるクラウドサービスが主流になっています。
これらは、時々の各部門の戦略や施策に応じて柔軟に設定を変えられるという大きなメリットではあるのですが、裏を返すと、各部門の都合で設定変更のリクエストが発生し、これが(実装しやすいがゆえに)次々と反映されていってしまうので、管理項目数や入力ルールは雪だるま式に膨れ上がり、入力負荷はどんどん上がっていってしまいます。
(お恥ずかしながら)弊社でも営業担当者が商談を受注フェーズに上げたいが、何かしらの入力項目が漏れているから入力エラーになり、埋めたら次のエラーが出て、、、といった形で格闘しているような光景をたまに見かけます。
なぜ、データの入力にメリットを感じないのか
続いて、営業担当がデータ入力のメリットを感じない要因2点です。
CRM、SFA以外の媒体にも同じような情報を複数入力している
営業は、様々な都合でCRM、SFA以外にも個別の目的・業務に特化した様々な媒体、システムにデータ入力する必要があるという状態になっているケースが多いです。上長に営業状況を報告するための報告シートや予実集計シート、チャットツールでの報告、契約システムへの入力や契約書の発行等々・・・
これらシステムにはCRM、SFAに入れるべき情報と同じような情報を入力しているケースが多いため、営業からすると結局個別の入力先のデータが活用され、CRM、SFAへ入れたデータが後続業務で使われないなら、ちゃんと入ってなくてもいいや、となり、ただでさえ日々の事務処理で忙しい中、CRM、SFAへの入力の優先度は下がっていきます。
営業担当個人にとっての短期的・直接的インセンティブの低さ
CRMやSFAは、残念ながら今日データ入力したから明日、明後日売り上げが爆発的に上がるような特級呪具ではありません。当月の売り上げ目標達成に心血を注いでいる営業担当者に数ヶ月後の売り上げ向上のために今からデータをコツコツ入力しなさい、といっても納得は得づらいです。
加えて、入力したデータに基づいて経営、営業戦略が決められているなんていう実感は一担当からはあまり見えないですし、入力した内容にフィードバックが得られないどころか、入力しなくても誰からも指摘もされないこともある、というケースも多く、評価項目にデータ入力が組み込まれている組織も稀ですので、総じて営業担当にとってのインセンティブが働きづらい状態にあります。
まとめ:CRMやSFAへのデータ入力定着は難しい。ではどうすればいいのか?
まとめです。営業担当は手間がかかるし、メリットを感じないからCRM、SFAへのデータ入力は行わない、と言いますが、この裏側に根深いCRMやSFAの特性に起因する要因があるということをご紹介しました。
手間がかからないシステムというのはあまり存在しませんが、日常的に使うシステムの中ではCRM、SFAはトップクラスの手数の多さだと思います。また、例えば経費精算システムや、契約システムも入力が面倒なシステム筆頭ではありますが、入力しないとお金が返ってこない、契約ができないという明確なメリット(使わないデメリット)があるため利用者はどんなに手数が多かろうが、システムが重かろうが、入力せざるを得ないので、します。
では、CRM、SFAへのデータ入力定着の課題にどう向き合っていくべきかですが、冒頭にも記載した通り、まずはそんな簡単な話ではないという正しい認識が重要です。つまり、思い出したようにマニュアルを配布するとか、勉強会をやってみるとか、未入力者を見せしめのように吊し上げるとか、場当たり的で非本質的な対策をやったところでまずもって定着しないということです。
データ入力を阻害する要因を正しく理解した上で、組織の文化や考え方、営業手法にあった対策を、現場任せにせず、経営、マネジメント層がコミットし、議論し、腰を据えて対策を打っていくことが大切です。
具体的な対策としては、CRM、SFAの複雑な設定を解消していく、CRM、SFAを中心としたマネジメント、システム構成に変更する、継続的なトレーニングプログラムを実行する、活用を定着させるためのSales Engagement(入力自動化)、Digital Adoption(入力ガイド表示)といったテクノロジーを導入する、といった方向性が考えられます。繰り返しですが、組織にあった対策を打っていくことが重要です。具体策の考え方や例はまた別のnoteでご紹介させていただきます。(執筆頑張ります)
以上です。このnoteが少しでも誰かの役に立ったら幸いです!
記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。私がプロダクト責任者を務めるUPWARD株式会社は、「Innovation of last mile(現場のラストワンマイルを確信する)」をMission掲げ、この記事でも取り扱っているようなCRM、SFAの活用の課題をテクノロジーの力で解消し、企業の営業生産性を向上させる「Sales Engagement」と総称されるサービスを提供しています。
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