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カンボジアでのソフトスキルを育むインターンシッププログラム 

SALASUSUは、学生がインターンシップを通してソフトスキルを養い、就職後の職場で活躍し、自分らしく生きていける社会を目指しています。
そこで、みてね基金(日本のIT企業であるmixiの基金)の助成を得て、International Business Chamber of Cambodia (IBC)と連携し、カンボジアでのインターンイニシアティブである、Pathways to Employment (P2E)を運営しています。

インターンシップの狙い:生徒のソフトスキルを育むとともに、TVETの教育の改善にも役立つ

SALASUSUがインターンシップイニシアティブを開始した狙いは主に以下の2つにまとめられます。

①学びながら、実践することでソフトスキルを効果的・効率的に育むことができる


ソフトスキルを身に着けるには、座学だけでなく、実践を通して学ぶことが必要です。
SALASUSUの自社工房においても、ただソフトスキルトレーニングを提供するだけではなく、チームでものづくりをする過程でソフトスキルを実践し、身に着けていくことを重視しています。
その経験をもとに、TVETにおいても学校でソフトスキルを学ぶだけではなく、それを実践できるインターンシップが重要だと考え、インターンシップの改善に関わっています。

②インターンシップを通してTVETが企業のニーズを把握し、授業を改善することができる。


カンボジアでは、スキルギャップ(教育で培われるスキルと産業で必要とされるスキルにギャップがある状態)が問題となっています。(→スキルギャップについての記事(英語):https://salasusu.substack.com/p/what-skills-are-lacking-in-cambodia?s=r
原因としては、学校が産業界のニーズを教育に反映できていないことが挙げられます。
インターンシップは、学校が企業から直接フィードバックをもらえる良い機会になると考えています。トレーナーがトレーニングを受けて能力を伸ばすだけではなく、学校が授業を改善していくサイクルを整えることが重要です。

インターンシップにおける生徒の学びを重視したプログラム

現在は、パイロット事業として、2021年9月より第1回目の6か月間の派遣を行っており、11人の大学生と6人のTVET生を派遣しています。予算規模は、約950万円です。
プロジェクトには、以下の特徴があります。「生徒がインターンシップを通してソフトスキルを実践し、養うこと」を一番の目的としているため、事前研修、コーチングなど生徒の学習のサポートに力を入れています。

<本プロジェクトの特徴>

  • 大学と職業訓練校の両方から生徒を受け入れ

    • 今後はさらに、様々なバックグラウンドを持つTVET生に重きを置く予定です。

  • 長期のインターン(期間:6ヶ月間)

    • カンボジアTVETのインターンの大半は2週間から2か月と短期です。ただ、SALASUSUは自らのインターン受け入れの経験に基づき、生徒が学びを得て、企業にも貢献するためには6か月間は必要と考えており、カンボジアでも6か月間以上の長期インターンシップを推奨しています。

  • 50%コミットメントのパートタイム

    • カンボジアの多くのインターンシップはフルタイムですが、パートタイムにすることで、学業とインターンシップの相乗効果を図ることができると考えています。

  • 生徒への学習サポート

    • 事前研修(主にソフトスキルについて)

      • インターン開始前に、時間を守ること、助けを求めること、感情コントロールなどの基本的なソフトスキルについてのトレーニングを行いました。講義にとどまらず、職場での状況を考えたトレーニングを行ったため、生徒からは研修で学んだことが職場で役立ったという声が聞かれています。

    • 派遣中のコーチングのサポート(1,2か月に1回)

      • コーチングでは、コーチが生徒に対して、インターンシップで困っていることや学んでいることについて聞いていきます。インターン生のメンタルサポートや学びの振り返りに役立っています。

    • 月例の振り返り

  • 派遣先managerへの派遣前トレーニング

図:インターンシップ実施の流れ

実際に、本プログラムのインターンシップを通して、生徒のコミュニケーション能力や感情コントロールなどのソフトスキルの向上が多くみられています。
コーチング担当のスタッフからは、実際にインターンシップ派遣前の研修時と、数ヶ月後のフォローアップ時を比較して大きく成長を感じたという声がありました。臆せず発言をするようになったり、生き生きと自分の意見を言えるようになったメンバーがいるなど、嬉しい成長が見えています。
生徒の成長についての詳細なストーリーについてはこちらの記事をご覧ください。

今後、本プロジェクトを企業、学校、生徒に広め、拡大していくためにプロモーションビデオを作成しました。生徒、企業、IBCの生の声が聞けるため、是非ご覧ください。

P2Eプロジェクト プロモーションビデオ 英語バージョン


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