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カンボジア人 職業訓練校インターン生の成長ストーリー

消極的だった彼がコミュニケーション能力を向上し、新しいスキルを学びスタッフにオファーされたわけとは?

生徒の学びに重きを置いたプログラム

SALASUSUは、学生がインターンシップを通してソフトスキルを養い、就職後の職場で活躍し、自分らしく生きていける社会を目指しています。そこで、みてね基金の助成を得て、International Business Chamber of Cambodia (IBC)と連携し、カンボジアでのインターンイニシアティブである、Pathways to Employment (P2E)を運営しています。
現在は、パイロット事業として、2021年9月より第1回目の6か月間の派遣を行っており、11人の大学生と6人のTVET(Technical and Vocational Education and Training)の生徒を派遣しています。予算規模は、約950万円です。本プログラムの詳細な狙いと特徴はこちらの記事を参照ください。
P2Eでは、「生徒がインターンシップを通してソフトスキルを実践し、養うこと」を一番の目的としています。そのため、1,2か月に一度コーチングを提供しており、TVET生のコーチングは、SALASUSUのカンボジア人トレーナー兼コーチが担当しています。コーチングでは、生徒が得ている学びや課題について話した上で、次の目標を決めているため、生徒の具体的な成長や学びについて把握することができています。

コミュニケーションスキルや新しいことを学ぶための意欲の向上が見られた

今回は、P2Eに参加している、一人の生徒のストーリーを紹介します。
紹介する生徒は、 TVET3年生のICT専攻で大学のIT部門に勤務しています。主に2つの喜ばしい成長がありました。

①コミュニケーションをとるのが苦手だったが、積極的に自分の意見を言えるようになった

SALASUSUのトレーナー兼コーチによると、彼は、事前研修や第一回目のコーチングでは、トレーナーや他の生徒と話すのに消極的でした。ただ、2回目以降(働き初めて3ヶ月後)のコーチングでは、積極的に自分の意見を話せるようになり、大きな成長が見えました。彼自身もコミュニケーション能力が上がったと感じています。
そのように変化できた要因を本人に聞いたところ、職場で上司や同僚と話す機会が多く自信がついたこと、また、職場で目標としたい上司などに出会い、自分が変わりたいと思い、努力したことを挙げていました。
インターンシップでは、学校外の人とのコミュニケーションの機会が増えるため、コミュニケーション能力などの向上に役立つと言えるでしょう。

②新しいことを学ぶ意欲が高まり、多くの学びやスキルを得て、スタッフ

最初の1カ月半ほどは授業での生徒のサポート業務がメインでした.。ただ、その後IT部門の上司のアシスタントになり、プログラミングに触れる機会が多くなりました。
そのため、モチベーションが高まり、プログラミングの新しい言語、 ITのツール、その他の新しいシステムについて学んでいます。インターンシップでは、企業で実際に使われている最新のシステムなどに触れられることも大きなポイントです。
さらに、上司が将来のキャリアに向けてどのように準備していくべきかなども話してくれるため、キャリアについて改めて考える機会にもなっているとのことでした。
彼は、この大学で働くことが好きで、努力をした結果、フルタイムスタッフをオファーされ、現在スタッフとして働いています。
インターンシップは、生徒が企業で実際の業務を行い、さらにキャリアについて改めて考えることができるため、スキルを学ぶ意欲が高まり、学校での学びにも好影響を及ぼすと言えるでしょう。さらに、彼の例のように、スタッフとして雇用される機会になる可能性もあり得ます。

生徒はプログラムに多いに満足している

2022年6月2日にTVET生6人、IBC事務局スタッフ、SALASUSUのスタッフが集まり、生徒の成長やプロジェクトへのリクエストなどを聞く機会がありました。
その場でも、学校と違い、インターンシップはとても実践的であり、多くの学び得ているため、とてもプログラムに満足しているといった声や、喜ばしい成長のストーリーが沢山聞かれました。
さらに、数人の生徒から、「このプログラムを友達に是非紹介したいです。次の派遣はいつからですか?」などの声があがり、このプログラムでの自身の成長を感じ、他の人にも勧めたいと考えてくれていました。
ただ、現在、資金調達やビジネスモデルの構築中であり、次の派遣は未定となっています。
コーチングや生徒との集まりで得た生徒の声より、P2Eが生徒にとって多くの機会と学びを与えていることは確実です。企業、政府、学校を巻き込んだ、持続的な学びの多いインターンシップモデルを構築し、より大きいソーシャルインパクトを生み出していきたいと考えています。


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