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2年前からの使者

目の前にいる学生さん
なんでここに話に来てみよう、と思ったんだろうなぁ。
ふと不思議になることがあります。

雑談しながら聞いてみることもあるのですが
「親に行ってみたらっていわれて。」
「先生に勧められたんですよ」
「先輩に言われて」
「存在は知っていたけど、今日勇気を振り絞ってきました!」

それぞれ理由はあります。

「勇気を振り絞ってきました」という学生さんには
確かに怖いっすよね、今日はありがとう来てくれて。と言います。

ファーストコンタクト、とっても表情がこわばっているしなんなら手震えている人もいます。
そういう場合は「人畜無害おばさんよ~♪」と穏やかなおばさんになってみます。


今日は何度か相談に来ていますが、私は初めましての学生さんとの相談がありました。
面接の対策をいつものように模擬面接しつつ、その後のフィードバックをしていたのです。


「研究内容を簡単に説明してください」という質問に対して
その学生さんが話してくれたことはちょっとわかりにくかったのです。

とはいえ、今日学生さんが話してくれた研究内容、
初めて聞く内容ではないのです。

昨年も、2年前も
それぞれ違う学生さんから聞きました。
恐らく引き継がれている研究で、2年前のあの学生さんから、昨年の学生さん、そして今は目の前にいる学生さんに引き継がれたんだなぁとちょっぴり感慨深い。

2年前の学生さんから結構わかりやす教えてもらったので
「こういう研究している」ざっくりは見えてきます。

目の前にいる学生さんには
「先輩からこの研究内容を聴いているので、大まか見えるんだけど、初見の方だとちょっと伝わりにくいかも」という主旨をフィードバックしました。

その時、目の前の学生さんが一瞬だけ、何とも言えない表情をしたのです。
すぐに「この専門用語の説明したほうがいいんですか?」と元にもどったのですが。

なんだろうなぁと思いつつ、その後わかりやすく伝えるためには?あれこれ問いかけながら整理をしていき時間を終えました。
では。と終わりにしたところで


あの、僕実は2年先輩の○○さんからこの相談のこと聞いてきたんです。

と目の前の学生さんが切り出します。

あっ、○○さん!研究引き継いだんですね~
そうなんですよ、「相談めっちゃ通い詰めて、よかったから」って聞いて。

そうか、○○さんから聞いたのか。
だから研究の話をしている時に何とも言えない表情をしたのかな。と気が付きました。


その○○さんは、2年前のちょうど同じ頃に相談に本格的に来始めたのを覚えています。
確か、早期で就職活動が始まって提出する書類を書いてその添削。

たくさん書かれていたのですが…なんだか腑に落ちないような表情。
「今回の内容、気になることありますか?」と聞いたら
「なんか、ありきたりなんですよね。」と渋ーい表情。

そこに書かれている研究も、人との関わり方も
自分じゃなくてもいい内容なんです。

確かに、誰でも言えるね。と心で思いつつも
じゃぁ、○○さんらしいとは何だろう?

そう思い、研究について、人との関わりについて
ちょっと時間をかけて聞いていったら出るわ出るわ。


話し終えてハッとした彼は「これが『自分』なんですかね?」

ぱぁっと「何かが見えた」瞬間でした。
そこからは自分でどんどん深めて、それでも思い悩んでは相談という事を繰り返し、自分の道を切り開いていったなぁ。


その彼からつながった「今日の学生さん」
奇しくも2年前と同じ相談室(いつもは私が使わない部屋)で
今後の進め方、○○さんも同じように悩みながら進んでいったことを
簡単に伝え、少し安心した様子で帰っていきました。


○○さん、繋いでくれてサンキュー。
2年前の先輩学生から、現在の学生さんにこうやって繋がるのか
そんな貴重な経験をできた金曜日となりました。


新入社員として元気にしているといいなと思いつつ。


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