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読書記録『共感革命』

最近、言語やことばが自分の中でホットトピックで、色々本を読み漁ってるのですが、面白かった本『共感革命』の感想と所感を書いていきます。

『共感革命: 社交する人類の進化と未来 (河出新書 067)』山極壽一

要点ピックアップ

経営学者の入山章栄先生のPodcastで話題に出ていて、気になって購入したのがきっかけでした。簡単にポイントになる内容を書いていきます。

  • そもそも人間は生物としては弱い。果実は熟したものしか食べられないし、すごい身体能力や繁殖力があるわけでもない。

  • その弱さをカバーするために伸ばしてきた特徴的な部分が、言語であり、いわゆる認知革命を起こした。

  • 農耕をすることで定住が広まったが、元々は狩猟民族として移動しながら生活する、定住しない生き物だった。

  • 言葉があり概念が生まれた。さらに定住の文化から領土の考え方が出てきたことにより、領土をめぐる争いが生まれた。

  • 男女、国も全て「概念」であり、男女や肩書きも全て概念でくぎってるだけで、人間としての価値は同じ。概念があるから争いが生まれる。

  • 所有と定住をやめることで、今起きてる争いは無くなるのでは。

所感

本を読んでいて思ったことは、他の人とちょっと自分違うかも?と思ったことが、本来の人間の特性としてはむしろ自然なのでは?と思ったところがあります。

私は同じ場所に3年くらいしか住めなくて、転々としていて、定住あまりしていないです。
本当はもっと短いスパンで引越したいけど、お金とか手続きの面倒さであえて減らしている…ので、家を35年ローンで買うとかは、今のところ、想像しにくいですね。

要点には書いてなかったですが、人間には言葉以前に音楽があったと本に書かれていました。
自分が音楽が好きなところはかなり本来の人間の特性としては自然な方向性なんだなと思いました。

本に書かれていて、入山先生がPodcastでも言っていたのが、言葉があることで概念が生まれて、争いも引き起こしてる、のは、確かにそうだなと思います。
国も、領土も、人種も、それを分ける「概念」がなかったなら、そもそも分けて考えられません。

言葉があるから高度なコミュニケーションができるのは凄いことですが、その分、分断させる概念も生んだ、ということでもあります。

そもそも同じ"言葉"を使っていても、それぞれが考えている、捉えている意味が違います。(例えば「概念」が何を指すか?、とか)

むしろ"同じ言葉"なのにそれがなんで伝わらないんだ?と憤る原因にもなります。前提として、相手は同じ言葉使っている相手でも、全く同じことを思ってないし、むしろ、全然違うこと考えてる、かもしれない。(人の頭の中は覗けないから、究極的には知る由もない)

自分の思った伝え方で伝わらない時は、伝える工夫をする、のは違う人間同士間で、本来は当たり前にやるべきことなのです。

所有と定住という、現代では当たり前になってしまったことを辞める、のは難しい人が多いのかもしれないですが、色々とシェアサービスが広まってるのはその一つなのかもしれません。

この記事とはまた別で、本から感じたことなどもまとめていこうと思いますが、今回は本の内容に沿った話で留めます。興味のある方はぜひ本買ってみてください!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
salar

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