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人と比べないって難しすぎる。

「人と比べず、自分らしく生きよう!」

そんな言葉が、現代を生きる人たちにかけられるようになって久しい。けれども、比べないことなんてできるんだろうか。

よくある「人との比較」でいうと、自分と、成功している人(と自分が思っている人)を比べて、
「自分は、あの人と比べて、あれも、これも無いし不幸せだ…」
と思うパターンだ。

「あることが普通」と思われることに対して、「それが無い自分」は劣っていると考えてしまう。例えば、結婚していない、子供がいない、働くことが難しい…など。

私は親が離婚している。友人や同僚との何気ない会話の中で「父親」「母親」両方のワードが出てくると、「この人の家庭は、両親揃っているんだな、恵まれてて良いなぁ」と思ってしまうこともある。

でも、よくよく見ていると「無い人」が必ずも不幸せかと言ったらそうでもない。むしろ「有る人」の方が不幸せそうに過ごしていることもよくあることだ。(夫への不満を言う妻、逆も然り…)

結局、「普通」であった方が良いかどうかは人による。比較して〇〇がないから、といって、それが良いとも悪いとも言えないのだ。

実はこれも比べてた、と気づいたこと

環境や生まれ持った性質のような要因は、比べても仕方ない、ということは理解できるし、これを意識してから、確かに少し生きるのが楽になった気がする。

でも、正直これだけでは解消しきれないと思う部分があった。ただ、最近それが何であったか気づいた。

わたしは自分の好きなことや得意なことを見つけたときや、自分に何か良い/悪い出来事があったときに、こう考えてしまうことが多い。
「いや、もっとこれ好きな人いるし、、」
「もっとできる人いるし、、」
「もっと大変なひといるし、、」
という考え方をしてしまっていたのだ。

例えば、「音が気になる」「においが気になる」と思った時も、
「もっとこだわる人もいるから、そういう人と比べて自分なんか大したことないのに、ごちゃごちゃ言うのは、子供っぽいかなぁ」
と思っていた。

けど、よくよく考えたらこれも、誰とも分からない人と自分を比べ、その人との上下を考えているということに気づいた。

冒頭で述べた「〇〇と比べて不幸」という論理でなく、「自分よりもっとすごい/大変な人がいるのだから、自分が何か語るのはおこがましい」と思ったのだ。

好き、大変の基準って何

「自分よりもっとすごい/大変な人」と考えてるが、その基準は一体何だろうか。

好きや得意に絶対の基準はないし、大変さにも明確な基準はない。感じ方も人それぞれで、感情などを定量的に比較できるように出すのは難しいと思うと、比較不可能であると思う。

つまり、自分が好きや得意、大変だと思った時点で、そうであると言えるのではないだろうか。

他者がどうかという尺度は本来は関係がなく、「自分はこうだ」と思うことがまずはスタート。あとは、好き/得意を伸ばしたり、大変だと思うことは解消する手段を探したりすれば良い。ただそれだけなのかもしれない。

世の中には情報が溢れ過ぎているから、情報に踊らされてしまう。
確かに、自分よりも大変な人はいるかもしれない。だからといって、自分の大変さが何か変わるわけでも、よくなるわけでもない。

他の人にとっては普通で簡単なことだとしても、自分にとっては難しかったりできないこともある。

「本当の意味での比べない」ことは、色々情報があっても一旦無視をして、自分にとって本当はどうなのか見極めることだ。

とはいえ、人間社会で生きる以上、完全に比べないことは不可能だと思う。
人との関わりがなければ生活できないし、接する中で比べる要素が出てきてしまうのは仕方のないことでもある。

ただ、比べることが全て悪なのではない。比べることで、今後はこうなりたいとモチベーションに繋がるのであれば、それはむしろ非常に有用である。

問題なのは、比べた結果に良し悪しをつけることだ。

結婚している、子供がいる、家族がいることは普通ではないし、それを選択しない人もいる。

結婚しないとダメだとか、子供いた方がいいよ、とか言う人がいるが、どっちがいいも悪いもないし、「本人が選んでいる」かもしれない道に口を挟むのは違うと思う。

もし比べたことを言われたら、
「あ、この人は良し悪しつけてるな」
「この人はこっちがいいって思っているんだね。(ま、この人の感想であり、自分は関係ないけどね〜)」
こんな感じで考えようと思う。

有名な『スマホ脳』の本でも書かれていたと思うが、スマホの見過ぎ(特にSNS)で、自己肯定感が下がっていると言われている。

これこそまさに比較が生んだ問題だと思うし、比較には終わりがない。(比べようと思えば、上には上、下には下がいくらでもいるので)

少しでも早く比べる世界から抜け出して、自己中かもしれないけど、いかに自分が生きやすい世界を作るか。これが本当はとても大事だと思う。

周りとの比較をやめて、自分の心や感覚を少し信じてあげてみようと思う。

比べてしまって生きるのが苦しい…そんな人に参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

salar

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