コロナウイルスの影響による3月のSALA(24席)の売上推移とこれからのこと
まさか2ヶ月前にはこんなことが起こるなんて想像もしていませんでした。今まで起こったことと24席の飲食店の私達がこれからどうするのか考えたことを書きたいと思います。
▶2月の後半で事の深刻さを感じる
2月、日本でも新型コロナウィルスの影響が懸念され、人々の間にもその恐怖が浸透していきましたが、SALAとしてはなんだかんだ日々たくさんのお客さまにお越しいただき、正直そこまでの危機感はありませんでした。
でも、2月の最終週あたりから3月前半のたったの約2週間で状況は一変。
いつも予約を管理する自分のスマートフォンのキャンセル通知が鳴り止まない…3月前半はほんとにスマートフォン見るのが嫌になるぐらいずっと通知がなっていました。団体のお客さまのキャンセルが相次ぎ、3月はご宴会だけでも220名以上のキャンセルがありました。
ここで初めて事の深刻さを理解しました。
▶3月のSALAの売上の推移をグラフにしてみました
3月がスタートしてもご予約も少なく、これからどうなっていくのかも先行きが見えない。
実際に3月のSALAの売上推移をグラフにしてみました。(※赤丸は日曜日のランチのみ営業)
3月だと定休日の火曜日、日曜日のディナーなどにもご宴会が入り売上が上がるはずの月。全体的に売上はかなり落ちているのが前提なのですが、いくつか特徴的な動きがあったので振り返ってみたいと思います。
▶第一次自粛期間 3月1週目
3月の営業は、ご予約キャンセルが続き、閑散としたスタート。
3月5日(木)くらいまでの世の中は完全に自粛ムード。ディナー・ランチともにお客さまが少ない日が続きました。学校も休校になっている関係からか主婦の方々はもちろん、この期間はランチ常連のサラリーマンの皆様でさえSALAに来られませんでした。
でもそんな自粛期間の中、なぜか3月6日(金)7日(土)になると街に人の姿が目立ちはじめ、ランチに常連さんが戻り、ディナーも飛び込みのお客様が増え…それはまさにもう我慢できない!と言わんばかりの勢いでした(さすがに8日の日曜日はゆっくりしていましたが)。
▶買い占め問題とお客様のあたたかい気持ち 3月6日〜
この期間は、トイレットペーパーやキッチンペーパーが市場から消えるニュースが報道されている時期でした。買い出しで色んな所に顔を出したのですが、どこにも在庫はなく、完全にお手上げモード。
3月6日あたりに、こんな呼びかけをさせていただきました。たったの1日で必要な量のトイレットペーパーが集まりました。
お客さんのあたたかさをしみじみと感じました。困ったときに声を出せる状態であることのありがたさと、たくさんの方々がSALAを支えてくださっていることの心強さを感じました。この投稿あたりから、SALAを気にして、ご来店くださる方が増えたような気がします。
▶自粛の反動?期間 3月12日〜
そして3月12日(木)あたりから2週間ほど、急に店が忙しくなる日が多くなったのです。相変わらず予約や大人数グループでのご来店は多くありませんが、2名、3名様の飛び込みでのご来店がとても多かったです。街に目を向けても、少人数で行動されている方が多くいらっしゃった印象です。
▶第二次自粛期間 3月26日〜「外食が悪」ムード
そしてオリンピックの延期の決定、東京での感染拡大、パンデミック宣言、週末外出自粛要請などの大きな報道が起こりはじめると、いよいよ事態は深刻化。お昼に商店街を歩く人はいるのに店の中は誰も居ない、夕方になると街から人は消え、ゴーストタウン化するという普段じゃ考えられない光景。近隣の南京町も人がいなくなり、お店を臨時休業するところも多くなりました。
3月26日を境に人々の自粛の質が変わり、「外食は悪である」というような雰囲気が広まり、飲食店として打つ手がないように思えました。それでも来てくださるお客様は本当に本当にありがたいのに、どこか肩身が狭そうに過ごしてらっしゃる姿を見て、とても心苦しい気持ちでした。
3月28日(土)。SALAはオープン以来初めて、土曜日のディナーを20時に閉めるという決断をしました。お客さんが…いない!
3月30日(月)はSALAで親族の集まりがあり久々に賑やかな雰囲気でしたが、街は変わらずゴーストタウン状態でした。このあたりから、4月は中旬まで休業します、という大手チェーン店が増え、個店もチラホラお店を閉めるところが出てきました。街自体の商いが縮小しているという不安定な状況に、私達もどうするべきか戸惑ってしまいます。業者さんも、付近の店舗のみなさんからも疲労感が伝わってきます。
分かりやすくランチのお客様の数でいうと、SALAでは忙しい日で60〜70名、平均して50数名のお客様に日々来ていただいていましたが、このような状況になってからは多くて20名、4月に入ってここ数日は10〜14名。来週にはいったいどうなってしまうのか…考えるだけで恐ろしいです。
▶今、私が思うこと
この記事を書いている4月4日(土)のアイドルタイム(15:00〜17:30の休憩時間)、買い出しで感じる商店街や南京町の空気はとても重たく、今晩のディナーはノーゲストの可能性が濃厚な雰囲気です。※結果的には4組ほどお客様が来てくださりました涙
日々深刻になるこの状況、お客様のご来店件数や仕入れする食材の量も読めないし、自分の気持ちの保ち方も難しい。
でも、文句を言うことも悲観になることも不安になることも希望を持って待つことも疲れてきた。国の支援を待つだけでは何も始まらない。結局、自分で商うということはどんな要因があっても踏ん張って自分で「立っていられる力」が最終的には重要なはずだと感じます。その為に知恵を絞って、お客さんにも助けてもらって、歩みを止めずに自分たちの足で立たなければいけない。
結局は何の為に店をしていて、誰の為に今を持ちこたえなければいけないのか。その為にできることはなんなのか?
ここまでマイナスなことを書き続けましたが、「もうだめだ〜」って事が言いたいわけではないんです。
経験の少ない私でも、肌感覚ではありますがこの数ヶ月の状況の悲惨さは理解しているつもりです。こんなことが急に起こって、世界はあっという間に変わっていく。そんな日々を受け止めながら、自分は、人々はこの状況をどう乗り越えていくのか考えていくのが大切だと思っています。
この時代に身をおいていると感じているからこそ、状況をちゃんと把握して、今まで起こったことと、これから考えていることを残しながら「あのときこうだった」「でもこうやって乗り越えた」「こうやって立ち続けた」という経験にすることができるように、ここに記していきたいです。
▶少しでもできることの第一歩 テイクアウト
自分たちの仕事がお金をいただく価値とは「おいしい料理を食べてもらうこと」「居心地のいい空間を提供すること」だと思います。空間の提供が今は外的要因で難しいけれど、まだ「美味しい料理を食べてもらうこと」に関しては続けることができるはずです。
多くの飲食店のみなさまがはじめられているように私達もテイクアウトを強化しはじめ、4月2日(木)にこのような発信を行うと
SALAを気にしてくださるたくさんの方々が「食べに行けないけどテイクアウトならば!」とご注文くださるようになりました。店頭での受け取りなのですがお会いできて、少しでも会話ができることはすごく有り難くて嬉しいです。今から友達の家に行く、金曜日の夜のご褒美に、家族で食べたいから、などまだ初めて数日ですがお弁当を作ることが楽しくなってきています。食べてもらう方の顔を思い浮かべながら、どんなおかずを入れて、どんな旬の素材を使って、今日はこうしよう、今度はこれしよう、想像すると楽しい。更には私達よりも先にビラを作って会社の仲間に配ってくださる方まで。
特に店長の気まぐれご褒美弁当(1200円税込み)は色んな種類が食べれるので人気です。オペレーションや彩りとかバランスとかまだまだ不器用かもしれませんがご意見をいただきながらさらに進化させていきたいと思っています。
▶これからはじめたいこと
少しずつできることを考える中で日々テイクアウトを作っていると、「おつまみセット」「辛いメニュー」「ハーブの効いたメニュー」などやりたいことが増えてきました。まずはテイクアウトのメニュー表を作ろう!今は弁当だけですが惣菜販売も始めよう。お客さんが求められていることをすぐに実践できる仕事は楽しいです。
でももっとテイクアウトを楽しくしたい、おもしろくしたい、と思うとアジアのお弁当箱が思い浮かびます。東南アジアではこのタイプの弁当箱が主流です。インドだとこんなふうに運びます。
最近はSALAにもこんな本おいてます。(これも私が大学1年のときに買った本)ベンチシート側においています。
私が大学1年生のとき、ベトナムで買った弁当箱。埃かぶってますが引っ張り出してきました。
大学1年生のとき、とあるビジネスプランコンテストでこの弁当箱を使った大学の職員さんに向けた弁当販売のプランを仲間と一緒に発表しました。今もSALAで働く在日アジア人のお母さんたちのエンパワーメントを目的にみんなで考えたプランだったのですが、今考えるとつっこみどころが満載なプランでした。
大学にキッチンはあるのか?職員さんの人数は商売になるのか?卒業したらどうなるの?学生とお母さんたちがビジネスをするときの衛生面はどう確保するのか?弁当の回収はどうするのか?大学の長期期間中はどうするのか?…など。
でも、今ならそれが実現できる地盤があります。まずは店があるということと、そこで出会うことができた顔が見えるSALAのお客様の存在。想いを知ってくださっているお客様の存在。
近隣企業のサラリーマン、OLさんのお昼ご飯事情、経験からもマーケットを把握できている自信があります。
こんなお弁当箱を持って運んでくれるお客さんの姿、まとまった数なら企業さんにスタッフがSALAの多国籍チャルメラ屋台で運んだりする、おもしろい光景が目に浮かびます。
ステンレスだったりホーローだったり、カラーバリエーションもあり、各国ではカレーやスープを入れても漏れないほどしっかりしている作りだとか。
朝に店の前の回収ボックスに弁当箱を置いといてくれたら、店に預けてくれたら昼に取りに来ます、夜に取りに来ます、など弁当を事前に作っておくこともできます。
意外とごみになり、価格も高いプラスチックの容器。エコの観点からもマイ弁当箱は素敵だと思います。何よりも持ってて可愛くてテンションがあがる、広げるといろんなおかずを楽しむことができる、楽しいです!SALAのオリジナルの弁当箱をデザインしたり!絶対おもしろい。
細かなことはこれからですが、こんな風にわくわくすることを重ねて今のこの状況を乗り越えることができれば、「きっとあのときこんな風に乗り越えた」といえる日が来るのだと思います。
そして一番に、今の状況で何かひとつでもうまくいくことが発見できれば、それをたくさんの飲食店の方々と共有したい。業界の全ての皆様で一緒に乗り切れる方法も考えていきたいです。
近隣の色んな店舗でコラボするテイクアウトやお弁当があっても楽しいと思います。一度に様々な店舗の味を楽しめる贅沢は他にないです。もちろん店としてそれが商売になることではないと思いますが、お客さんにワクワク感を伝えたり、テイクアウトをやっているんだということを伝える手段としては面白いことだと思います。
少しずつ、歩みを止めず、みんなで頑張りたいです。
絶対諦めない!今後もSALAの応援、皆さんが大好きな飲食店の応援、どうぞよろしくお願い致します!!!
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SALAへのご支援方法
①月額会費制のnoteオンラインコミュニティ(サークル)「神戸アジアン食堂バルSALA応援団」へのご参加
②【目標達成!】現在進行中の新メニューへ向けた業務用ミキサーの購入へのご支援
現在サポート金額85,000円(約100%)
※皆様のご支援で目標金額に達成しました。ありがとうございました!!業務用ミキサーに関するご支援の受付は終了致します。4月6日更新
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