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「このデザインでいこう!」 事業を推進する意思決定のやり方

※こちらはDesignship 2020で発表させて頂いた資料です。メモなどは取らず後からゆったりと見返して頂けるよう事前公開をしています。

-------👇ここから発表内容👇-------

こんにちは。クックパッド株式会社の宇野です。

今日は『「このデザインでいこう!」 事業を推進する意思決定のやり方』というテーマでお話をさせて頂きます。

なかなか渋めのテーマですね。とはいえ、日頃意思決定に関わる機会のあるマネージャーの方はもちろん、後輩の育成をされている方から若手の方まで、すべてのデザインに通じるとても大切なお話です。

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簡単に自己紹介を。宇野と申します。Web制作会社やソーシャルゲーム開発の会社に携わった後ヤフー株式会社に入社。Yahoo!ニュースやYahoo!検索、Yahoo!知恵袋、Yahoo!乗換案内などのデザイン部長をしていました。

昨年2月にクックパッドに入社し、デザイン戦略本部長や全社のデザインの統括をしています。

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本日のキーワードは「意思決定」。皆さんも日々の業務の中でさまざまな意思決定に携わっていることと思います。

事業の意思決定、採用の意思決定、評価や報酬の意思決定、日頃から僕はいろいろな意思決定に携わっていますが、今回はその中の一つ「デザインの意思決定」について、クックパッドでは実際にどのように行っているかをご紹介します。

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まず、クックパッドのデザインのすべては、会社のミッションをベースにして考えられています。

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毎日の料理を楽しみにする

これがクックパッドのミッションです。これはすべてのプロダクトに通じた話であり、事業戦略や投資、掲載する広告にまで浸透している概念です。

しかしこれは非常に困難な道です。コロナ禍においてクックパッドのレシピサービスは月間約7,400万人(※2020年6月30日時点)もの方に利用いただいています。

新型コロナをキカッケとして、料理の面白さに目覚めた人もたくさんいることでしょう。これだけの方に使って頂けているなら十分じゃないかと思われるかもしれませんが、このすべての方が「毎日の料理を楽しみに」していたかというとそうではなかったと思います。

やはり毎日の料理はツライ人もたくさん含まれているのが現状です。

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ですから、このような困難なミッションに取り組むためには、本当に必要なものに魂を注ぎ込む必要があります。作り手の思いが伝わるデザインを作る。大切な思いを素材として極限までその味を引き立てるデザインが求められるのです。

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そのためには「あれもこれも」提供することはできません。極端なことを言うと「あった方がいい」という程度のデザインや機能はかえって雑味となります。

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これは今年2月にフルリニューアルをした、iOSのクックパッドアプリのタブバー(画面下部のタブUI)のデザインです。

クックパッドのレシピサービスを利用されている方には色々な方がおり、それぞれに応じた機能があります。しかし使いこなせていない方にはかえって難しく感じてしまうこともあり、抜本的なコンセプトのリニューアルの段階でタブのメニュー数を5つから3つに大きく減らしました。

一番目立つ場所には「あるべき」ものだけにフォーカスをした結果です。これは既存のものに改善を重ねるグロースハックの先にはない到達点でありとても大切な意思決定でした。

実はちょうどこの10月から「かいもの」というメニューが増やし、4つのメニュー構成になっています。これもフォーカスをする対象を見定めておいたからこそ、「今後のクックパッドに必要な機能ならばタブバーに置くべきだ」という決断ができました。

以前の5つのメニューの状態では、更に追加をするという決断はできなかったと思います。

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また、このリニューアルに合わせてトップページのデザインも大きく変更しました。以前も「ピックアップレシピ」というレシピの写真が載っていましたが、リニューアル後は右のように記事コンテンツの写真だけが大きくならぶデザインになっています。

決して今までのデザインが悪かったというわけではありません。この新しく作った記事コンテンツを通してもっとたくさんのアイデアを得られるようにしたい、料理の楽しみの幅を広げたいというサービスとしての思いがあり、新たなメッセージを発信するために要素を追加していくのではなく、思い切った断捨離をした結果のデザインです。

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ここまで聞いて「それはデザインではなくコンテンツの話はないか?」と思われた方もいらっしゃると思います。

そのとおりです。しかしこれも一方でデザインの話でもあるのです。

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デザインというものは中心に伝えるべきコンテンツがあり、それを包括するものです。つまりコンテンツと表裏一体で常に一緒に存在します。

だからクックパッドでは新たな企画やコンテンツが生まれる瞬間からデザインは始まり、職種関係なく全員でプロダクトデザインをしています。

そしてそれを先頭でリードするのが「デザイナー」という職種の役割であり、プロダクトオーナーの常にデザイナーが隣にいるからこそこういった意思決定をすることができるのです。

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次に意思決定に欠かせないのスピードの話。僕らのような事業会社では様々な施策を素早く試していくことが常に求められています。ですから日頃のデザインもスピードが命です。小さく素早く世に出して、場合によっては素早く失敗をして改善を行う。

極限まで作り込んだデザインをしても、その機能や施策が失敗であれば戻さなければならないこともあるでしょう。

「この機能には複雑なデザインはいらない」と決断するのもデザイナーの大切な仕事です。

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僕はデザインの統括という立場ですが、基本的に現場に権限移譲をしています。後戻りができないもの、つまり後から修正ができないもの以外は現場の判断でリリースをして、その決定事項とリスクを事後報告で上げるという仕組みです。

当然結果としては「本当はここまで仕上げたかったけど出してしまった」という心残りがあるデザインも生まれてしまいます。

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このスピード感をもったデザインを作り上げる仕組みには、出したものに対して定期的な改善をし続ける仕組みがセットでなければなりません。

そこでクックパッドのレシピサービスでは、開発に携わるメンバー全員が毎週必ず1時間を既存機能の改善に当てるというルールがあります。そのためスピードを優先して出した機能のデザイン改善も次々と行われていきますし磨いていくことができるのです。

👇詳しくはこちらの記事を御覧ください


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とはいえ、まだまだ色んな悩みがありますよね。

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まだまだ色んな課題があり、それに伴う意思決定は難しいものばかりです。もっともっと色んなお話をしたいのですが、残念ながら今回は時間が足りません。

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そこで、最後は宣伝になってしまうのですが、より深くいろいろなプロダクトにおける意思決定のしかたをご紹介するオンラインセミナーを開催します。

レシピサービスであるクックパッドはもちろん、これから成長をさせていく新規事業のリードデザイナーも交えて、どのようにサービス開発を進めどの段階でどう意思決定するのかなどをご紹介したいと思います。

ぜひ皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。

ご清聴ありがとうございました。

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クックパッド株式会社 VP of Design/デザイン戦略部 本部長/UIデザイナー。 近著に「フラットデザインで考える 新しいUIデザインのセオリー」http://amzn.to/1wAZlpH

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