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札幌国際芸術祭+αに行ってきました!【大通周辺観光】

札幌国際芸術祭に行ってきました!!!

最近存在を知ったのと、雪まつりの時期は混むので避けたら、ギリギリの訪問になってしまいました(会期は2/25まで)。

つわものたちが 夢の跡

自分、トリエンナーレとかビエンナーレとか町のいたるところでやる展示が好きなんですよね。でも、2023年は東京ビエンナーレもさいたま国際芸術祭もうっかりスルーしてしまった心残りがありました。

というわけで、札幌に来ました!芸術祭!!聞くところによるとコロナの影響もあって7年ぶりくらいなんだとか。

この記事では、芸術祭の各会場の感想だけじゃなくて、自分が行ったその周辺のスポットも含めて紹介、というか報告させていただけたらと思います。なお、会内の撮影は一部を除いてほぼOKだったので、バンバン写真を挙げますが、悪しからず。

①未来劇場+札幌文化芸術交流センター

未来劇場

以前からサッポロファクトリーに行く道中に謎の黒い建物あるな〜と思っていたら、それが今回のメイン会場でした。

未来劇場。月曜にやってるのも嬉しい。

展示は六本木あたりでやってそうな近未来的な作品から、北海道に根差したものまで幅広く、かなりの満足感。さらに係の人は地元の老若男女がやってるという感じで、展示はハイソなのにあったかい。みんなで作り上げてるという感じがしました。以下展示数点。

上の植物みたいなのが動く。メカ感と生命の神秘が共存してるような。
写真だとうまく伝わらないですが、実際に見てみるとずっと人が歩いてるように見える。なんか怖い。
舞台の上から真っ赤な客席と赤い花。施設を活用する作品は嬉しいですね。

札幌文化芸術交流センター

次に、未来劇場の近くにある札幌文化芸術交流センターです。ここは中高生が勉強していたり、年配の方が貸し出しの本を読んでたりしてました。駅前にこういう施設があるのは嬉しいです。

展覧会のチラシも豊富で、それですすきので「すすきの夜のトリレンナーレ」をやることを知りましたが、日程がギリギリ合わず泣く泣く断念。2/25までやってますよ!Chim↑Pom from Smappa!Group(わざわざフルセンテンスで書きましたよ!)はやはり動向を注視したい存在ですし、他のアーティストも気になります。なにより夜のみの展示でワンドリンク制というのがいいですね。

展示数は少ないものの、入場無料でふらっと立ち寄れるのはいいこと。デジタルアートでエモという感じですね。企業協賛ということで、技術力が高いです。

大通周辺観光

この二つの会場は大通駅周辺ということで、その辺りを中心に観光してきました。テレビ塔がランドマークになっているので分かりやすい。

札幌観光となるとどうしてもすすきのの歓楽街に行ってしまいがちですが、大通周辺にも魅力的なスポットがいっぱいです。例えば……

サッポロファクトリーでゴールデンカムイの4DXを観たり、

脳から変な汁が出た

ゆるキャラ(またぎのもみじちゃん)に銃口を突きつけられたり、

@工房アルティスタ 購買部

オタクショップがすべてが集いし最強のオタクビルに行ったり、

お隣はブックオフ

移転した佐藤水産でおにぎりを買ったり、

13:30頃には完売してました。携帯食なので、美術館巡りにちょうどいい。

デリー(北海道にもあるんですね)でカレーをいただいたり、

東京のデリーとは違って、野菜が入っていて、お肉が何種類の中から選べるスタイル。今回はラム肉にしました。

日本茶の老舗、玉翠園でお茶とあったかアイスパフェを頂いたり、

アイスの下はあったか粒あん。他にも創意工夫に富むメニューが多め。

こちらも老舗ラーメン屋、大公で味噌ラーメンをいただいたり、

こういうのでいいんだよ
+100円でバターコーンなので、頼むのが無難。通ぶりたくて頼まなかったのを後悔してます。

と、テレビ塔の周辺を満喫しました。ちなみにテレビ塔は雪ミクグッズが豊富なのでオタクは行っておくが吉です。新千歳空港の雪ミクステーションに売ってないものもあります。

②モエレ沼公園

未来劇場近くの臨時バス(土日限定)に揺られると、モエレ沼公園に着きます。

シンボルのピラミッド。もとはゴミ処理場かなんかだったのを、公園にしたらしい。

目につくのは、子ども連れの家族の多さ。正直どんな施設かまったく知らずに来て、よくある金かけて作った割に人が少ない地方の謎の施設かなと失礼なことも考えていたのですが(失礼)、全然違いました。むしろ子連れ家族がたくさん賑わってるめっっっっちゃ良い公園でした。

それもそのはず、このピラミッドの裏にはちょうどいい高さの雪山があって、みんなそこでソリを滑ったりスキーをしているのです。イメージで言うと、雪が降ったときに近所の公園やら土手で遊ぶのってめっちゃ楽しいじゃないですか。あれのスケールをMAXにしたような公園です。

めっちゃ雪
ソリやスキーは500円で貸し出し

これに加えて、自分が言った日は展示だけだったんですが、モエレ沼公園の芸術祭のメインイベントは運動会です。それもただの運動会じゃなくて、みんなが考案したオリジナルゲームの運動会です。よく見てなかったのですが、おそらくゲームを考案するところからが芸術祭が始まってたようです。そんなの楽しいに決まってるじゃないですか!

山を滑って雪の中運動会をやって、自分が子どもだったら絶対一生の思い出になるな〜、なんてことを考えました。天国のイサム・ノグチもきっと喜んでるはずです。

名物のモエレ珠。伸びないチーズが入ってるサータアンダギーみたいな食べ物。

③北海道立近代美術館

FRAGILE

近代美術館、めっちゃ遠い!!!未来劇場から徒歩で行けるかなと思っていたのですが、想像の3倍遠い。体感だと札幌駅からすすきのまで歩くくらい遠い。そんなに遠いと思ってなかったので、より遠く感じました。公式は電車を推奨しているので、電車で行くのが吉かもです。

遠かった……

展示は統一感があるんだかないんだかという印象を受けましたが、100年前の作品から今に至るまでの流れを体感できる展示になってるみたいです。力強い作品が多かったです。

テーマの「fragile」は梱包するときにおなじみの「われもの注意」の英語版ですが、同時にトガり散らかしたギザギザハートでもあるわけで(そんな感じのことが書いてありました)、それゆえのパワフルな展示なのでしょうね。以下数点。

絵本作家あべ弘士の作品が充実
脳のMRIだそうな。デカい刺繍は、ワイルドですね。
イヌイットの壁掛けがここにある意味に思いを馳せます。
戦争画で批判された後の藤田嗣治の作品。よく見るとフジタらしさを随所に感じさせます。

AINU ART―モレウのうた

また芸術祭の企画展ではないですが、他の特別展もやってました。これは絶対見るべき展示です。ちなみに芸術祭パスポートを持ってると安く入れます。

タイトルの通り、アイヌの工芸品の展示というよりはアイヌ紋様をモチーフとした今のアートの展示。その点ウポポイとは大きく違ってきますね。

こういうのは一歩間違えると「文化盗用」と言われかねない難しいテーマですが、アーティストの方の真摯さみたいなものが作品(と解説)から伝わってきます。

基本撮影禁止ですが、いくつかは撮影OKでした。

木です。
影までモレウ

三岸好太郎美術館

近代美術館の展示に俣野第四郎(1902-1927)という聞いたことのない洋画家がいたので調べてみると、三岸好太郎(1903~1934) の親友だったそう。

三岸好太郎も存じ上げてなかったのですが、どうやら北海道を代表する洋画家で、なんと近代美術館の裏に三岸好太郎美術館があることを知りました。というわけで寄ってきました。

近代美術館から目と鼻の先

どうやら、三岸はピエロの絵で有名だそう。たしかに日本の洋画家でピエロ描いてる人ってあまり思いつきませんね。

哀愁のあるピエロ。肉付きが違いすぎますがピカソの《腕を組んですわるサルタンバンク》を彷彿しました。多分同じ時代ですよね。
怖い。そういえば中原中也の詩「サーカス」も1930年頃ですが、サーカスって実際どんな感じだったんでしょうね。

さらに企画展は恋多き男三岸が描いた女性の絵を集めましたというコンセプト。当時の美的感性のことはよく知らないのですが、抽象的に女を描くのが好きだったみたいです。ひょっとして照れ屋さんだったのかな?という気がしました。人間が好きなのか嫌いなのかよくわからないタチの人だなーという印象も。哀愁ピエロもそうですが、舞台裏の陽キャの魂を感じさせます。

これはわかる
これはわからない

また、北海道の若手アーティストの作品展示もあり、非常に満足度高めでした。

‘99生まれなのにすでに作家性を確立しててすごい

というわけで、特に芸術祭とは関係ないですが、現代美術館に行くならついでに寄るべきでしょう。観覧料も安いですし(大人510円、学生250円)、近美のコレクション展と抱き合わせるとお得なようです。

④札幌芸術の森美術館

企画展

最後に、札幌芸術の森美術館です。ここに行くには電車とバスで乗り継ぎますが、どちらも本数が多いのでそこまで時間を気にせず行けました。

展示では明和電機のこれまでの軌跡を辿ります。オタマトーンは有名で自分もおもちゃ屋によく行くから知ってるのですが、明和電機はオタマトーンを作ってる中小企業みたいです。

社長?のご尊顔

というのは半分正解で、半分不正解。おもちゃを作ってはいるものの、本業はアーティスト。中小企業のふりをした兄弟の芸術ユニットなのでした。名字が土佐で、こっちが本家の土佐兄弟です(本家とは?)。

これ普通に知りませんでした。オタマトーンは普通におもちゃメーカーが作っていると思っていたので、まんまと騙されました。いや、実際作ってる大元なわけで、騙されてはないですね。

というわけで、オタマトーンができるまでの明和電機の活動が紹介されます。

学生時代の卒業制作から(この頃からコンピューター音楽に関心持っていたのですね)、
魚器シリーズ。魚を楽器にしています。当然、オタマトーンもオタマジャクシなので魚です(両生類だろというツッコミはNG)。
尖っていた時期も。電話をかけると魚が死ぬかもしれないというドキっとさせられる作品。
楽器じゃなくて「声」を出力します。オタマトーンの原型とも言えます。
色んな「声帯」。試行錯誤が見られます。

正直、展示を見て感動してしまったんですよね。オタマトーンって楽器(おもちゃ)が、こんな長い積み重ねの上に成り立っていること、そこに必然性・運命みたいなものを感じてしまって、えもいえぬ感情が湧き立ちました。

その他

芸術の森は広くて、ちょっと歩くと野外美術館があるものの、冬季はお休み…

野外展示好きなので残念…

佐藤忠良記念子どもアトリエだけやっていたので、そこに入ってきました。

『おおきなかぶ』の絵本の挿絵で有名ですが、彫刻家です。雪山をまあまあ歩きました。
有島武郎の旧邸もありますが、お休み。表札(右下)が迫真です。

というわけで、芸術祭の展示は良かったものの、今行っても芸術の森のポテンシャルを十分に堪能できなかったのが心残り。夏に野外美術館行きたいですね。

まとめ

いや〜満足満足。失礼ながら正直札幌って観光地らしい観光地あんまりないと思ってたんですが、今回の芸術祭を機に色んなスポットを知ることができました。奥深いですね〜札幌。

似鳥美術館など小樽も美術館が熱いですし、良いですね北海道。また行きたいな。

ちなみに、全ての会場に行って全てのガイドブックを制覇してエクゾディアにすると、記念グッズが貰えます。これが意外と?ちゃんとしたものが貰えて嬉しい。もうなくなりかけてると聞いたんで、お早めに。

もう一度言いますが、会期は2/25(日)までです!通しのチケットもそんなに高くない(特に学生なら全部行っても1200円)ですし、おすすめです。

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