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日記 : まあでも、サモエドは笑ってるからな

このnoteは、わたしが日々のちいさなできごとを備忘録的に書き留める、ひとりごとみたいな日記です。飾らず無理せず、素直に生きるための練習でもあります。

日記の総称を「瑣末な日々のアラカルト」としましたが、かっこつけてておもんなさそうなのでnoteのタイトルからは取りました。今日で4日目!

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230709_まあでも、サモエドは笑ってるからな

今日はめ〜ちゃめちゃに体調を崩して、いちにちベッドで寝ていた。

朝からしたことといえば、起きて、背骨を伸ばして(いち動物として身体の可動域を狭めないためにやる大切な朝のルーティン)、ママのちょー美味しいご飯を食べて(甘え腐っててすみません)、『推しの子』を最後まで観て、昼寝して、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』を途中まで観て、本を何冊かつまみ読みして、出ねえ声で健康なフリをしながらちょっとだけミーティングに出て(えらい)、なんとなくベランダでBeRealを撮って(撮るだけのために外に出ているのでまったくもってリアルではない)、今に至る。

あらためて文字にするとダルンダルンに物質主義の甘い蜜を吸ったただの幸せな生活だけど、割と四六時中外に出ていて人好きなわたしは、1日こうやって家でじっとしてると、特に根拠もなく心が塞がってくる。贅沢者め。

別にめちゃくちゃ緊急度の高い悩みがあるわけでもないし、彼氏と別れたとか、課題出し忘れたとか(よく出し忘れるけど)、明らかにウッとくる出来事があったわけでもないけど、漫然と胸がつかえる感じがしてつらい。世界にわたしの味方なんていないんじゃないかと、鬱屈とした気持ちになってくる。思春期の残りカスかと言われれば多分そうなのですが、恥ずかしいので指摘はしないでください。

わたしは心理学に興味があって、普段からイソイソと心理学系の本を読んだり動画を観たりしているから、「人間は1日に約6万回思考しており、そのうちのおよそ8割がネガティブなんですよね。これなんでかっていうと、不安やストレスといったネガティブな感情によって危険を察知することで生き延びてこれたかららしいんです、面白いですよね〜」的なDaiGoムーブもできたりするが、できたところで辛いものは辛い。だからDaiGoはほんとうにすごいと思う。

でも最近のわたしには、こんなときに思い出すとっておきのおまじないがある。


それに出会ったのは大大大好きな作家、西加奈子さんのエッセイ、『くもをさがす』。読んでほしくて前のめりにAmazonのリンクを貼ってしまったんだけど、あらすじはこんな感じ↓。

カナダでがんになった。
あなたに、これを読んでほしいと思った。

これは、たったひとりの「あなた」への物語ーー
祈りと決意に満ちた、西加奈子初のノンフィクション

カナダでの闘病中に抱いた病、治療への恐怖と絶望、家族や友人たちへの溢れる思いと、時折訪れる幸福と歓喜の瞬間――。
切なく、時に可笑しい、「あなた」に向けて綴られた、誰もが心を揺さぶられる傑作です。

河出書房新社HPより引用

わたしが西さんのことをどれくらい好きかというと、大学の附属だった高校の卒業論文で3万字分愛を語ったり(これで内容と全然関係ない政治経済学部に進学させてくれるんだからありがたいよね)、大切なひとに端から勧めているくらい。伝われ。

西さんの好きなところはたくさんあるけど、特に好きなのは、「人間が知覚し得る最大限のありのまま」を、超超超〜力強く愛しているところ。言葉にすると陳腐になってしまうくらい、ハリボテのポジティブじゃなくて、お腹の底から自分を、ひとを、愛している。息を吸って、吐くように。わたしはまだ西さんにお会いしたことがないし(いつかお会いするのが夢)、一方的に言葉に触れているだけだけど、いかにも"信じられる"って感じがする。西さんが闇堕ちしたらわたしも闇堕ちしようと思う。人生過激派ですみません。

そんな西さんが癌になってしまって、さらにエッセイを発売すると聞いて、すかさず先行予約して「ウッ…フゥン……」と声にならない嗚咽と涙を漏らしながら(ふざけてないです)読み進めたんだけど、やっぱり強かった。世の中不条理で絶望的なことばっかりだけど、ここまでまっすぐでやわらかくて力強くてチャーミングな精神と身体があれば、人生ってちょっとは楽しくなるのかもしれない、と思わせてくれる。わたしは西さんになりたくて日々鍛錬を積んでいると言っても過言ではない。


『くもをさがす』はエッセイだから、折に触れて西さんが救われた言葉や曲が引用してあって、わたしにとってのおまじないになったのもそのうちの一曲なんだけど、それがこの曲。

しっかりとした気持ちでいたい
自ら選んだ人と友達になって
穏やかじゃなくていい毎日は
屋根の色は自分で決める
美しいから 僕らは

カネコアヤノ 燦々

カネコアヤノ!!! わたしのとびっきりセンスがよくて面白くて自慢の友達がよくインスタで曲をつけてストーリーをアップしてるのは知ってて、でもどの曲からどう取っ付いていいかわからなかった、方!!!!

音楽は自分で出会うのも好きだけど、個人的にはこうやって好きな人が文脈つきで紹介してくれるのもめちゃくちゃありがたい。「身近な愛」が増える感じ。

『くもをさがす』本文中には上記の歌詞が引用してあって、脊髄反射でApple Musicで検索して聴いてみたんだけど、すげえいい。きゅんと切なくなる秋口に、生活感のある街で白いワンピースを着て、裸足で世界を憂いた顔をしながらこれを聴いていたい。どうやったらなれるんだよ、それに。悔しいよ俺は。

歌詞は、基本的にわかりやすくて、でも文脈を持った言葉で構成されてるんだけど、そのなかにワンフレーズだけ理解できない言葉があった。

悲しくて寂しい夜にも
サモエドは笑ってる
そうおもえば愛おしい日々

サモエド、サモエド!?!?! 笑ってるんだね、夜でも??? ハッピーめな絵を描く画家かなにかだろうか……!!

サモエドを知らなかったわたしは、何回か曲を噛み締めるように聴いたあと、「サモエド」と検索した。




……






いぬのきもちより引用(可愛い)


サモエド、笑ってる!!!!!!!!!!!!WWWWWWWWWWWW

悲しくて寂しい夜にも
サモエドは笑ってる
そうおもえば愛おしい日々

あらためてこの歌詞、よすぎるだろ。
この日から、意味もなく悲しくて寂しい夜には、「まあでも、サモエドは笑ってるからな……」と自分を慰めてみることにしている。かわいいし、サモエド知らない人からしたら、なんか教養ある奴みたいでしょ。

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