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その10 再び御禁足地を駆け抜けてやる。(石山~三輪)

前日から三輪までの道のりを調べていたところ、そんなに待ち時間もなく行けることがわかり安心しました。思えば額田女王も大津へ遷都で来ているし、平安貴族もお参りに来ていた距離だしなあ、と現在の基準で測っていいのかわからない納得の仕方をしてしまっていました。

翌日一度京都に戻り、なるべく直通で天理に向かう近鉄の時刻表で確認したうえ、三輪へ向かいました。12年ぶりの天理駅は駅前ロータリーが色んな建物ができていて、昔の面影はあまりありませんでした。レンタサイクルか駐輪場のようなものがJRのホームから見えて、チャリンコ借りられたら石上神宮やこの土地周辺の古墳へ行くが便利になるよなあ、調べておくかと電車待ちながら眺めてました。

三輪駅は大学時代も12年前も変わらないシンプルな駅です。12年前、吉野の奥千本を見てきたあと、願掛けをしに三輪の御禁足地に上りました。この年に私はソムリエ試験を受ける予定ため、自分もここの神様と同じ干支なので願掛けがてら登っていこうと御禁足地へ向かいました。

試験は受かり、お礼参りもできずに年を経てしまいシニアソムリエ試験も受かり、何があっても御礼参りに行かねばならないと常に思っていたことが12年後の今日実現しました。まずは参道沿いでお供え物の卵とお酒を買います。ここのお供えは変わってまして、神様は白蛇のため生卵をお供えします。

丁度酒蔵の直売所でお供えを手に入り、いざ大神神社へ。

古くからまつられている神社の空気というか雰囲気はどこも澄んでいて好きです。ここは三ツ鳥居が有名ですが見たことがないので不思議に思っていました。調べてみたら、拝殿の奥の山との結界として三ツ鳥居があるそうです。拝殿前の神の使いが現れるというご神木の麓のお供え台に先ほどのお供えを供えてお礼をしました。大学時代ここに初めて来て無数の卵(たまにパック入りの)にびっくりしていたのが懐かしい。。。( 一一)

御禁足地はこの大神神社ではなく、奥の狭井神社に入口があります。ここの摂社もすべて回りたかったのですが、時間がないので御禁足地へまっすぐ行ってきます。

狭井神社は丁度大神神社の奥にある神社です。12年のうちに御禁足地へ入る参拝者が増えたようでした。以前は御禁足地へ入る前に荷物は社務所で預かってくれましたが、今はロッカーがありました。それから参拝前に説明があるそうで行ってみると懐かしい人がいました。私が12年前に御禁足地へ入る前に説明し荷物を預かってくれた上、往復2時間掛かる参拝を1時間で戻ってきた私を見て「本当に頂上へ行ってきたの?」と突っ込んでくれた方です(笑)。

口調のきっつい関西弁で語る男性は今も昔も変わらなかったのですが、趣味の登山と参拝の登山とのかたとのトラブルが多発しているとのことでした。ここ大神神社のご神体はこの三輪山自体という原始信仰の代表として挙がる神社です。やはり御禁足地に入るのは胎内巡りをするようなもので、同じく登る人にも敬意をし、自分も参拝していることを自覚するということでした。

個人的な御禁足地参拝の注意は健脚向きなので運動不足の人はやめたほうがいいこと、眺めや見どころは全くなく9割急坂を登るので趣味で登るのは向いてないこと、なぜか裸足で登る人がいるけど危険なので靴は履いてほしいこと、祝詞をつぶやきながら登っている人もいるので挨拶は基本無用というところでしょうか。

ペットボトルの水と手ぬぐいのみ持ち、12年前の記憶を思い出しつつずっと上り坂を無心で上り詰めて、頂上に着いた時涙が出ました。頂上で手を合わせてまた下りていく。

例の男性はどうやら狭井神社の神主さんだそうで、また早く帰って同じこと言わせてやろうと思いましたが社務所にはいなかったので今回もほぼ同じ時間で戻ってきたのに残念な。。。(-_-)と思いつつ、お礼参りしたら三輪そうめんでお疲れ会をするんだーという目的を果たしに行きました。

デザートにお供えを買った酒蔵にあったソフトクリームを食べて、巻向まで歩こうかと思いましたが時間がないので電車から古墳を眺めながら奈良へ急ぐことにしました。

また近くに来たらお参りに行きたいが、御禁足地は今のところ願掛けすることがないので踏み込まないだろうなあ。


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