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9月に読んだ本まとめ【年200冊読む】

 Kindle Unlimitedがなければ、とっくに破産している本の虫が9月に読んだ本まとめ。
 簡単な感想があったり、なかったりします。


84.85冊目『ギデオン 第九王家の騎士 上下』タムシン ミュア

 独特すぎる比喩表現(エアコンの風を受けて跳ねるカスタードクリーム等々)、多すぎる登場人物、そして延々と続く世界観説明と専門用語の数々。正直、上巻の半分読んだところで放り出したくなりました。
 SFとファンタジーの融合はよかったものの、いまいちどちらにも振り切ってないのが読みにくさを助長させ……。
 登場人物が多くて、主人公と関わりない人はあまり描写されないので、登場からややしばらく経ってから「この人、女だったんだ……」みたいなこともあり。
 世界観に慣れて事件も起こりはじめた上巻の中盤~下巻は面白かったんですが、続編は買わないと思います。比喩表現が詩的すぎて読むのつらかった。

86冊目『謎解きはディナーのあとで ベスト版』東川篤哉

 まだ高校生だった頃に1巻だけ読んだ記憶があり。
 当時はめちゃくちゃ面白いと思いながら読んだのですが、色んなミステリー作家を読み漁り、目の肥えたこの歳になって読み返すと、逆転裁判の裁判パートシナリオだけ抜き出して読まされているみたいだな……と全然ちがう感想。

87~91冊目『新訳 ナルニア国物語』C・S・ルイス

 2~6巻が今月になってUnlimited対象になっていたので一気読み。
 最後まで4人で冒険するものと思い込んでいたものの、2巻の最後で年齢を理由に長男と長女が離脱。その後もどんどん主人公が入れ替わり、1巻完結の話を並べてひとつのシリーズになっている構成でした。
 岩波版の翻訳と比較して騎士道精神が……というレビューもありましたが、それでもキリスト教的な色は強め。

92冊目『神薙虚無最後の事件』紺野天龍

 たしか半額セールで買って積んでいたもの。事前に多重解決ミステリと聞いて期待が高すぎたせいか、めちゃくちゃ面白いって感じでもなく……。
 エピローグがプロット読まされてるみたいで、物語を綺麗に締めるのって難しいなあと思いました。(小並感)

93冊目『無限の月』須藤古都離

 これも初夏に買って積んだまま、初秋になってからやっと読む。
 メフィスト賞作家に全幅の信頼を寄せているので、ほんと期待を裏切らない面白さ。水のようにすらすら読める文章の上手さ、構成の上手さ、伏線の張り方、無駄のないエピソード展開。レベル高すぎやしませんかね? 値段が倍になったとしても買います、わたしは。
 こういうシンプルに上手い小説を読むと、自分の文才のなさが嫌になってしばらく書きたくなくなるので、公募やコンテスト挑戦中に読むのは毒だったりする。

94.95冊目『姑獲鳥の夏(1)(2)』京極夏彦

 人生初の京極夏彦。メフィスト賞のはじまりともあって、高校生の頃からずっと興味はあったんですが、あまりの分厚さに「時間がある時に……」とずるずる伸ばしまくってアラサーになっちゃった。
 榎木津のポジションがいまいちわからないまま、読了。京極堂が探偵役で、関口くんがワトソンポジだとするならば、榎木津、君は一体どの役割なんだい……? 関口くんも関口くんで、推理小説の主人公として見るならば、まったく信用できない語り手でしたね……。(そこが面白いんだけど)

96冊目『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論』松岡 圭祐

 「カクヨムで人気が出て書籍化したけど、自分には文才がないと思っている新人作家」←この設定ですでに大ダメージ。主人公の自己肯定感の低さにとても覚えがあり。わたしは書籍化すらしてないが。
 本筋よりも出版業界ブラックジョークがめちゃめちゃ面白かった。幻冬舎から怒られたりしないんだろうか。


 今月は13冊で終わり。わりと積本を崩せて嬉しい。でも、その分新しく購入して積んでるから冊数に変化なし。
 今年は年200冊読むぞ~!と意気込んでいたけど、このペースではとても無理そう……。
 10月は97冊目からスタートです。

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