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11月に読んだ本まとめ【年200冊読む】

 Kindle Unlimitedがなければ、とっくに破産している本の虫が11月に読んだ本まとめ。
 簡単な感想があったり、なかったりします。


111冊目『1984』ジョージ・オーウェル

 学生時代に英米文学史の講義ですこしだけ読んだ記憶あり。でも原文で読まされたので、ほぼ意味分かってない。
 いや、ちゃんと日本語に翻訳されたもので読んだら面白いです。結末が良い意味で結局人間なんてこんなもんだよな、という感じがして好き。(映画にする時に勝手に結末変えて揉めたらしい)

112冊目『すみれ屋敷の罪人』降田 天

 はるか昔に欲しいものリストに入れていたことを思い出して今さら購入。
 関係者への聞き取りで似たような話が展開される中、すこしずつ全容が明らかになっていく構成が秀逸。

113冊目『神に愛されていた』木爾 チレン

 新刊コーナーで何度か見かけて、ついぞ買わなかった『みんな蛍を殺したかった』と同じ作者の新刊。今回もあらすじは好きだけど合わないかもしれない…とちょっと警戒しながら購入。
 フォントサイズがやけに大きくて、行間も広いので1ページの字数が多くなく、思ったより分量がなくてしょんぼり。
 延々と同じ語尾が連続しているのに読みにくさを感じながらなんとか完走。テーマはすごく好きなのに文章が薄い&読んだ時のリズム感が死んでいて本当に残念。

114冊目『鏡の国』岡崎 琢磨

 小説の中で別の小説(作中作)を読むのが好き。『鏡の国』は装丁からもう作中作に寄せて作られているのがとても良い。
 作家だった叔母の遺稿を読む、という展開なんですが、構成や登場人物の交わり方がとにかく上手くて最後まで読み手を一切飽きさせない。帯の紹介文だけ見て買うとだいたい失敗するけど、これは買って良かった、読んで良かったと思える一作。
 こういう上手い小説読んでから著者紹介見て「やっぱ頭良い大学出てる人は違うなあ!」って思うのが自分の最近の流行り。学歴コンプがあるわけではないのだけど、最終学歴見ると上手い文章書く人は元から頭良いんだなって妙に納得する。

115冊目『楽園とは探偵の不在なり』斜線堂 有紀

 空想上の生き物が出てくるミステリー小説嫌いなのでずっと避けていたけれど、ハヤカワセールの対象だったので買い。
 2人殺すと地獄行きという設定が上手く活かされたクローズドサークルで読後感もかなり良かった。
 斜線堂有紀、おそらく二次創作経験者では? 文章の書き方やエモさに重点を置いたキャラの掛け合いにどことなく二次創作の雰囲気を感じる。

116冊目『白き女神の肖像』鴇澤 亜妃子

 『飢え渇く神の地』以来、この著者の本を読むのは二度目。
 読み始めはファンタジー色薄めで、絵画ミステリーぽいやつかな? と思ったんですが、しっかりファンタジーしてました。そしてこの著者が書く、ひとつまみのブロマンス要素が大好き。スピンオフとして一本書いて欲しいくらい。

117冊目『黄金蝶を追って』相川英輔

 『神栖麗奈』シリーズの御影瑛路と同じく、国内より先に海外で爆発的な人気が出ちゃった系の作家。
 星新一ぽさもあり、森見登美彦ぽさもある、SFとファンタジー色の強い短編集なんですが、読後感がめちゃくちゃ良い。物語の締め方がとにかく綺麗。読み終わった後なんとなく、今日という一日を大切にしようって思える小説です。

118.119冊目『血と霧』多崎 礼

 1巻と2巻を一気読み。『レーエンデ国物語』しかり、多崎礼の書く女性ってどうしてこうも悲しくなるくらい強いんでしょう……。
 女性主人公の小説なのに男性性が強くて「男性から見た理想の女性」しか書かれてないなあと思わせる小説もあるなかで、多崎礼の小説は男性主人公なのにスポット当たってるのは強く生きた女性なんですよね。そして同性から見た時にその女性キャラの造りにまったく違和感がない。(わたしはわりと男性性に偏ってる自覚のある女だからそう思うのかもしれないけど)
 もし多崎礼が女性なら納得だし、男性なら男性作家でここまで上手く女性を書けるの、多崎礼と石田衣良くらいでは……。

120冊目『三体』劉 慈欣

 あまりにも絶賛されすぎていて、なんとなく避けていた『三体』シリーズ。Kindleセールでついに買いました。
 文化大革命の話も物理学も好きなほうだけど……言うほど面白いか? と思いながら読み進めていった結果、脱水してぺらっぺらになる人間にバカSFの波動を感じてめちゃくちゃ面白くなって一気読みした。ドラえもんの世界に出てきそう。


 今月はちょうど10冊で終わり。ハヤカワセールで買ったものが多かったです。読書から離れたい時期があって、あんまり冊数が伸びなかった。
 12月は121冊目からスタート。読まず嫌いを克服するところからはじまります。

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