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2023/6/30 小説家の映画、52ヘルツのクジラたち
・起床&洗濯。いつも普通に洗剤で洗うのと、柔軟剤で洗うので2回まわしてるんだけど、あまり意味があるのかはよく分かっていない。基本部屋干しだけど生乾きの匂いになった事は無いし多分大丈夫。
・ホン・サンス監督の新作『小説家の映画』を観に伏見ミリオン座へ向かう。ホン・サンス、毎年のようにコンスタントに映画を出してくれるので気付いたら僕の人生と共にあるような気持ちになる。大学生の頃になんとなくアマプラで『教授とわたし、そして映画』という作品を観て以来、この監督には惹かれっぱなしだ。
・『小説家の映画』、とんでもなく良かった。起きてる事と言えばいつも通りの“会話、食事、飲酒“の三点セットで画面作りも相変わらずシンプルなんだけど、本当に始まりから終わりまで目が離せないほど面白くて、マジで映画ってこれ以上のことは必要無いのかもしれないな…という気持ちになる。そしてこの映画は終盤にとある映像が用意されていて、その映像の美しさに思わず涙が溢れた。僕はホン・サンスがどういうつもりでキム・ミニと映画を作り続けているのかよく分からないけど、あの映像はまさしく彼にしか撮れない物なんだろうなという生々しい輝きを放っていた。
・入場者抽選で何故か『マッコリ』が貰えた。嬉しい。劇中で登場人物たちが異常にたくさん飲んでいたお酒だ。僕自身は飲んだことあるような、ないような…。何かまた休日に韓国料理を作って飲んでみましょう。
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・バイトまでの時間にコメダ珈琲で町田その子著『52ヘルツのクジラたち』を読んだ。苦しい。苦しい話だった。誰にも聴こえない声で助けてって叫び続けている人たちの話。なんだか、アニメ『輪るピングドラム』の「誰かに見つけてもらえるって、幸せなことだね」という台詞を思い出した。そして自分の事も考える。僕は誰かの声にならない叫びを聴き取る事の出来る人間なのだろうか。聴き取れたとしても、助け出す事の出来る人間なのだろうか。分からない……。
・別に、この本を読んで「これからは頑張って人を助けるようにしたいと思いました」って言うことは出来ると思うけど、これはそんな簡単な言葉で済まして良い事ではないのだと思う。だって現に僕は人々の叫びを無視、或いは気付かずに生きてきた人間だと思うから。だから、分からない…。そんな事を考え、綺麗な言葉でまとめられず、ただ僕の心に少し影を落とす物語だった。でも少なくとも、僕もその声が聴ける、聴こうとする人間でいれたらなと思う事は出来た。取り敢えずはそれで良い、という事にしておこう。
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