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停電と馬橇

4月初めのことでした。田中邦衛さんの訃報を聞き、とても残念に思いました。こころからご冥福をお祈りしたいと思います。思い出すのはこのドラマ。
『北の国から』

忘れられないシーンがあります。
富良野の冬、純と雪子おばさんは市街に隣の車を借りて、五郎さんが待ち望んでいた風力発電の機械を取りに出かけます。
しかし、帰り道、猛烈な吹雪に見舞われて吹き溜まりにはまってしまいます。
おりしも富良野は暴風雪で停電しており、ストーブもつかない。
五郎さんは吹雪の中、奔走するのですが、車でゆくことは自分たちも立ち往生してしまう。中畑畜産の従業員のくまさんが、ボソッと言うのです。「馬橇ならいける。馬は人を探してくれる。」
純の友人、笠松庄吉の祖父が飼っていた馬を借りて、五郎は雪に埋もれて、死ぬ寸前だった純と雪子おばさんの元へ。
馬橇の鈴の音が「シャンシャンシャン」と響いてきて、純たちは必至で叫ぶ。
馬橇に乗ったヒーローに助けられた。
純の独白<「奇跡」だと後になって聞かされた>
五郎家は停電による影響など何にもなかった。もともと電気は引いておらず水道もない。灯りはランプ、水道の代わりに沢水を引いている。暖房も薪ストーブ。
庄吉の祖父は電気がない暮らしに苦労し、役人に頭を下げ電気を引くことができた過去があるだけに、五郎に意見するのですが、果たして便利な生活を手に入れたとしても何かが起こった時に、何の役にも立たないこともあるのだと、ドラマは訴えていました。

2018年の9月に北海道胆振西部地震が起きました。その時北海道は大規模なブラックアウトを経験し、電気の大切さと電気が使えない時の備えの大事さを痛感しました。今でも、あの時の不安な時間を思い出すと、ぞっとします。


馬は道産子でしたね。
睫に雪が張り付いて、淋し気に、しかし、誇らしげに純たちのそばにたたずんでいる姿が印象的でした。

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北海道は少し逆戻りの気温になりました。
朝晩は冷え込んで、小さなストーブをつけています。5月だと言うのに北海道は花冷えの季節です。
それではまた。

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