諦め

二階堂先輩との一件以来

ゆうすけに興味がわかなくなっている自分に気づいた

二階堂先輩の事を

好きになったわけでもなかった

恋愛することを諦めたというか

意味を見出せなくなったというか

こんなに簡単に相手のことを裏切り

何事もなかったかのように過ごせる自分に驚いた

ゆうすけもあのとき

よく考えてなかったんだろう

その場の雰囲気でやってしまっただけなんだろうなと思った

それでも、された方は深く傷つくことになる

どんなに謝られてもその傷は癒えない

そんな経験を自分がしたにも関わらず

簡単にゆうすけを裏切った

仕返しなんて言ったって、やってることはゆうすけと同じ

ゆうすけにバレたらゆうすけは深く傷つくだろう

二階堂先輩の彼女さんだって傷つく

それでも私は同じことをしたんだ

もう、そもそも恋愛なんてものに期待しなければいいんだと思った

期待するからこそ裏切られる

みんなそんなものと割り切って

お互い好き勝手した方が傷つかずに済むと

そう思った

ゆうすけにはバレないまま、先輩は卒業していった

大学で最後に会ったときに

またね、と頭をポンポンとされた

またね　なんてもう無いことはわかっていたし

それ以上追おうとも思わなかった