トラウマ
その後、またゆうすけとの暮らしが続いていた
結局あの日のことは、何もなかったということになっている
私の中の疑念は拭えないけれど、それでも私はゆうすけといることを選んだ
結局、一番悪いのは私の弱さだ
1人になるのが怖くて、ゆうすけを誰かに取られるのが怖くて
ましてや、ここで別れてしまったらあいと付き合うかもしれない
そう思うと意地でも別れないという気持ちになっていた
ゆうすけも反省はしていたのか、前よりメールは減っていた
付き合いたての頃ほどではないけど、優しかった
それでも、毎晩ベットで寝るとき、
どうしてもあいがいた光景を思い出してしまった
眠るゆうすけの横で何度泣いたかわからない
ゆうすけの腕の中で眠っていても
この腕はあいのことも抱いたのかもしれないと
事あるごとに、あの日の光景が浮かんできて
そのたびに心の中の棘がグイグイと食い込んでくるような感覚だった
ゆうすけがバイトに行くと出かけても
本当にバイトに行っているのか気になった
常にメールはチェックし、SNSのやり取りも監視した
かなり病んでいたと思う
そのことに囚われ、ゆうすけを束縛してしまっていた。
ほんとは疑いたくなんてないのに
全てを疑い続ける毎日に疲れていた
ゆうすけも疲れていたと思う
それでも、一度地に落ちた信頼を回復するのには
まだまだ時間が必要だった
もはや好きなのか、執着なのか、わからなくなっていた
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