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頂いた機会はすべて悔いなきようにやりきる|MicrosoftMVPエンジニア登壇レポート

こんにちは。プロダクトDiv.所属の草場です。
2024年に入ってから私が参加・登壇した3件のイベント「Microsoft AI Tour」、「Global AI Bootcamp」、「Global Azure」についてのレポートをお届けします。
MicrosoftMVPとしての活動やエンジニアとしての社会貢献活動、キャリア形成などについて、以下のような方の参考になると嬉しいです。

・MicrosoftMVPとしての活動内容が気になる方
・エンジニアによる社会貢献活動に興味がある方
・「AIハンズオン」「ChatGPT」というテーマに関心のある方

・プロフィール
草場
2017年中途入社、プロダクトDiv.所属。2022年にMicrosoft MVPを受賞。CL先の業務システムにおいて、Azureへのモダナイゼーションなどを担当する。Microsoft MVPとしての各種イベント登壇、.NET技術やマイクロソフト製品について勉強するコミュニティー「.NETラボ勉強会」主催など、多方面で活躍中。


※sakulogではメンバーの名前をアルファベットで表記していますが、本記事では本人の希望と活動への敬意から、本名で表記しています。

「Microsoft AI Tour」事前準備と集客のための工夫

お台場・ビッグサイトで2024年2月20日に行われたMicrosoft AI Tourでは、Workshop Proctorとしてワークショップのお手伝いと、Community Both対応の2つの依頼を受け参加しました。

Workshop Proctorは、一度に100名以上の受講者を会場に入れての対応になるのですが、どのような背景をもった方がワークショップに来場されるのか事前に予想できないため、事前準備が必要となります。
事前準備としては、ワークショップで実施する内容を予習して頭に入れておき、躓きやすい点を想定して問答集を作成しておきました。また、今回の依頼内容として、どうしても進行から遅れてきてしまう受講者が出てきてしまうことが予想されるのでサポートしてほしいということがあったので、コンテンツについての事前予習も念入りに行いました。
当日は、AI Tour全体の来場者があまりにも多く会場のWiFiで対応しきれないというトラブルがあり、実際に手を動かすことが難しい場面も多かったのですが、それでも多くの方が説明を聞いて納得いただけたようでした。

Community Bothでの対応については、ブースの前に立っているだけでは人は寄ってこないという考えのもと、担当時間になったら自主的にブースでセッションを始めるという取り組みをおこなってみました。内容は、.NETラボ勉強会のコミュニティ活動の宣伝や最近のAIの話題としてSemantic Kernelのデモをしたり、この後のGlobal AI Bootcampについての宣伝を行うなど。
ちょうど他のセッション時間と被って周りにお客様が少なかったこととマイクが使えなかったというマイナス点はあったものの、周りにいた方々に聞いていただくことができ、対面で反応を伺いながらお話しをするという体験はやはり素晴らしいと感じた瞬間でした。

700名超の参加者の前で登壇した「Global AI Bootcamp」

2024年3月5日に開催された「Global AI Bootcamp」では、「Semantic Kernelのネイティブ関数について」をテーマに、スピーカーとして登壇しました。

オンラインイベントとして行うGlobal AI Bootcampですが、開催日が近づくにつれて参加人数がどんどん膨れ上がっていきconnpass上の参加人数が当日には700人を超えることに。
朝から胃が痛い思いをしており、普段はあまりしない(するべきなのでしょうが)通しで喋る練習などをして本番に臨みました。

登壇は日本マイクロソフト品川本社のスタジオから。普段の登壇とは違い、横にマイクロソフトの寺田佳央さんがいらっしゃって相づちを打っているのでとても喋りやすかったです。特にオンラインの登壇では相手の反応がない中進めることがあるのですが、寺田さんが絶妙なタイミングで反応くださるので進行しやすく、デモの中どうしても時間が空いてしまう隙間時間を埋めてくださるなど、とても効果的な役割をしてくださいました。
今回は、元々30分セッションの構成だったものを10分のLTにするために、どのようにしたら要点が伝わり、どこを外してはいけないかというミニマム構成にする挑戦でもあったのですが、練習のかいもあっておおよそ想定通りの時間で終了でき、話すべきことはすべて話しきることができました。

デモの内容は、例えば「品川の天気を教えてください」と入力すると、AIが地域コードリストから品川に近いのは東京と判断して地域コード取得メソッドから東京の地域コードを取得するように引数を渡し実行します。すると、東京の地域コードが取得できるので次にその地域コードを使って天気を取得するAPIにアクセス、JSON形式で東京の天気情報が取得できるので、これをAIが自動的に解釈して日本語でわかりやすく文章にしてくれるはずというものでした。
これら一連の流れをほとんどAIの力で判断してやってくれるということを説明し、実際に動かすことで、「昨今の生成AIの力って本当にすごい!」と感じてもらうことが狙いでした。

世界中のAzureコミュニティが一斉に開催した「Global Azure 2024」登壇で得たもの

2024年4月20日に開催されたGlobal Azure 2024
実は、Microsoft AI Tourに参加した際に「Global Azureっていうイベントがあるんだけど登壇してもらえないか?」とお声がけをいただき承諾したものの、何を話すのかについて迷っていました。

候補としては以下の通り。
1、App Serviceにいろんな方法でアプリケーションをデプロイしてみる
2、Semantic Kernelであれこれしてみる
3、Azure OpenAI Serviceのプロンプトエンジニアリングについて

1については、当日のAzureの調子によってデプロイ時間の不安定さ、不確定さがかなり出てしまうので登壇時間に制約がある中で実施するのが難しい。
2については昨年もGlobal Azureで出たネタでもあったし、私自身も何回もやっているので目新しさを出すのが難しい。
というわけで、3の「Azure OpenAI Serviceのプロンプトエンジニアリングについて」を選択しました。

プロンプトエンジニアリングについては、生成AIを扱う上でとても基本となる技術であること、その上で他のAzureのセッションに比べて前提となる知識が少ないこと(日本語の知識は前提)なので、「誰が聞いても理解できる」そんなセッションを目指しました。

まず、生成AIの得意なこと、苦手なことをデモを交えて説明する構成として、次に「プロンプトエンジニアリングとして生成AIに望む回答を得やすくするにはどうしたらよいか?」「ランダム性の高い回答をする中でも同じような回答を得やすくするにはどうしたらよいか?」ということを、例を交えながらテクニックをいくつか紹介しました。
中でも、「連想ゲームを思わせるようなテクニックで回答させるフューショットプロンプトの技法が面白い」などの声があり、参加者にとっても収穫があったようでした。
また、いつでも初めて物事をスタートするという方はいらっしゃるものなので、こうした入門のセッションというのは有意義のように思えました。
今回はハイブリッドで開催されたイベントであり、目の前に多くの来場者がいる中でのセッションでしたので、私の問いかけへの反応を見ながらインタラクティブに進められたところが非常に印象的で楽しい経験となりました。これまでに登壇してきたオンラインイベントでは、一人画面に向かって黙々と喋るスタイルで参加者の反応を見ることができなかったので、相手の反応を見ながら喋れるというのはこんなに素晴らしいことなのだとつくづく感じました。
※当日の様子は、Microsoft HPからもご覧いただけます。

頂いた機会はすべて悔いなきようにやりきる

こうして、様々なイベントに登壇する中で一貫している考え方としては、「頂いた機会はすべて悔いなきようにやりきる」ということです。
Microsoft MVPとして活動できる期間は恐らく人生の中で限られているもので、その中で与えられた機会なのだから積極的に手を上げてできる限りのことをしていきたいと考えています。
実際に、人生の中で多くの人の前で話す機会というのはそう多くないと考えています。これが、よりハイレベルな方の集まりになればなおさらです。
Microsoft AI TourやGlobal AI Bootcampというのは、AIに強い関心があって実務にそれを取り入れたいと考えている経営者や技術者たちが集まってくる場でした。そういった場に挑戦することでレベルアップを目指せるし、より多くの方に活動を知っていただき普段の活動への導線になっていって欲しいと考えています。

今後もAIは、社会課題の解決の中でキーワードになっていくと考えています。就労人口が少なくなっていく中、より生産性を高めるために人を助けるCopilotとしてのAIという位置づけはますます重要なものになっていくと思います。そういった中で、今回Microsoft AI TourやGlobal AI Bootcampで紹介したような技術であったり事例であったりというのはとても有用なものが多かったように感じます。
私は今後も、.NETラボ勉強会やMicrosoftが主催するような大きなイベントなどで、このような課題の手助けできるようなヒントを提供できるセッションをしていきたいと考えています。技術者同士の交流スキルアップを続けることは非常に有意義であり、これを強力に推し進めているMicrosoft MVP制度はとてもよいものだと感じており、このMicrosoft MVPの輪を広げることも一つのミッションだと考えています。