DILEMMA
流さぬ涙に微笑みを飾る
声のトーンもいつもと同様に
剥がさぬ仮面はあなたへの愛で
可憐な服さえないものと同じに
複雑な想いでキスをしたら
その瞬間に2人だけの空間になるの
もうその手を離さないで
一秒一秒 大切な時間よ
あなたの背中にまわした腕
酔い痴れる時間に虚ろ
あなたを見つめる瞳はとろけてる
私の過ちはこの恋心
あなたが帰る頃 見送る笑みには
偽りの声で 「またね」と手を振るの
窓から眺めるあなたの姿は
帰宅するただのサラリーマンみたい
あなたから貰った指輪に触れ
止められない現状を思い知る部屋の中
けして誰にも言えないけど
愛人契約 心地好い時間で
合鍵はあなたに渡したまま
情けない私の日常
非日常の中で生きてゆく快感
覚えてしまった私の身体よ
契約の指輪を外せない
虚しさ 喜び 解釈のない余白
ありふれない暮らしのひとときよ
我にかえる無力な私に
開けた窓から入る風に吹かれては
静かな眠りに入り 夢心地