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紫陽花の季節、君はいない

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「紫陽花の季節」主人公の夏越の物語です。 「紫陽花の季節」か「夢見るそれいゆ」と一緒に読んでいただけると、もっと楽しめます。
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#紫陽花の季節

植物の精【紫陽花の季節、君はいない】

植物の精【紫陽花の季節、君はいない】

2023年12月28日。どんよりとした曇り空。俺が勤める植物公園は、今日が仕事納めである。

「夏越くん、お疲れ様!」
設備の点検を終え、事務所に戻ってきた俺に園長が話しかけてきた。

「お疲れ様です、園長」

園長とは、初対面の時に正体を知らずに話しかけられたこともあり、人間が苦手な俺でも身構えることなく接することが出来る。

「今年は、ドラマの影響で例年より忙しかったわね」
植物学者が主人公の

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紫陽花の季節、休日

紫陽花の季節、休日

「紫陽花の季節、君はいない」の番外編です。

2022年5月28日土曜日。昨日の雨が嘘のような青空が広がっている。

4月から働いている植物公園自体は休日も開園しているが、俺の配属された部署はGW以外の土日祝日は休みである。

「夏越くん、行ってきます。」
あおいさんは6月から職場復帰することになっている。
今日は産休中に伸びた髪を切りに美容室に行った後、八幡宮にひなたが無事に産まれた御礼参りに家

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紫陽花の季節、君はいない 88

紫陽花の季節、君はいない 88

「気をつけて行ってきて下さいね、夏越殿!」
「くれぐれも、失礼のないようにな。
人間にもそれ以外にも。」
御葉様と涼見姐さんに見送られる形で、俺は八幡宮を後にした。

鳥居の外に出ると、急激に蒸し暑くなった。
厚めの雲の切れ目から、光が射し込んでいる。

俺は一旦自宅に戻り、夏越の祓で拝受したリース型の茅の輪守を玄関の壁に吊るした。
まるで彼女を探し出す決意表明のようだと思った。

行動を始めるな

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