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シンプルな型染で好きなものを作る

ツバメ堂です。型染で半襟などを作っています。

noteで #つくるのはたのしい という企画をしているのを見て、私も参加したくなりました。型染の事を書いてみます。(以前の記事と重複する部分が多くなります)

型染と名乗っておりますが、ポピュラーな呼び方ならばステンシルになると思います。

型を作って、布や和紙の上に固定して、刷毛で顔料を乗せて、型をはずすと絵が出来ている。とてもシンプルな技法で制作しています。

①制作の工程

使う主な材料はこの三つです。

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上から、型、刷毛、顔料、です。型は自分でデザインして、防水性の厚紙を切り抜いて作ります。刷毛と顔料は染色専門店で手に入れています。この写真では布用の顔料を使っていますが、粉の天然顔料を乳鉢で磨って、豆汁で溶いて使う事もあります。

小さい布にツバメを飛ばしてみましょう。

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布の柄をつけたいところに型を置きます。(セロテープでとめることもあります)

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刷毛に顔料を少しつけます。(たっぷりつけると失敗のもと)

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型の上から刷毛で慎重に色を置いてゆきます。

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色を入れている途中です。

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柄をひとつ付けられました(グラデーションも入れています)

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さらに別の場所にも同じように柄をつけます

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ひとつの型で布に鳥が飛んでいる絵を作れました。

とてもシンプルな技法です。工夫次第で色々な表現が出来ます。


②ワークショップのこと

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型染ワークショップも開催していました。主にステンシル技法で半襟を作るワークショップです。(今はお休みしています。三密を避けるのが難しいためです。)

型は私が準備しておきます。参加者の方は、使いたい型をご自身で選んで、使いたい色を使って、柄をつけたい場所に自由につけて自分の作品を作ります。

ワークショップでは、最初に私がステンシルの実演をしながらコツを説明します。そのあとは、参加者の方それぞれがご自身の感性に従って、作りたいものを作ります。講師として参加している私の役目は、作業中に色がはみ出たりなど失敗しそうな時に止めたり、色や柄を入れる位置や技法について相談に乗ったり、ティッシュや刷毛などの道具を準備したりする事です。

参加者の方がご自身で作りたいものを作れるように環境を整える事に専念して、黒子に徹するようにしています。

ほとんどの方は、型染は初めて、自分で半襟を作るのも初めてですが、それぞれのオリジナリティを爆発させて、自分の作品を作られます。ワークショップを一番楽しんでいるのは、たぶん講師の私です。

作業を始めると、それぞれが熱中して自分の世界に入っていきます。わいわいとお喋りをしていた声がしーんと静まる時間がやってきます。もくもくと刷毛を動かす濃密な時間です。

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出来上がった作品です。(上の写真右下の方の作品です。同じ柄を試し摺りされているのがお判り頂けるでしょうか)

ひとつの型があれば、色や摺る位置を変えるなどして、いくらでも表現の幅が広がります。

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こちらのシャツも、同じ方法で制作しました。同じ形のツバメを全体に飛ばしています。このシャツは個別に制作をご依頼頂いて制作しております。


③型染と難しく考えず

型染という名前よりも、ステンシルと言った方が伝わりやすかったり、気軽に出来る雰囲気になります。「型染」という言葉には、伝統工芸の重みが感じられるためでしょうか。

ですが、技法のところでご覧頂きました通り、とてもシンプルです。絵の部分を切り抜いた型があれば、同じ絵がいくらでも作れる、という事なのです。型染では糊を絵の部分に入れて、その周りに色を入れて、糊を水で落とす方法もあります。どちらかというと、これが「型染」のイメージでしょう。糊を使っても使わなくても、型で同じ絵を作れるという点は同じです。

型は「孔版」でもあります。和紙に型染技法で制作したものを「型染版画」と呼んだりします。

型染は着物を作る技法で伝統工芸ですが、元はとてもシンプルなものです。この記事で、「これだったら気軽に出来るわ」と思って頂けましたら、道具や材料を少しだけ集めて、お持ちの服などに柄をつけて楽しんでみてください。


参考の記事

自分だけの半襟をつくるワークショップ
https://note.com/sakuratama1/n/n29590a454fe0

オーダーメードのワークショップ
https://note.com/sakuratama1/n/ndf3769f004a0

摺り染のシャツ


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