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型染版画・まわるけもの

型染の技法で和紙に制作した版画作品です。
デザインをして、渋紙に型を彫り、和紙に糊を置いて、豆汁で溶いた顔料を定着させてから
水で糊を落として絵を作る技法です。

二匹のけものが向かい合っている図です。
追いかけているのか回っているのか、タイトルは「まわる」としました。
この世界が変わりながら永遠に回り続ける事もイメージとして込めています。

型染の型は、形と形がつながった状態で作る必要があります。
そのために「つなぎ」をつけますが、私はそれもデザインとして生かす方法を考えます。
技法の制約は作品の糧としてこそのものを思います。

二匹のけものをつなげて、さらにまわりと曲線でつなげて
画面全体につなぎが無駄な線として残らないように考えてつくっています。
下絵を描いている間は、ほとんど「考えて」いません。描いているうちに出来上がっていきます。
「考えて」下絵を描いた時は、出来上がった時にいまひとつと感じます。
何かに導かれるように線が出来てくる時が最も満足します。

私はひとつの型で様々な色を使って複数の作品を制作しています。
同じ絵とは言えませんので、厳密には「版画」ではないかもしれません。
エディション番号もふっておりません。
使う和紙はその時によって違います。
この作品の和紙は細かいチリが入ったものを使用しています。
(楮の皮を細かくしたものを漉き込んである和紙です)
同じ作品は出来ません。
この絵も他の色で制作したものがあります。

サイズ 453mm×374㎜
素材  和紙、顔料

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