「稼ぐ」機会はたくさんある:現金収入が全てではない。
金は物やサービスと交換するために存在する。しかし、それらと交換できるものは金だけではない。
物々交換(バーター取引)がある。元々、金は物々交換を効率的にするために発明されたツールだ。バーター取引が容易に可能ならば、金は不要どころか使わないほうが効率が良い。
しかるに、サービスに関してはバーター取引は容易なのです。交換用の「物(物体)」を持ち歩くのは非現実的だが、サービスは多くの場合に準備なしに提供できる。(注0)(注1)(注2)
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現代先進国の主要産業はサービス業です。今の日本は工業立国ではない。GPDの7割はサービス業だ。
だから良質のサービスを提供できる人は「金持ち」と同じ。現金収入だけで貧富を語るのは時代遅れです。
我々が求める「価値のある事物」の7割はサービスです。そして、それは現金を使わなくても手に入る場合が多いのです。(注3)
つまり、他人にサービスを提供するのは「金を稼ぐ」のと等価です。
その代表例の一つは家事・育児でしょう。
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こういう言い方をしてもいいでしょう。
人間にとって重要なのは金を手に入れる能力ではない。「欲しいもの」を手に入れる能力です。
他人を幸福にできる人は、大金がなくても幸せになれます^^
珍しくきれいなまとめになりました(笑)
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追記
逆に言うと他人に与えるものが金しかない人は、大金を稼ぐ以外に幸福になる道がない。そして、それに成功する人は少ない。
「幸福」を現金と交換しようとすると、ものすごく高価なのです。年収が2千万ぐらいあっても全然足りないでしょうね。
しかも「金では買えない幸福」は世の中に無数にあります。
これは言うまでもないでしょうが、人間に必要なのは(普通は)幸福です。金ではない。
目的(幸福)を達成できるならば、道具(金)など要らないのです^^
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くどくなりますが繰り返すと、バブルまではGDPの大半は(サービスではなくて)工業と農業だった。需要の多くは「物体(工業製品・農産物)」だったのです。
「物体」のバーター取引は非常に非効率的だ。だから我々は現金を利用した。故に「豊か」=「金持ち」だったのです。
でも、その時代は終わりました。未だに現金収入だけで豊かさを語るのは、愚かなことです。
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余談
育児は重労働です。乳児は24時間のケアを必要とする。この「サービス」を金で買おうと思ったらいくら掛かるでしょうか。
育児に全く喜びを見出さない人、例えば「赤の他人の子供嫌いの男性」に、この業務を依頼したら年間に1億円ほど必要でしょう。
有能な人材の人件費相場は1時間で1万円ほどです。1年は8800時間もありますから、休日休憩なし・毎日夜勤の手当を含めれば、1億円でも安い。
実際、母親が自分の子に与える程の「異常なまでに上質・高度なサービス」を要求したら、この業務を1億円以下で引き受ける人はいないでしょう。そりゃあ求人広告を出したら、大量の応募があるでしょうが、母親と同レベルの仕事をする人は、まずいません。断言してもいいです^^
しかし母親はこれをやる。乳幼児は母親に圧倒的な幸福感を与えるからです。彼等にはそれを「払う」能力がある。
つまり典型的な乳幼児の「稼ぎ」は年俸1億円に匹敵します。高収入ですね。並の父親など足元にも及びません^^
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