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共通点を探せ!:それはヒトの得意技であり、関心事です。

物理学は、多くの自然現象の共通法則を探す。

化学は、多くの物質の共通する性質を探す。

生物学は、多くの生き物を共通項でまとめる(種の分類)。

政治は、多くの国民の共通の願望を探す。

企業は、多くの消費者の共通の欲求を探す。

宗教は、多くの人々の共通の幸福を探す。

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そして、惹かれ合う男女はお互いの趣味、好み、価値観の共通点を探します。

誰かと仲良くなりたかったら、その人と自分の共通点を探すのが、一番手っ取り早いです^^

「あ、私もそう思う!」「私も、やったことある」「私も、それ好き」「私も、そこの出身なの」

はい、簡単ですね(笑)

接客業の基本テクニックでもあります。特に風俗とキャバクラ^^

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ヒトは、相手との共通項を必ずチェックします。共通項の多い人間は、同じ共同体の仲間である可能性が高いからです。つまり味方。

そして共通の利害関係がある。これが大事。

共通点のない人間は、基本的に外部の人間であり、自分に対する潜在的脅威です。

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学問は多くの場合に、複雑な世界を単純な法則で説明するのを目的としている。

そして、それを「本質」と呼んだりしますね^^

「本質」を理解している人は、雑多な知識や経験則、手順に頼らなくても物事を理解し実行できるので、仕事が早いし手際が良い。

「つまり、それは〇〇ということだよね」
「つまり、☓☓をやればいいんだよね」

これをパッと答えられる人は、洞察力に富むとか、賢いと言われます。

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なお、ヒトは(本能的能力として)物事を予測するときにアナロジー(類推)を頻繁に使います。

これは、一見異なるAとBの2つの現象の間に共通点を見出し、Aの結果から、Bの結果を予測するという推定法です。

これは誰しもが日常茶飯事に使う、強力な知的技能です。このベースとなっているのが、共通点を探すという能力です。

ちなみに、これはヒトに固有の信じがたいほどに高度な能力であり、「AI」はこの能力がほとんどない。

だから「AI」はゴリラと黒人を見分けられないのです(注1)。

注1:Googleが大失敗した有名事例で、ある人物(黒人)の写真を使って画像検索をしたらゴリラが出力されて、差別だと大問題になりました。
 ヒトはヒトに共通する特徴を理解できますが、「AI」には無理なのです。
 
 また、この能力があるがゆえに、ヒトは「物の概念」を持つことができる。「犬」はある種の「物体(の集団)」に共通する特徴に名称を付けたものです。これを「意味づけ」とも言います。
 「AI」にはこれができない。だから「AI」には言葉の意味を理解することもできないし、ましてや会話や文章の意味などわからない。
 これが「シンボルグラウンディング問題」と呼ばれる、「AI」界の当分のあいだ超えられそうもない大問題です。


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