見出し画像

日本の医療費は高い。前払いしてあるから。

つまり健康保険です。

「米国の医療は保険が効かないから高くて怖い」という話はよく聞きます。

しかし、あれは「高額になる場合がある」という話であって、平均的には日本のほうが高い。

でも、病院で高額を請求されることはないですよね。それで勘違いをしている人が多いようです。我々は健康保険という形で、治療費を前払いしているのです。トータルで見たら日本人のほうが払っている(注A)。

注A:「高い」というよりは「多い」という方が妥当かも。
 受けられるサービスに対して過剰に高額と言うことはないでしょう。しかし過剰サービスなのです。

特に若い人は病院に行くことは少ないはずだ。でも、健康保険料を毎年、たぶん5万~10万円ぐらい払っているはず。それって使ってもいないのに払うだけ。

サラリーマンは会社の健康保険組合に金を払っている場合が多いでしょう。あれも、あたかも会社が負担しているように思えるでしょうが、本来ならば従業員に支払う報酬を「保険料」として会社が代わりに「貯金」しているだけです。

会社は従業員の医療費を負担したりしません。慈善事業じゃない^^;

*********

実際に人々が病院を頻繁に利用するようになるのは、中年以降です。実はそれまでは取られる一方。若い人は払うだけです。

そして、中年を超えると人は(私も)何かに付けて病院へ行き、薬を大量に買うようになる(注0)。前払いしてあるので使わなければ損だからです。

注0:あとは妊娠出産と小さい子供の医療費でしょうね。私は子供がいなくて、実情を知らないので、これには触れません。

高齢者になると、更に顕著です。とにかく日本の老人は薬を大量に消費する。その時点では、薬代はタダみたいなものだ。でも、老人たちはそれまでに巨額の健康保険料を支払っているので、薬を(無料だろうと)貰う権利はある。

また、医者も気軽に薬を大量に処方し、検査も躊躇なく行う。儲かるし、患者は望むし、拒否する理由もない。

*****

日本人は世界人口の2%に過ぎませんが、一説によると、世界の医薬品の30%を消費しているらしいです。これは、あながちデタラメとも思えない(注1)。

注1:私自身が、心療内科に15年間通院し、毎月5000円ぐらいの薬を買っていました。私が払う治療費は毎年10万円ほどで、3割負担なので実際の費用は年に30万円ほど。15年で450万円を使いました。

****

そして、行政は「医療費が高い」ので健康保険料を値上げし続けています。

でも、先に取るからたくさん使うのです。

この仕組が必ずしもNGとは言いません。リスクの分散は悪い手ではない。

しかし、再検討してもいい時期だと思います。特に老人医療はあまりにも金がかかる。そして、その効果は数年の延命に過ぎなかったり、気休めに過ぎない。

さらに言うと、どうも患者本人が「延命」を望んでいないフシがある。少なくとも私の両親はそうでした。「延命」は苦痛に満ちており、辛いのです。安らかに死ぬという選択肢があるのに、日本人はそれを忘れてしまったようです。

**********

おまけ

あるいは、こう言ってもいいと思います。

日本の健康保険制度は、老人が得をする仕組みになっている。若者は政治に関心がないので、いいカモになっている。

もし私が30年若返って、選択肢があるならば、健康保険料など支払わずに、それを貯金・運用します。その方が得だ。

特に今の若い世代に関して言うと、彼らは今の高齢者ほどに長生きはしないでしょう。今のジジイは異様にタフだし、金を持っているし、周囲がやたらと延命をさせたがる。

でも、50年後の高齢者は、その状況にはいないと思います。だから80~90歳まで生きる前提で作られた健康保険制度に従って金を払っても、その恩恵を受けられる年齢に到達する前に死ぬでしょうね。

つまり大幅に払い過ぎで死ぬ人が大半だと思います。

******

おまけ2

でも、若いうちに大病を患ったらどうするか、という問題はあるでしょう。

貯金もないのに保険がなければ払えない。

しかし、日本人ならば多くの場合に代わりに払ってくれる人がいるはずだ。つまり親です。それでいいのです。

けれども、親がいない人、親に支払い能力がない人はどうするか。そこまで行って初めて行政が支援すればいい。それは福祉の問題です。

***

ただ、保険がないとリスクが上がるのは本当です。だから、保険をかけるのは別に間違った選択肢ではない。

「確実に小さい損失を出す」か「リスクを背負っても(平均的な)出費を小さくするか」の選択です。これはその人の価値観によるので、好きな方を選べば良いと思います。

私は(病気に関しては)リスク許容派です。どうせ人生は危険なことだらけだ。大病よりも心配した方がいいことは、たくさんあります(笑)(注2)

注2:そもそも、ほとんどの人は、一生に一度は「死にいたる治療不能の病気」にかかります。人は必ず死ぬし死因の大半は病死だ。これは避けようがないし、保険があった所でどうしようもない。

人生のリスクを減らしたいならば、他のことに「保険代」を払ったほうが良いです^^

例えば、その金を使って、心身ともに健康的な暮らしを送ったほうが良いと思いますね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?