「国の借金は日本国民の資産だから大丈夫」論:私は心配です。
確かに一理あります。
日銀券は際限なく発行できるから、国債のデフォルトは起きないというのも、まあ原理的にそうでしょう。
しかし
1.国民が国に貸し出せる金は限度がある。
利子があるので基本的に、このままでは国債発行額が増えるばかりだ。しかし、いつか国債を誰も買えなくなる日が来ます。
その時には財政は破綻するのでは。
政府が使った金の大半が、(例えば給与として)国民に戻っているのならば、これは問題ないのかもしれませんが、そこのところはどうなんでしょうね。
政府支出の半分ぐらいは福祉です。福祉の恩恵を受ける人が、国債を買うとは思えない。
やっぱり何かおかしいです。
国債を買う人々は、富裕層であり、彼らの現金預金には自ずと限度がある。それが尽きた時が終わりだと思います。
2.紙幣は好きなだけ発行できる。しかし、発行すればするだけ1万円札の価値は下がる。インフレです。
印刷するだけで「財」が増えるならば、昔から誰も苦労なんかしていない。「財」は増えない。紙幣が増えるだけ。
確かに形式的にはデフォルトは避けられます。でも、それは実質的には踏み倒しと同じだ。
国債を買った人から見たら、(例えば)車2台分の金を貸しても、1台分の金しか返ってこないのです。
極論を言えば、ハイパーインフレを起こせば、国の借金は実質的にゼロになる。
しかし、それじゃあまずいでしょ?
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これってつまり、金持ちから金を集めて、貧困層に渡すという意味だと思います。
福祉国家として、それは大いにアリです。また、それで経済が復興すれば成功だ。しかし、経済がそれで上向きになるとは限らない。そもそも、これは経済復興策ではない。
その時は、単に金持ちが大損しただけで終わる。金を受け取る方も、所詮は「臨時収入」に過ぎない。長期的には幸福になる人はいない。
…と私は思います。
まあ、それはそれでいいか。
うまくいく可能性があるならば、少なくとも検討する価値はあります。(笑)
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おまけ
付け加えると、この話は「MMTによるとOK」という事になっていますが、いまだかつて経済学が現実の経済問題を解決したことはないのです。
具体的に言うと、マクロ経済学の予測は偶然を超えて当たったことがない。
だから、「経済学の理論によると大丈夫」と言われても、私は全く信用できません^^;
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追記
一方、現実の国際社会を見ると、日本の財政破綻を心配している人は、ほとんどいないらしい。なぜそう言えるかというと、破綻を予想していたら日本円で取引する企業はいなくなるはずだからです。
つまり日本円が国際的に通用している限りは、心配ないでしょう。
しかし、それは「今のところは大丈夫」というだけの話。どういう事かというと、日本の金持ちは、まだ預金に余裕があるのです。彼らは当分は日本国債を買い続けるでしょう。
でも、50年も100年も買い続けられるわけじゃない。5年ぐらいは大丈夫のように思います。10年後はどうですかね?(注1)
それは大いに心配すべきことだと思います。
注1:現在の金持ち高齢世代は、もうじき死んでしまいます。彼らの遺産は次世代(注2)に受け継がれる。では、その遺産を受け継いだ世代は、その金で国債を買いますかね。
私は買わないと思います。消費するでしょう。彼らは親ほどには裕福ではない。
注2:つまり私の世代です^^;
ちなみに私は、親の遺産は全部使ってしまいました。
主に風俗とキャバクラです(笑)
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