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56 私達以外で大変な事に

ワタシはそのまま寝てしまっていた
腰がズキズキする

プルルルプルルル
2人とも携帯が鳴っている
伊織さんはまだ寝ている
*疲れてるやろうし起こさんとこ…*

その時ハッと気付いた
龍星だ……
伊織さんの家に居たままだ
プルルルプルルル
ワタシは言い訳を考える

伊織さんを起こさないように静かに移動する
携帯の相手を見る
やっぱり龍星だ…

ワタシ「もしもし!仕事しなあかんくなって今仕事場だよ」
龍星「さくら、本当の事言って?」
ワタシ「本当だよ!」
龍星「さくらの仕事場電話した。

ワタシ「……あのっ本当は女の子からの相談に乗ってたの。嘘ついてごめんね…」
龍星「伊織は?」
ワタシ「えっ?居ないの?えみなさんと一緒じゃ……」
龍星は電話ごしにため息をつく
「えみなちゃんにも電話した。
えみなちゃん心配して今伊織に鬼電してるはず」
ワタシは龍星のこういうトコが怖かった…
全部知ってますよ的な
でも
ワタシ「分かんないよ……」
龍星「後ろからかすかに携帯の音鳴ってるで…。
「伊織の着信音」
……寒気がした
もう言い逃れできない
伊織さんだったら上手く言うかもしれないのに…
ワタシは黙る
龍星「とりあえず早く戻ってきて。
話そう。伊織が悪いのかもしれないし」
ワタシ「伊織さんは何も悪くないよ…」
龍星は戸惑っている感じだった
龍星「さくらが心配なんだよ!早く戻ってきて!」
そう言われて通話は切れた

ドクドクドクドクドクドク
*怖い……*

ワタシは伊織さんを起こしにいった
ワタシ「伊織さん!起きて!大変なの」
伊織さんはワタシをまた抱きしめる
ワタシ「伊織さん!携帯!」
伊織さんは寝ぼけながら電話に出る
伊織「はいはーい。何?寝てた」
相手(えみなさんの声はあまり聞こえない)
伊織「あっ?龍星が?お前に?
つーかさ〜。何勝手に連絡先交換してんだよ」
伊織さんは話をすり替えている

伊織「龍星がお前に何を言おうと
どうでもいいねん!やましかったら電話してへんわ。
お前、連絡先交換した行動よく覚えとけよ!」
泣き声が聞こえる
伊織「じゃーな。夜かけるから反省しろ」

話は終わった
伊織さんはやっぱりホストだ
伊織「龍星から電話あったんやろ?大丈夫?何て言われた?」
ワタシは泣きながらさっきの経緯を伝えた……

伊織「さくらちゃん。こっちおいで」
ワタシ?
伊織さんはギューってしてくる
伊織「さくらちゃんは何も心配しなくていいから。俺に任せて?分かった?」
ワタシ「はい……」
伊織さんはワタシの涙をふきながら
キスをしてきた
安心してしまう自分がいる
ワタシ「伊織さん?ごめんなさい。
お仕事の邪魔になっちゃって…」
伊織「ハハッかわいいさくらちゃん」
伊織「とりあえず戻ろっか。お風呂入ろ?もう変な事しないから、っつうかできないから笑」

伊織さんも腰を痛めていた……
ワタシは昨日の自分を恥じる

今から龍星の元へ
龍星にちゃんと言わなければならない
続く

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