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81赤ちゃん

次の日、フラフラしながら伊織さんと病院に行く
《ミナトさんが紹介してくれた病院だ》
多分訳ありの人らが行く所だろう
伊織さんもずっと元気だったがちょっとしんどそうにしている

ワタシも伊織さんも寝れてない
でも、わざわざリスクを背負って着いてきてくれた事に感謝している

病院に着いた
ワタシは緊張する
先生は普通の顔して何事も無いかのように覚せい剤はいつからやったかとか聞いてくる
伊織さんが全部答えている

先生「もうやらないな?」
伊織「はい」
伊織さんは看護師さんにどこかへ連れてかれる

警察には伝えないのだろうか?
やっぱりココはそういう人らが来る病院なのだろうか
先生「じゃあ貴方はそちらに座って」
……と足が開く機械?に座らされる
先生が調べる

先生「13週やね」

えっ?赤ちゃん居るの??

先生は伊織さんを待ってから話をするという
伊織さんが別室から出てきた

先生「二人とも座って」

ドキドキする

先生「薬やってたら胎児に影響がある。まだ今やったら初期やから……
2人とも若いし……」

先生の言いたい事は分かった

伊織「また2人で考えてきます」

そう言ってワタシを連れてタクシーに乗る
伊織さんは何を考えてるの?

行き着く所は区役所だった
伊織さんは婚姻届を貰う
もう今すぐここで書いてと言われる

ワタシは凄く嬉しかった
泣きそう……

伊織「さくらちゃん……俺メッチャ嬉しい。」
ワタシ「でも、産まれてくる子供に影響が……
伊織「関係ない。俺とさくらちゃんの子供だよ」
ワタシは不安だったが頷く
伊織「やっと。やっと俺だけのものになる」
ワタシ「元々伊織さんのものだよ?」
伊織「不安だったんだ。初めてなんだ。怖かった。だからクスリに手を出してしまった……」

ワタシははにかんでしまう
お腹の中に伊織さんとの子供がいるんだ……
変な感じ

そこからお家に帰って久しぶりにゆっくり寝れた気がした
伊織さんも。

それから……
そんなすぐすぐマトモになる訳じゃないから伊織さんはかなりキツそうだったが、お家に居てくれるようになった
でもまだワタシは親に言えなかった
もうちょっと検査して大丈夫って言われたら言おう……。

龍星にも言えない……
ワタシはまた都合良く使ってしまった……
伊織さんは龍星からの電話を取らない

あっお客様はどうなったんだろう
えみなは?
伊織さんは知らなくていいと言う
ミナトさんが関わっている事は確かだ
これから幸せになるのか?
続く

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