この世界ってものは、

この世界ってものは、寂しいことが多すぎる。
どうせ何も変わらないと思いながら、夜闇の中で時の流れを指でなぞる。
こんな行為に意味などない。時間が無為に過ぎていくだけ。
それなのに、一縷の望みと繋がりを求め、蜘蛛の糸を這うように、追い続けている。

夜ってものは、いけない。わたしの中で一番、嫌いで。一番、好きな時間だ。
自傷をするにはちょうどいい。何故なら、眠らなければならないという強迫の中で刃を持つと、酷く興奮するからだ。
皮膚を薄い金属が滑る感覚を望んでしまうと、もう、それしか考えれない。
ああ、いけないな。
そう思って、こんな夜更けに筆を執る。
電子の海に、そっと、寂しさを放つ。
そして、それが掻き消えるのを――じっと、見ている。

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