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本日の一曲 vol.417 リヒャルト・シュトラウス メタモルフォーゼン (Richard Strauss: Metamorphosen, 1945)

本日ご紹介するのは、リヒャルト・シュトラウスさんのメタモルフォーゼンです。弦楽合奏による曲で非常に美しい曲だと思います。

この曲は、1944年から1945年にかけてミュンヘン近郊のガルミッシュ=パルテンキルヒェンにあったシュトラウスさんの山荘で作曲されたもので、完成は1945年4月12日になります。

シュトラウスさんは、ドイツがナチス政権になってもドイツにとどまって活動していましたが、この曲の完成直後の4月30日にアドルフ・ヒトラーは自殺してナチス政権は崩壊し、5月7日に連合国軍に降伏します。その後、シュトラウスさんはナチスに協力したということで連合国の裁判にかけられますが、1948年6月には無罪となります。この間、作曲活動も演奏活動も続けていましたが、1949年9月8日に腎不全でお亡くなりになりました。

本日ご紹介した演奏は、ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)さん指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)によるものですが、この演奏を収録したカラヤン盤は、リヒャルト・シュトラウスさんの激動の晩年の作品を集めたもので、ほかにローター・コッホ(Lothar Koch)さんオーボエ独奏のオーボエ協奏曲(Oboe Concerto)とグンドゥラ・ヤノヴィッツさんソプラノ独唱の「4つの最後の歌」が収録されています。オーボエ協奏曲の完成は1945年10月、4つの最後の歌は1948年の完成になります。

リヒャルト・シュトラウスさんは、家庭的で職人気質のお人柄だったということですが、その音楽は多様でとても優れたものだったと思います。これら晩年の作品群を聴きながら、当時のシュトラウスさんの境遇や心境に思いを馳せてみるのもよいかと思います。

シュトラウスさんの作品については、以前「ツァラトゥストラ」をご紹介していますので、こちらの記事もご覧ください。

また、メタモルフォーゼンは弦楽合奏ですが、弦楽合奏を愛する方々のために、以下の記事もご覧ください。

(by R)

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