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本日の一曲 vol.400 マーラー 交響曲第5番 (Gustav Mahler: Symphony No.5, 1902)

歌手以外のソリストにとって、馴染みのない3大作曲家は、リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner)さん、アントン・ブルックナー(Anton Bruckner)さん、そして、グスタフ・マーラー(Gustav Mahler)さんだと思います。ワーグナーさんはオペラばかり、ブルックナーさんは交響曲ばかり、マーラーさんは歌付きはあるものの、やはり交響曲ばかりです。この3人の作曲家には、ソリストが練習できたり、リサイタルで披露できる曲はまったくと言っていいほどありません。この3人の作曲家が苦手だという人はたくさんいますが、大人数でしか演奏できないということが原因の一つであると思います。

音楽之友社のサイト「ontomo」に音楽学者広瀬大介先生による3人の作曲家へのガイドとなるインタビュー記事がありましたので、ご覧ください。

さて、本日は、マーラーの第2回目です。1回目はこちらです。

今回は、ドイツの小説家トーマス・マン(Thomas Mann)さんが1912年に発表した小説「ヴェニスに死す(Der Tod in Venedig)」に基づいて、1971年公開のルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti)さん監督による映画「ベニスに死す(Death in Venice)」でサウンドトラックとして使われた交響曲第5番第4楽章の「アダージェット(Adagietto)」です。

マーラーさん(1860年7月7日生)は、41歳の1901年11月に、当時22歳のアルマ・シンドラー(Alma Schindler, 1879年8月31日生)さんと出会い、12月には婚約を発表、1902年3月9日に結婚しました。アルマさんは、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt, 1862年7月14日生)さんや作曲を学んでいたアレクサンダー・ツェムリンスキー(Alexander von Zemlinsky, 1871年10月14日生)さんから恋をされましたが、マーラーさんを選んで結婚したのでした。

第4楽章は、アルマさんへのラブレターでした。演奏は、弦楽合奏とハープジョン・バルビローリ(Sir John Barbirolli)さん指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(New Philharmonia Orchestra)の演奏です。

一方で、映画「ベニスで死す」に使われたことから、「美少年」の音楽としてイメージされることもあります。

この映画の美少年タッジオ(Tadzio)を演じたのは、ビョルン・アンドレセン (Björn Andrésen)さんでした。

交響曲第5番全曲のプレイリストです。全5楽章で、おおざっぱに説明すると、第1楽章と第2楽章は不吉で激しい音楽、第3楽章と第5楽章は楽しい音楽になっています。ラブレターは第4楽章だけですので、お気をつけください。

そして、ひたすらこの第4楽章に浸っていたい方のために第4楽章の演奏を集めたプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。

(by R)

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