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本日の一曲 20世紀第3四半期の音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1951年~1975年の音楽をまとめました。
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本日の一曲 vol.344 フレッド・マクダウェル ユー・ガッタ・ムーヴ (Mississippi Fred McDowell: You Gotta Move, 1965)

「ユー・ガッタ・ムーブ」はアフリカ系アメリカ人のスピリチュアル・ソング(いわゆる「黒人霊歌」)です。黒人霊歌は、16世紀から19世紀まで存在していた大西洋奴隷貿易で奴隷として連れてこられたアフリカ人の歌です。 歌詞は、おおよそ次の内容になっています。「神様が準備できたら『動か』なきゃいけない」という意味です。 You gotta move You gotta move You gotta move, child You gotta move But when the Lo

本日の一曲 vol.343 プロト・メタル・アルバム10選 (1968~1973)

「プロト・メタル」とは、最初のヘビーメタルという意味です。 イギリスのサイト「LOUDER」に標題の記事がありましたので、ご紹介します。 ランディ・ホールデン / ポピュレーションⅡRandy Holden: Population II (1970, not released in Japan) ランディ・ホールデンさんは、1945年7月2日生まれのアメリカのギタリストです。 ブルー・チアー / サマータイム・ブルースブルー・チアー・ファースト・アルバム:サマータイム

本日の一曲 vol.342 カーペンターズ イエスタデイ・ワンス・モア (Carpenters: Yesterday Once More, 1973)

ご紹介カーペンターズは、1946年10月15日生まれの兄リチャード・カーペンター(Richard Carpenter)さんと、1950年3月2日生まれの妹カレン・カーペンター(Karen Carpenter)さんの兄妹のデュオです。カバー曲も多く手掛けましたが、兄のリチャードさんがソングライティングを、妹のカレンさんがボーカルを担当するというのが大体の役割分担でした。シングルのヒット曲も数多くありましたが、カーペンターズの音楽の最大の魅力は、カレンさんの明快なボーカルにあっ

本日の一曲 vol.340 カーティス・メイフィールド スーパーフライ (Curtis Mayfield: Superfly, 1972)

カーティス・メイフィールドさんは、1942年6月3日にシカゴで生まれ、幼少のころからピアノやゴスペルに親しみ、10歳のときに初めてギターを手に入れ、14歳にときにバンドを組み、このバンドが16歳のときにザ・インプレッションズ(The Impressions)になりました。 インプレッションズは、1965年の「ピープル・ゲット・レディ(People Get Ready)」など、いくつかのヒット曲を飛ばしましたが、カーティスさんは、1970年にインプレッションズを離れ、ソロ活動

本日の一曲 vol.337 フリートウッド・マック グリーン・マナリシ (Fleetwood Mac: The Green Manalishi (With the Two Prong Crown), 1970)

フリートウッド・マックは、デビューアルバムのリリースが1968年とキャリアの長いバンドです。 残念なことに、2022年11月30日、ボーカルのクリスティン・マクヴィー(Christine McVie)さんが亡くなり、再活動は難しい状態になっています。 フリートウッド・マックの楽曲については、以前一度ご紹介したことがありました。 フリートウッド・マックは、そのフロントマンにより、大体3つの時期に別れます。ファースト・アルバムリリースから1970年までがピーター・グリーン(

本日の一曲 vol.335 ハロルド・メルヴィン・アンド・ザ・ブルーノーツ ビー・フォー・リアル (Harold Melvin & The Blue Notes: Be For Real, 1972)

ハロルド・メルヴィン・アンド・ザ・ブルーノーツは、1970年代から始まったフィラデルフィア・ソウル(フィリー・ソウル)の代表格のボーカル・グループです。グループ結成当時のリード・シンガーがハロルド・メルヴィンさんだったのですが、その後、1972年にフィラデルフィア・ソウルの中心レーベルであるフィラデルフィア・インターナショナル・レーベルと契約してファースト・アルバム「アイ・ミス・ユー」をリリースしたころには、リード・シンガーはテディ・ペンダーグラス(Teddy Penderg

本日の一曲 vol.334 エマーソン・レイク・アンド・パーマー 未開人 (Emerson, Lake & Palmer: The Barbarian, 1970)

前回、キース・エマーソン(Keith Emerson)さんのピアノ協奏曲(Piano Concerto No.1)をご紹介しました。 本日は、ELPがデビュー当初からカバーしてきたクラシックの曲を拾っていきたいと思います。 エマーソン・レイク・アンド・パーマー (1970)ファースト・アルバム「エマーソン・レイク・アンド・パーマー(Emerson, Lake & Palmer)」に収録された「未開人(The Barbarian)」は、ベーラ・バルトーク(Béla Bart

本日の一曲 vol.319 ルー・リード 子供たち (Lou Reed: The Kids, 1973)

1970年8月、ルー・リードさんは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)を脱退し、1971年にRCAレコードとレコーディング契約を締結し、1972年5月にソロのファーストアルバム「ロックの幻想(Lou Reed)」をリリースしました。 その後、11月に名曲「ワイルド・サイドを歩け(Walk On The Wild Side)」が収録されたセカンドアルバム「トランスフォーマー(Transformer)」がリリースされました。 フ

本日の一曲 vol.318 マイク・オールドフィールド チューブラー・ベルズ (Mike Oldfield: Tubular Bells, 1973)

マイク・オールドフィールドさんは、1953年5月15日生まれのイギリスのミュージシャンです。弱冠20歳のとき、1973年5月25日ににファースト・アルバム「チューブラー・ベルズ(Tubular Bells)」をリリースし、これが大ヒットしました。しかも、同年12月26日に公開された映画史に残るオカルト映画「エクソシスト(Exorcist)」のテーマ曲にも使われたことから、誰もが知る曲となりました。 ただし、日本で発売されていたシングル盤「『エクソシスト』のテーマ チューブラ

本日の一曲 vol.313 ミック・ロンソン ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート (Mick Ronson: White Light / White Heat, 1975)

ミック・ロンソンさんは、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)さんの盟友であり、ジギー・スターダスト(Ziggy Stardust)のザ・スパイダーズ・フロム・マーズ(The Spiders Ftom Mars)のギタリストでした。 デヴィッド・ボウイさんの映画にもなった「ジギー・スターダスト」のライブから、「フリークラウドから来たワイルドな瞳の少年/すべての若き野郎ども/ユー・プリティ・シングス~8行詩(The Wild Eyed Boy From Freeclou

本日の一曲 vol.312 ミニー・リパートン ラヴィング・ユー (Minnie Riperton: Lovin' You, 1974)

ミニー・リパートンさんは、1947年11月8日にシカゴの音楽一家の末っ子として生まれ、幼少の頃から音楽のトレーニングを受け、ティーンエイジャーになると地元のシカゴのボーカル・グループ、ザ・ジェムズ(The Jems)や、サイケデリック・ソウルバンドのロータリー・コネクション(Rotary Connection)で歌っていました。22歳の1970年にソロ・ファーストアルバム「カム・トゥ・マイ・ガーデン」をリリースしましたが、商業的には成功しませんでした。しかし、プライベートの方

本日の一曲 vol.310 キング・クリムゾン 平和/テーマ (King Crimson: Peace - A Theme, 1970)

キング・クリムゾンの「平和/テーマ」は、1970年にリリースされたセカンド・アルバム「ポセイドンのめざめ(In The Wake Of Poseidon)」のB面1曲目に収録されていた曲でした。ロバート・フリップ(Robert Fripp)さんがアコースティック・ギターを弾いている短い曲です。心が休まるような本当にいい曲です。 キング・クリムゾンは、2021年11月に来日し、11月から12月にかけて日本を周り、来日公演をしましたが、最後の来日公演であると言われています。ファ

本日の一曲 vol.302 ビートルズ ユー・ノー・マイ・ネーム (The Beatles: You Know My Name (Look Up The Number), 1970)

ビートルズを聴き始めたころ、ビートルズの「いい曲」ベスト3は、「イエスタデイ(Yesterday)」、「ヘイ・ジュード(Hey Jude)」、「レット・イット・ビー(Let It Be)」でした。いずれの曲も最初はシングル盤で集めました。集めた順番もその順番でした。 4人の若い頃のかしこまった写真がジャケットだった「イエスタデイ」のB面は、「恋する二人(I Should Have Known Better)」(1976年の再発盤)で、ハーモニカが入った曲で気に入りました。

本日の一曲 vol.293 アントニオ・ガデス ミラブラス (Antonio Gades: Mirabrás, 1966)

アントニオ・ガデス(1936年11月14日~2004年7月20日)さんは、スペインのフラメンコのダンサーです。1966年にリリースされたアルバム「Antonio Y Su Cuadro Flamenco」は、おそらく当時のフィルムのサウンドトラックだと思います。アントニオ・ガデスさん自身はダンサーとしての参加で、ギターはエミリオ・デ・ディエゴ(Emilio de Diego)さん、フアン・マヤ・マローテ(Juan Maya "Marote")さん、ヴォーカルはカルデラス・デ・