初めて歌詞を書きました。

初めて歌詞を書いた。好きな詩人のxを見ていたら,歌詞の公募で最優秀賞なられたと読んで、そんなコンテストあるのかな,と見てみたら,ぜんじおんという社団法人が公募していたので応募してみた。課題曲に言葉をつけるのだが,子どものための歌というところが気に入って,作って送ったら思いがけず最優秀賞になりました。子どもたちに日本語の面白さを知って欲しかっただけなのだが,私自身歌が好きなので、何も苦労しなかった。以下のような歌詞です。

しゃくとりむしがゆく

余裕しゃくしゃくとすすむよ
しゃくとりむしがゆく
あたまをあげ
ひかりをあび 風を聞いてゆく
ちぢんでのびて
ちぢんでのびてまたちぢんでのびて すすむよ
おいしいはっぱをさがしてる
のびてちぢんでちぢんでのびて
しゃくとりむしはすすむよ
よゆうしゃくしゃくと

与えられた楽譜のリズム、メロディに合わせるとこうなった。発想のもとは子供たちに四字熟語で遊ぼうよ、というとことから。余裕しゃくしゃくから尺取虫は容易に発想してもらえるだろうと思った。同じ曲で次点の方の詞は全くちがって伝統的な抒情詩で、興味深かった。
その表彰式を兼ねてコンサートがあったので夫とともに参加した。44曲の新作の児童や中高生迄のための歌曲を聞いたけれど、ピンときた歌は、正直少なかった。夫の言うには、賞を受けた作品でも、作りすぎだ、と。その点この尺取虫は、秀作だと。身内身びいきとしても、普段詩歌と縁の薄い人の率直な感想は有益である。作りすぎ、というのは技巧の冴えとか言語の操り方のうまさだとかのことでしょう。私が聞いた限りでは、優秀とされた作品は、その作者の表現意欲の強さを感じるものだった。作者の、自己表現なのだった。それが実にうまいので、聞く方も素敵だとつい思うのだが、これ、子供が喜ぶかなあ・・・と思った。子どもが好きな私は普段書く詩とはちがい、子供たちが日本語を面白いと思ってくれるように、というのが唯一の作詞動機だった。その為か会場にいた見知らぬ方お二人に「あなたの、とてもよかった」と言われ、のちに頂いた会からのメールで「アンケートにも、尺取り虫がゆく への絶賛が相次いでいます」と知らされた。

そうなのです。読んでくれる人に向けて、書いたものは、人に届くのです。歌詞でなくてもそうだろう、と思った。誰かを心に浮かべて、その人に向けて、書くということ。
ずっと若いころ、児童文学を書いていたし、割合最近にも電子書籍で『幻想水族館ー深海の恋の物語』と『不思議な庭園の秘密―夏の終わりの大冒険』というファンタジーを出したのだった。元来児童文学は好きなのだ。久しぶりに児童詩を書いてみようかな、ゲームばかりしている孫が、歌いたくなるような詩を、と思い始めた経験でした。このコンサートいずれyoutubeで見られるそうで、楽しみです。