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フランス人デッサン家、漫画家のサンペの死去と南仏のサントロペ

フランス人の漫画家のジャン・ジャック・サンペ(Jean-Jacques Sempé)さんが、今週8月11日に89歳で死去しました。

ジャン・ジャック・サンペ(Jean-Jacques Sempé)さん

あまりにもユーモラスなデッサンで、直ぐにサンペのデッサン絵だとわかる特徴がありました。

ジャン・ジャック・サンペ(Jean-Jacques Sempé)

南西部ボルドー近郊の、ペサック(ワインの名産地)で生まれ、「プチ・ニコラ」というデッサン漫画の作者です。

高齢なので死んでしまってもおかしくないのですが、国民的人気のデッサン家のサンペの死はみんな悲く思っています。

マクロン大統領も、ボルヌ首相も追悼のメッセージを流していました。

サンペはボルドーの生まれで、その愉快なプチ・二コラとは対照的に、暗い幼少期を過ごします。

当時生活は経済的に大変で、両親の喧嘩が絶えない家でした。

14歳で学校へ行かず、歯磨き粉売り、その次にワイン売りをして、お金を稼いでいたのです。

18歳の時には、初めて新聞にデザインが掲載され、1951年に19歳でパリに上京したのです。
そこでシナリオ作家のルネ・ゴシニ(René Goscinny)さんと運命的な出会いをしたのでした。

最初は、ゴシニと一緒にベルギーの週刊新聞ムステークに漫画を掲載していましたが、ゴシニが解雇され、サンペも連帯でベルギー新聞を去ります。

その後3年して、スゥッド・ウエストというフランスの新聞の日曜版に採用がきまり、2人で漫画デッサンを出していくのでした。

「プチ・ニコラ」の成功が始まるのは1959年からで、その後国民的漫画デッサン家となっていくのでした。

漫画プチ・二コラ(le Petit Nicolas)


プチ・ニコラは、小さな二コラの意味で、ニコラ君の通う学校やおうちを舞台にして、家族や友達との日々を綴っている漫画デッサン本です。

いつもなにか食べているアルセスト、
成績がクラスで一番で先生のお気に入りのアニャン、
お金持ちのパパがいるジョフロワなど、
学校の門番のヨワキム
など、ニコラ君を取り囲む友だちを描いています。

50年前にフランスで出版された本ですが、プチ・ニコラの冒険エピソードは面白く、誰にも共通している、「ああ、昔、こんないたずらしたな〜」と思えるエピソードがあり、爆発的に売れたのです。

サントロペ

サンペの漫画デッサン本です。

サンペの漫画デッサン本



出版された漫画デッサン本の中に「サントロペ」(Saint Tropez)があります。

サントロペは、南仏の高級リゾート地で、裕福層が別荘を持っているので有名です。

別荘に住む裕福層と、そこで工事をする労働者のユーモラスな場面を描いています。

別荘地の工場をはじめる労働者


仕事をする労働者と庭に座る裕福層


楽しく仕事をする労働者
工場が終わり、やることがなく無気力な裕福層


ユーモラスというか、社会風刺にも映る場面を、言葉なくして漫画だけで描いてしまうのですから、凄いですよね😊

私もこの、サントロペは特に好きで、それにプチ・二コラの軽快なタッチに惹かれ、いまだにファンです。

サンペの絵には励まされるものがありました。

単行本は絵だけで読(見)み安く、オススメです。

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