【ちびまあ】あのときまあは大人だった

三兄弟
S無敵三兄弟
少年極道Ｙ三兄弟

周りに兄弟は多かったが
このような異名を持つ三兄弟は
少年時代に三組しか知らない。

もっとも残る一組の名付けは俺で、
あってないようなものだが、、、

【ほんとかよ？！M三兄弟】

Mの末っ子は中２のクラスメイトで
席替えで隣の席が彼だったことが縁で
仲を深めていくのだが、すこしずつ話していくうちに彼には上にふたりの兄弟がいて、有数の進学校に通う優等生の不良？だということを知る。

優等生の不良、、、

漫画の主人公じゃあるまいし現実は二足の草鞋等あり得ない。

そもそも例えば暴走族の活動なら深夜帯だし
いつ勉強できるというのだ？
地頭の良さではカバーしきれないのが成績である。「昨日勉強してないんよ」とうそぶいてテストで高得点を取るなんてよくある話で、周りから「天才」という称号を得る為の承認欲求の高さの現れに映る。

虚栄心。
虚栄には得てして嘘が混在するものだ
だから、虚しい、、

「彼は嘘つきでは？」そんなふうな違和感を抱くようになった頃、俺を歓喜させる出来事があった。

俺の好きなBOOWYのデモを貸してくれたのだ、注釈すると、彼いわくBOOWYのだが。

道中半信半疑を抱きつつ帰宅して早速テープを聞いた。

「に、似てなくもない？！」

迷いというのは恐ろしい、、、
信念を鈍らせるからだ

翌日、彼にテープを返すその瞬間まで、
いや今のいままで飲み込んでいた言葉があるが、今なら言える。

「こ、これ違うよね？」

大人になって調べたところ
全く違うアーティストのものだったという確証を得たからだ。

あのときまあは大人だった。
そして
「彼はきっと信じやすい人なんだろう」と
良心的に解釈している今もまあは大人だ。

【ほんとじゃねーのかよ？M三兄弟】