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「身体感覚型」の特徴を活かす!「身体感覚型」を育成するテクニック

人の優位感覚は、それぞれ異なります。

このサイトではNLPの考え方に基づき、人の優位感覚を「視覚型」「聴覚型」「身体感覚型」の3つに分類し、紹介しています。

それでは、優位感覚が異なる人に対して教える時、どのように工夫したらよいのでしょうか?

人は、自分の優位感覚に基づいた指導方法で、指導します。

「視覚型」の人は、「視覚優位」な指導をする
「聴覚型」の人は、「聴覚優位」な指導をする
「身体感覚型」の人は、「体感覚優位」な指導をする

しかし、必ずしも相手が自分と同じ優位感覚とは限りません。

もし相手が違う優位感覚だった場合、どのようなとこが起こるのか。
想像するのは容易いですよね?

「なんか、この人の説明分かりにくいな…?」
「一生懸命説明してくれてるのに、なんでだろう?」

これでは、教える側も、教えられる側も非効率的です。

この記事では、「身体感覚型」の相手に教える時、相手がすんなり理解しやすい方法をご紹介します。

「身体感覚型」の人は、割合的には割と多いです(私のTwitterアンケート調査調べ)
身体感覚型で、話し方がゆっくりしているのでマイペースなイメージに見られることがあります。
しかし、しかし他の型の人と指導関係にあると、マイペースな相手に飲まれて意外とうまくいかなかったりもします。

この記事を読めば、身体感覚型の新人の得意・不得意、さらにその特徴を活かして、どのように教育すればお互いストレスなく指導を進められるのかもわかります。

なお、優位感覚の分類方法については別記事で紹介していますので、まだ優位感覚それぞれの特徴がわかっていない方は、そちらの記事も参考にしてください。

得意・不得意から見る「身体感覚型」の特徴と指導方法

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身体感覚型の得意なこと、不得意なこと知ることで、どのような教育が適しているのかがわかってきます。

身体感覚型の得意
1.体感したことを様々な方法で表現する
2.ゆっくり自分のテンポで話す
3.人の話を聞きながらメモを取る
4.五感を使って場面を記憶する

身体感覚型の不得意
1.体感が刺激されない説明を聞いて理解する
2.早いスピードの説明を聞く
3.綺麗なノートを作る、メモを活用する
4.五感が刺激されすぎる場所で集中する

得意を裏返せば不得意なことになります。

1つずつ解説していきます。

身体感覚型は「体感を使う」のが得意

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身体感覚型は、自分が動いて何かを行った、感じたという感覚を使って様々なことをするのが得意です。

体感覚とは、自分の体を動かしたり、嗅覚、味覚、触覚などをまとめた感覚のことを指します。

視覚的に何かを見たり、聴覚的に何かを聞いたり、そういう感覚も含みますが、「実際にどういうものが書いてあった」とか「どういう風に話していた」という、具体的な内容自体は覚えていないことが多いです。

では何を覚えているのかと言うと、視覚的には「(何が書いてあったかは覚えていないけれど)色は〇で、文字の大きさはこれくらいで、こんなようなことが、あの場所に書いてあった」という、情景を切り取ったような感覚を覚えています。

聴覚的にも、「(どんな内容だったかは、具体的には覚えていないけれど)とても忙しかった日に、〇さんが忙しそうに、自分にこんなようなことを話しかけた」という、場面と自分が感じた感覚を覚えているのです。

身体感覚型はこのように、「自分が体験した感覚」を記憶したり、思い出したり、表現したりするのが得意です。

逆を言えば、視覚だけ、聴覚だけ刺激されるようなものでは記憶するのがなかなか難しい、とも言えます。

指導テクニック:「体感できる表現を使う」「経験談を盛り込む」

身体感覚型の人に説明するときは、頭の中でその場面が描けるような表現を盛り込みましょう。

特に体験談を盛り込むと、非常に良いです。

「狭い・広い」など空間を表す表現
「熱い・冷たい」など温度感を示す表現
「忙しい・せわしない」など行動を表す表現
「ふわふわ、とげとげ、かちかち」など触感を表す表現

基本的に身体感覚型は、自分の視線・立ち位置で物事を捉えることが多いです。
患者の右側・左側なのか、自分視点で右側・左側なのか、必ず伝えてあげてください。

大きさや形など何かを表現するときに、視覚的・聴覚的どちらの表現がいいとかは、身体感覚型の場合、特に問いません。

大事なのは、目の前にあるかのようなイメージを持てる説明かどうかです。
そのため、理解するのに少し時間を要します。

一番いいのは、実際に体験する、体感するが出来ることです。

実際にその場所に行く、触れる、使う、使っているところを実際に見る。
これが出来れば一番記憶に定着されます。

どうしても、実物を体感できない場合は、なるべく体感できる表現を使いましょう。

身体感覚型は「自分のペースを崩さず話す」のが得意

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身体感覚型の人は、自分のペースを崩さず話すので、良く「マイペースだね」と言われる人が多くいます。

それは何故かと言うと、自分の中の体感覚を言葉に変換して話す、と言う工程を経て話すので、時間がかかるからです。

ステップ1 自分のなかにある体感覚を探す
ステップ2 体感覚を言葉に置き換える
ステップ3 言葉として表現する

「あなたはどう考えるの?」とか、「その時の状況を教えて」と問われると、話すのに時間がかかるのはこのためです。

逆にあらかじめ決められている文言を話す時は、早口でも話せます。
体感覚を変換する工程が省かれるからです。

これは自分の思いを話すときだけでなく、相手から説明を受ける時も同様のことが言えます。

ステップ1 相手の言葉を聞く
ステップ2 言葉を頭の中で体感覚に変換する
ステップ3 体感覚を感じ取り、ようやく理解できる

ですから、この「体感覚に変換する」時間を与えられずに話が進んでしまうと、理解できなくなってしまいます。

指導テクニック:「ゆっくり話す」「所々で理解できているか確認する」

身体感覚型の人には、できるだけゆっくりペースで説明しましょう。

要所要所で立ち止まり、「ここまで大丈夫ですか?」と確認するのも大事です。

人から話を聞き、自分があたかもその場で動いているようなイメージを、身体感覚型の人は頭の中で描いていきます。その工程を経ることで理解できるのです。

身体感覚型の人は考えている時、下を向くことが多いので、その時は説明を進めるのをいったんストップしてあげてください。わからなければ「途中でわからなくなりました」とか「ついていけていません」など、体感覚優位の言い方で教えてくれるでしょう。

身体感覚型は「話を聞きながらメモを取る」のが得意、だが…

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身体感覚型は、話を聞きながらメモを取ることができます。

「だが…」と書いたのは、そのメモを有意義に活用できるかどうかは、その人次第だからです。

同じくメモを取る「視覚型」と比較してみましょう。

<視覚型の場合>
視覚型は「ここは大事だし、どこにも書いていないことだからメモしよう」と思って書きます。視覚型はノートをまとめることで覚えるので、そのあと必ず清書します。
<身体感覚型の場合>
身体感覚型は「ここは感動した!」とか「超重要!」と思って文章をマークしたり、ノートに走り書きをします。しかし、身体感覚型は、自分で書いたノートを見返しても「あれ、なんでこんなこと書いたんだっけ?」とか「いっぱい書きすぎて、何が大事かわからない!」というメモを仕方をしがちです。
綺麗に清書するということもしないので、メモを有効活用できないことも多くあります。

上記のように、視覚型のメモを取ると、身体感覚型のメモを取る、には大きな差があります。

しかし大事なのは「いかに記憶に定着させるか」なので、ごちゃごちゃなメモだったとしても、怒らないで上げてください(笑)

指導テクニック:「大事なポイントを強調する」「要点を確認させる」

身体感覚型に対しては「ここが大事なポイントだよ」と強調し、「今の説明で何が大事だったか、言ってみて」と自分の言葉で言わせると、記憶により定着します。

身体感覚型は、メモをしたことで「わかったつもり」「学んだつもり」になりがちです(私は身体感覚型なので、この傾向が強いです)

あまりにも感覚的にメモを取ってしまうため、後からノートを見返すと情報量が膨大で、何が大事だと思ったのか見失ってしまいます。

せっかく説明したのに、その時だけわかったつもりで実は記憶に定着していない、なんてことが繰り返されると説明しがいがないですよね。

その対応策として効果的なのが、説明を聞く、の後に、自分の言葉で表現してみる、のワンクッションを持つことです。

身体感覚型は、体感が一番効果的です。

「聴いて」
「見て」
「納得して」

のあとに

「体感する」

を加えると、効果抜群です。

メモを取るという行動だけでは弱いので、是非「ポイントを強調し、さらに自分で言ってもらう」を付け加えてください。記憶への定着率が、ぐんと伸びると思います。

身体感覚型は「五感を使って記憶する」のが得意

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ここまでの解説を読んでいればお分かりかと思いますが、身体感覚型は五感を使うのが非常に得意です。

その為、五感を刺激されすぎる場所で集中するのが困難です。

人それぞれの感覚にもよるかと思いますが、過剰に五感が刺激され気が散る要素があると、身体感覚型は集中できません。

指導テクニック:「大事な話は気が散らない場所でする」

人それぞれ、「居心地がいい」レベルが違うので難しいですが、なるべく気が散らない場所で話をしましょう。

特に嗅覚、聴覚、触覚的に、気が散らないことです。
(五感には味覚もありますが、仕事中にご飯を食べながら話すことはないので除外しました)

避けるべき場所
嗅覚:きつい匂いがする場所
聴覚:他の人の話し声や物音が大きく聞こえてくる場所
触覚:座り心地が悪い椅子、寒すぎる・暑すぎる場所、圧迫感がある・広すぎる場所

大事な話をしているのに「なんだか上の空だな?」と思ったら、それは相手が違う五感に気を取られている証拠です。

そういう時は相手に確認し、場所を移動してあげてください。

まとめ

今回は、身体感覚型型の特徴を活かす、身体感覚型を育成するテクニックをまとめました。

身体感覚型は「体感を使う」のが得意
→指導テクニック:「体感できる表現を使う」「経験談を盛り込む」
身体感覚型は「自分のペースを崩さず話す」のが得意
→指導テクニック:「ゆっくり話す」「所々で理解できているか確認する」
身体感覚型は「話を聞きながらメモを取る」のが得意、だが…
→指導テクニック:「大事なポイントを強調する」「要点を確認させる」
身体感覚型は「五感を使って記憶する」のが得意
→指導テクニック:「大事な話は気が散らない場所でする」

優位感覚によって、得意・不得意が存在します。

それぞれの特徴を活かせば、ぐんと成長が促せる指導をすることができます。

そのほかの優位感覚の人の指導方法についてもまとめていますので、参考にしてみてくださいね。

※このnoteは、サイト「看護師指導の基本となるもの」に掲載されている記事から引用したものです。

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