『生物から見た世界』から考える子育て

ドイツの生物学者であるヤーコプ・フォン・ユクスキュルが書いた
『生物から見た世界』はわたしの価値観を変えた。
簡単にこの本を説明するならば、生物はそれぞれの環世界にいきているということ。人間は他の生物を客体だと考えているかもしれないけれど、
他の生物も人間も主体なのである。それぞれの世界でいきているということ。
その世界があると言うこと。

ダニの知覚から始まるこの本だが、わたしがこの本を読み始めたときに
息子は生後半年くらいであった。ちょうど目が見え始めて、ハイハイして歩けるそんな時期。ダニは知覚器官は3つだけれども、それだけ強い知覚があると書かれていた。人間の血を逃さずに待っている必ずそれを得る。
息子生まれたばかりのころの母乳に関する知覚の凄さをダニに重ねていた。

人間は大人になるにつれ、それは感覚器官の発達が進み、知覚も多くなる。
その結果できることはふれるけれど、恣意性のない記号に縛られ生きていく。
そんな風に今自分は捉えている。

言語が適用されない子供は、何にも縛られず自分の知覚だけを頼りに
探索行動を続けていく。

今研究の中で探っているのは、そのような感覚つまり「あたりまえ」を
払拭してどう物事を考えうるのか、ということなのではないかと
常に考えている。その視点からすると、子供というのは自分の先生でも
あるように思うのである。

自分が勉強しながら子育てをすることほど面白いことはない。
見方を変えれば、彼の行動は全て参考になるからだ。



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