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「沖縄平家物語」リハーサル進んでます❗️

ジュゴン能「沖縄平家物語」第一幕

第一幕 リハーサルの様子
手前のカニさんも真剣です

 浜に舟を引き上げ、仕事を終える大浦の漁師。空に鳥を見上げ、海にジュゴンを見ては、「今日は良い日だ」と過ごしていた。しかし、役人はこの浜に再び、戦(いくさ)をする足場(基地)を作り始めた。杭を打って、海底に壁を作って砂を入れ、戦闘機の離発着地を作る。海は砂で黒く濁り、サンゴは死滅し、ジュゴンはウチナー(沖縄)から逃げてしまった。他の漁師たちは基地反対派の監視船という名目で1日中漁もせず船に乗っている。しかしこの漁師は漁の仕事を辞めない。

 そこに前世が平家の平知盛(たいらのとももり)カニが、漁師を励ましに現れる。壇ノ浦で壮絶な大暴れをした平教経(たいらののりつね)カニも「共に生きよう!」と励ます。そこに知盛の直近の部下、平家長(たいらのいえなが)が、漁師と友であったジュゴンをマウリで見つける。ジュゴンは「漁師の櫂(かい)を挿す海音を忘れたことはありません。きっとあなたに会える日が来ることを固く信じています」というメッセージを家長に託した。漁師は、「ジュゴンに会いにマウリに行こう!」と決心します❤️

ジュゴン能「沖縄平家物語」第二幕

第二幕 リハーサルの様子
熱気で部屋は暑いですがしっかり集中できてます!

 壇ノ浦に沈んだ安徳くんは、潮に流されて龍宮城の王さまの庭で遊んで一千年が経ちました。その庭にジュゴンくんが遊びに来るようになって、安徳くんにもやっとお友だちができました。でも今年はジュゴンくんが遊びに来ない。どうしたのだろう?と思っていると、ジュゴンくんのお母さんが来て「息子はウチナーの海には来ません」と言います。

 「ウチナーの海に米軍戦闘機の発着地が建設されるようになって、海底は汚され、サンゴも藻場も無くなり、建設の杭打つ音で耳も聞こえなくなりました。そこで、わたし(母)にジュゴンくんに伝える歌を伝えてほしいと言われました」

君と一緒に隠れんぼをしていると、魚たちが「安徳くんはここにいるよ」と告げられて、みんなが笑っていたよんね。君の声が懐かしいよ、一緒に遊んで楽しかったけど、またいつか一緒に遊ぼうね。またいつか隠れんぼして楽しかった綺麗なサンゴの海で一緒に遊ぼうね。

と母は安徳くんに、息子の作った歌を歌います。

 第二幕の最後は「アロハオエ」です。作詞をしたのはハワイ王国の最後の女王リリウオカラニです。

 1番は、レフアは雨(彼女の涙)の中、木に変えられた恋人オヒアを見つけるために森を通り抜け、山間にオヒアが花となっているのを見つけます。「あなたにアロハ」と語りかけます。花となったオヒアは、見つけてくれた恋人レフアを抱きしめました。

 2番は、二人の思い出、真心は決して誰にも引き裂くことはできない。お互いの素晴らしさをよく知っているから。

 3番は、マウナヴィリに咲くバラの花も、鳥たちも、木の陰にいる美しい人も、もう私たちの前には現れない(アメリカとなったハワイは隠れてしまった)。でも彼らにもう一度、「アロハ」と。また会える日が来るまで。
と歌います。それぞれの理由で別れた人、消えてゆく自然、でも私は忘れない、また会える日が来るまで「アロハ」と。 

 このリリウオカラニに気持ちは、ジュゴンくんも同じなのです

アロハオエ リハーサルの様子

海の絶滅危惧種 ジュゴン能「沖縄平家物語2023」

  • 日時7月17日(月・祝)海の日 13:30開場14:00開演

  • 会場:代々木能舞台

  • 場所:東京都渋谷区代々木4-36-14

  • アクセス:京王新線「初台駅」東口または中央口(南口出口)より徒歩5分/小田急線「参宮橋駅」より徒歩7分

  • 料金:前売り3.500円、当日4,000円

  • 作品サイト・ご予約
    https://www.sakurai-makiko.com/jugon2023


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