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今年も7月17日海の日、ジュゴン能「沖縄平家物語」を上演いたします!(2/3)

 漁師の櫂(エーク)の踊りとともに平家カニたちが踊っているのは、ニュージーランドに暮らすマオリの人々が受け継いでいる「ハカ」という踊りです。戦いの前に踊られます。手を叩き足を踏み鳴らし、目を見開いて、異形の形相で相手を見つめ敵を煽って踊ります。みなさんの中ではラグビーのニュージーランド代表のオールブラックスが試合の前に踊るのでご存知の方も多いでしょう。

 私がハカを見て心を動かされたのは、カナダとアメリカを結ぶ原油パイプラインをネイティブ・アメリカンのスーの自治国「スタンディング・ロック」に通そうとした「キーストーンXL」に反対をしているスーの人々を応援するために作ったマオリの人たちの「ハカ」の動画です。

 バホとホピの自治国で暮らしたことがある私には、またかという思いがありました。臨界事故を起こしたロスアラモス国立研究所、同じロスアラモスでの細菌兵器研究所、ナバホ、ホピのウラン鉱山の労働者の被曝問題、不法投棄所など、都合の悪いものは全てネイティブ・アメリカンを追いやった「居留地(アメリカ政府が名付けた言い方)」に作られます。原油パイプラインを通そうとしたカナダの企業の説明会に意見をしたスーの女性が
「Water is Life! Mini wiconi(ミニ・ウィッチョーニ)!」と叫 んだ映像は忘れることができません。浜辺でハカを踊るマオリの人々が、漁師を励ます平家カニに重なってきて、漁師の櫂の踊りと共にハカを踊ることにしました。

 第二幕目(後シテ)、安徳くんとお友だちになったジュゴンくんは、今年はやって来ない。するとジュゴンくんのお母さんが、「息子は辺野古の護岸工事の音で耳は聞こえなくなり、舞い上がる砂で目が見えなくなり、南の島で静養しています。安徳くんにこの歌を渡してと息子から預かってきました」とやって来ます。


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