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ペットショップの子犬販売スタッフが知らないこと。

子犬販売を行っている大手ペットショップの仕入れ先は、

1.契約ブリーダーから直接仕入れて販売
2.オークション(セリ市)から仕入れて販売
3.その両方

と大きく3通りに分かれる。自家繁殖犬を売る販売店もあるがそれは中小、個人店に多い。

初めて犬を飼う方にすれば、販売スタッフによるアドバイスはとても重要なもの。当然、自分より何倍も知識と経験が豊富で間違いのない子犬選びをサポートしてくれるものだと信じている。

その願いに叶った熟練スタッフが各店舗にいるだろうし、新人スタッフも相応の研修を積んで現場に立っていると思われる。(実際はピンキリだが・・・)

そして、その子犬の犬種特性や、性格などは経験豊富なスタッフであれば自分の目で確かめて伝えることができる。しかし、そんな彼らであってもどうしても説明することができないこと。それは、

『その子犬の生まれた環境(衛生環境)、母犬の性格、大きさ、その犬舎から作出される子犬の先天的特徴、ブリーダーの繁殖姿勢など』

契約ブリーダーから仕入れていれば、ある程度傾向は掴めるかもしれないが、やはり現地(犬舎)に行かないと見えないことはたくさんある。オークションから仕入れる犬はほとんどわからない。

店舗スタッフが販売する子犬のブリーダーを訪ね歩いているとも考えにくい。となれば、それらの大切な情報を把握せずに客に子犬をすすめていることになる。

特に、母犬の性格、大きさは重要。母犬が臆病なら臆病な子が生まれやすい。攻撃的なら攻撃的な子が生まれやすい。穏やかであれば穏やかな子が生まれやすい。大きければ大きい子になりやすいなど。遺伝力が強いと言われている。

もちろん、例外もあれば、後天的に変えられる可能性だってある。だが、少なくともそれらの確率も情報として携えた上で接客をしてもらったほうがいいに決まっている。逆に言えば、それらのデータもなく良く自信を持って販売できるなとさえ思う。

初めて犬を飼うご家族が攻撃的であったり臆病な子を迎え入れることによって悩んでいるご家族をしつけ教室で何百と見ている。その行き着く先が放棄につながったりする。

日々ショーケースに入ってきては、売れて、また新たな子犬が入れられる。そのサイクルが早いほどスタッフは1頭、1頭の正確な状態把握をすることなく「いい子ですよ〜」とか言っておすすめすることだってあるかもしれない。客に「どれぐらいの大きさになるの?」と聞かれても、母犬の大きさを知らない以上は根拠のない推測で答えるしかない。しつけ教室で出会った飼い主も「スタッフに言われたサイズより大きくなった」と言ってくる人が多い…。

私は、できれば質の高いブリーダーの犬舎に赴き直接犬を探して欲しいと思っているが、ペットショップで買うことも否定はしない。ただ、販売スタッフの質が低い店舗はなくなって欲しいと思っている。初めて犬を飼う人は特に、そういった店でパートナーを探さないで欲しいと心より願っている。

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