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【傑作】『かがみの孤城』ネタバレありレビュー

こんにちは。今回は、皆さんに素敵な本をシェアしたいです。
辻村深月さんの小説、『かがみの孤城』を読了したので、その感想を書き綴り、おすすめポイント、ぐっと来たところを紹介します。
とりあえず、超短いあらすじを書いておきます。
この本は、「主人公安西こころ(中学1年生)が学校で居場所を無くし、家で引きこもっていたところ、自分の部屋に鏡がひかっているのを見つけた瞬間、その鏡の中の世界に吸い込まれ、鏡の中の城で同年代の男女と出会い、なんとか願いの叶う鍵を探そうとする」ストーリーです。
以下、ネタバレありです!まだ見ていない方は注意!!

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✧人間描写に「わかるわ~~」の嵐。

こころの性格が、自分に似ていたこともあって共感しまくっていました。この小説はこころの、孤城メンバーに対する印象はもちろん、孤城メンバー互いに対する気持ちが細かく描かれています。特に自己紹介のシーン。始めの人が自分の名前と学年しか言わなかったら、次の人もそれに従った方がいいような気がする。とか、、逆もしかり。こころの、周りの人の調子に合わせて自分のふるまいを決めるところが個人的にとても共感出来ました。
こころ以外のメンバーの個性はとても多様で、音楽の才能を持ったフウカやハワイの学校に通うリオンはもちろん、全員です。こんな人いる、いそう!と思うメンバーなのです。みんな変わっていますが(笑)。そんな多種多様な人間の内面を、細かく描写されていて、本当のお話の様で、リアルに感じられました。


✧展開が気になり、500頁だけど一日で読んでしまった

登場人物がなぜかがみの中の孤城に入ったのか、どういう思いを抱えて人生を歩んできたのか、狼の面をかぶった少女はいったい何者なのか。沢山の謎が登場しますが、読んでいてそれが気になって気になって仕方がなくなるのです。主人公の「こころ」が鏡の中に引き込まれたように、読者を引き込みます。、「ミステリー映画みたい」に感じるため、ページをめくる手が止まりませんでした。

✧子供の頃の苦悩を思い出した。そのころ「学校」はわたしの人生のほぼすべてだった。

だいたいの子供には、学校以外の世界、コミュニティがない。学校で問題が起こったら、「逃げられない、向き合わないと」と考える子や家族が多い。わたしは過去、自分の視野が狭いゆえに、毎日独りぼっちでつらいと思っていましたが、別に自分のせいではないのなら、みんなに馴染まなくてもいいと思います。この本ではこころ、ウレシノ、政宗など学校に居場所を無くした子たちが描かれていますが、その子たちは特別に変ではなく、むしろ一般的な子だと思いました。みんな、「普通の人」のふりをして生きています。なので、みんなに共感できるのです。


✧時間がずれて存在しているのは読みながらうすうす予感していたけど、設定すごすき

みんな、同じ世界にいたんですよねェ。
7年ごとにずれてて7匹のひつじ。。。ここまでは予想できませんでした。

✧ラストの私「実生ちゃん・・・喜多嶋せんせぇい・・・」で涙腺崩壊

まさかのまさかのですよ。おおかみさんが、理音くんのお姉さん!?!?
優しい世界だったのですね・・・心が温かくなりました。

晶子ちゃん、、、喜多嶋先生を物語の最初、怪しいと疑ってすみませんでした(スライディング土下座)。エピローグの冒頭で喜多嶋先生のフルネームを見て、あまりにもびっくりして、ページをめくる手が一瞬止まりました。
理音君以外の記憶もかすかに残っているというエンド、最高でした。

読了後の幸福感すごいです。こんないいラストありますか??(´;ω;`)ウゥゥ
ありがとうございました・・・・!!!!!(大感動)


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