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カナダの募金・寄付事情

寄付に関する見方もカナダに来てから大きく変わった考え方の一つです。カナダに来てから募金をする機会が増え、日本にいた頃よりも募金や寄付は身近な存在な気がしています。今回はカナダの募金・寄付事情についてお話ししたいと思います。

日本にいた頃の「募金」

私は日本にいた頃はずっと学生でしたが、寄付について触れた出来事で覚えているのは、中学生の時に参加したボランティア活動での街頭募金です。

年に一度だったと思いますが、スーパーの入口のところで「募金お願いしまーす」と言いながら立つ、あれをやりました。日本で「寄付」と聞くと一番に思い浮かぶ形態ではないでしょうか?当時中学生ながらに覚えているのは、500円玉や、ましてやお札を募金した人に「すごーい!」 と思ったこと。2時間くらい立った気がしますが、 その間1人、2人しかいなかったと思います。

カナダで募金をする

カナダに来てから募金や寄付はぐっと身近になりました。一つは募金が確定申告時に考慮されること、またもう一つは募金イベントがかなり多い、ということです。

カナダではチャリティー登録している団体に募金をすると、Donation Receipt(募金領収書)という正式な書類が送られてきて、これを毎年の確定申告時に申請できます(カナダでは確定申告は住民全員毎年必須)。少しですが所得税を減らすことができるんです。なので「募金をしてください」と知り合いから言われると、安定した収入のある人だと割とすんなりと「いいよ~」と言って30~50ドル(約2,500円~4,500円)くらいポーンと募金をします。現金ではなく、たいてい小切手を郵送するかオンラインでクレジットカード払いです。実際私も毎年これくらいは募金にまわしてもいいかな、という額がなんとなくあって、機会があれば募金します。

さてこの「機会」ですが、これもまた日本と違います。私の日本での記憶にある街頭募金はカナダでは滅多に見かけません。路上でお金が欲しくて立っているのはだいたいホームレスのみなさんです。

最近こそこのご時世で、すっかりイベントとしてはやれなくなってしまいましたが、夏場によくあるのは "Walk for xxx(団体名)"とか "Run for xxx(団体名)" なんていうイベントです。これは市民マラソン(Walkの場合は歩く版)みたいな感じのイベントなんですが、これに参加することで癌や病気の研究をしている団体を支援できるというものです。

これがまた画期的な仕組みなんです。参加者の参加費用だけが募金にまわるのではなく、参加者にはWeb上に個人の募金ページが作られます。これを家族や友人に「今度このイベントに参加するので、募金してください」と紹介して、家族や友人もこのイベントの募金に加わることになるんです。だいたい参加者は募金目標金額というのを設定しているので、家族や友人はそれを達成できるようにお手伝いする、という感じです。

そんな感じで家族や友人を通じてだったり、職場の人が「今度これに参加しま~す」と言って送ってきた社内メールを通じてだったり、なんだかんだ募金の機会にあふれています。日本での街頭募金で小銭を集めるのに比べて、カナダではクレジットカードで募金が払えるので、一度に集まる額に雲泥の差があるのもご想像いただけると思います。

お金じゃなくても

いわゆる寄付もとっても身近にあります。一番身近にあるのは古着の寄付でしょうか?古着は、まだいい状態のものを他の人に着てもらうというよりは、とりあえず集めて生地としてリサイクルにまわる、という方が一般的かと思います。

スーパーの駐車場だったり、住宅地の空き地だったりといった割と街中あちこちの「片隅」に大きなコンテナが置いてあって、いらなくなった服をドカッと入れることができるようになっています。集まった古着は業者の人が集めてお金に代わり、それがそのまま寄付されるというものです。アルミ缶回収みたいな感じでしょうか。特によく見かけるのは糖尿病の研究団体のもので、こんな感じです。この青い箱:

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もちろん子供服など古着として集めて必要な人たちに配っている団体もありますが、この片隅にあるコンテナは探してみるとかなり簡単に見つかるので、 失礼な言い方をすると「ごみ箱の代わり」感覚で簡単に寄付することができます。でも汚れた服でも文字通り「捨てるよりマシ」と思ってこういうコンテナに入れます。

そんな感じで、カナダに来てから寄付や募金に対しての感覚が随分変わりました。とにかくとても身近になったと思います。
日本でも寄付や募金がもっと身近な存在になって、もっとたくさんの団体が支援を受けやすくなる社会になったらいいな~と思います。

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