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詩 | 君に贈るよ

今から君の髪をなびかせるよ。

君がその景色を
目の当たりにするその瞬間に。

山を登ってきた君は
少し息を切らしている。

最初はその胸の鼓動が
どこからきているのか
わからないだろう。

でも、その息が落ち着いてきたころ、
君は再び確認する。

夜になる前のそのわずかな時間に、
君はその景色を目撃した。

その時に、君に風を送ったんだ。

真っ直ぐに伸びるあの白い雲も、
君が好きなあの紅色も、
君の姿を待っていたんだよ。

今から君に風を送るよ。

君の髪をなびかせる心地のいい風を。

君は全身で風を感じて、
久しぶりに呼吸をするだろう。

その時に見る景色はどんなもの。

夜までのわずかなその瞬間。

この瞬間を君に贈ろう。

優しい風を届けるよ。

君の髪が美しくなびくように。


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