![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138554550/2d47a224ea4905954b4e8739230efc7e.jpeg?width=800)
- 運営しているクリエイター
2024年6月の記事一覧
第69話≪ハルの章⑫≫【HERO】―魔界猫裁判長ダダからのレター[DAガス心臓DA]―
—ヒトは誰からにも好かれなければならないという強迫観念から友達つくりや群れを尊重する。しかし、この惑星は人間だけのものでもなく、朱に染まれば赤くなるで視野がとてつもなく狭くなってしまうのは井の中の蛙大海を知らずなのだ。別に目の前の人間から嫌われても星の数ほど考えや養育環境があり、自分と相容れないから拒絶されたと考えるのではなく、相手はそういう視点や言動をすることでしか己を守れぬことは哀しいことに気
もっとみる第68話≪カイの章⑮≫【scapegoate】short story ーindividualの声 ―
ぼくの脳内で再生される。そこはSUS4で倍音いれるところにはこの声色がほしい…
そこのメロディラインは白い石段を登っていく情景だから、右眼は緑色、左眼は碧い色の無垢な少女の声を
「脳内で再生されるぼくのオリジナルな曲にはこの地球をぐるっと一周まわって様々な人種や生き方がつまっているんだ」
「人間以外の声ももっと聴きたい!」
椅子に座ったぼくにきゃっきゃっ話しかけてくる白人・金髪の少女の存在。日本語
第67話≪カイの章⑭≫【scapegoate】 ―0war【零戦】‘師'と産み拓き【海開き(うみびらき)】ー
「‘道’というものは己(おのれ)で切り拓(ひら)き開拓し、そして伸ばすものです」
黒アゲハチョウはゆらゆら羽を空に旋回させると、夏の灼熱の太陽の照り付ける光に向かってすっと力強く天空のまだその先を向いて大地から伸びるヒマワリに静かに身を置く。
「ぼくの‘道'…来たばかりの‘レール'を引き返すことができたならば、時間を巻き戻せたら僕はぼくのままだったのでしょうか」
微睡(まどろ)むぼくの眼に陽
第66話≪ハルの章⑪≫【HERO】―すべては海【産み】からはじまった―
何も知らずに消えていく…
全てを知り尽くして渡り歩いていく…
上手く生きようとせず、完璧でなくったってわたしはわたし。
鏡をみてにっこり笑う。
人間はマイナスな感情のときでもにっこり口角を上げるだけでも幸せホルモンが分泌されるから。
両目を閉じて
鼻からゆっくり1,2,3で吸い込んで
5,6,7,8,9、10
ふぅ―――――
お腹の底からゆっくり息を吐く。
首を軽く時計回り、反時計回りに動
第65話 自律的な《ロボット》であるならば自律的な人間であるべきだ
AUT≪o-to/オート≫は膝に白人ブロンドの少女を大事に乗せて絵本を読む。見かけは2018年からみるとどこか無機質な≪ロボット≫なのにぬくもりに包まれて、その光景はどこまでもどこまでも優しかった。
絵本の題名には 点字でAUT-MIU と書かれていた。
女性の妊娠がわかってから先に胎盤の中に穿刺(せんし)してその赤子(あかご)が何かうまれつき≪Q≫を持っていないか検査でこの少女は先天的に目が見え
第64話 2024/6/1 2Ñ-NGGの喧騒
『海馬(HDD)が記憶野として記憶を芋づる式にスライドデータ変換に成功』
「地球の西暦にして2020年までに余裕で発明できましたね」
「BBI(Brain-Brainインターフェイス)も凌(しの)ぐ。これまで全く出逢った“存在”もこちらからの“Ready Start”の号令【スイッチON】でダイアグラムで簡単に遭わせることが可能。」
「被験者の右脳、左脳から全“5感添付付きの記憶”をすいすいと取り
第63話《アマデウスの章②》—素晴らしき講演『391』—
—私にとっての幸福、それは誰も支配しないこと、そして支配されないこと。
遠くをみよ、うしろを見るな、人はいつも理屈を知りたいのに、理屈に合わないことを言う。
羨望は、フランス人の幸福を一番妨げているもののように、私には思われる。
(フランシス・ピカビア『391』より)
アマデウスとポセイドンが『例の祠』へのGATEを開けたことにより、地球上の全ての法則や秩序、ルール、全ての統制がガラガラと崩れて
第62話≪カナデの章⑬≫【piero/mascot/crown】―やっと『キミ』に出逢えたー
「今は‛内輪’で闘っている暇などない。でも、人間は‘外の世界'に一人勇猛果敢に闘うことを忘れ‘内の世界'での争いに必死だわ…。同じ民族で今は叩き合い潰しあうのではなく、今こそ手を取り合い一つの輪になることをどうかどうか思い出して…」
シマリスココをギュッと抱き締めてとめどなくあふれ出てくる涙や鼻水などの体液、嗚咽、どこまで内側からデトックスしてもしてもまだまだ溢れてくる。痛い、怖い、悲しい、辛い