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《メンバーシップ》 7月前半号

こんにちは!さくら舞です。
メンバーシップの2024年7月前半号の記事をお届けします🌱

○梅本佑利さんの作品

梅本佑利(うめもとゆうり)さんは、2002年生まれの現代音楽の作曲家です。
生まれてすぐにカトリックの洗礼を受けており、グレゴリオ聖歌や宗教音楽、合唱の影響を受け、音楽の道を志しました。

高校は東京音楽大学附属高等学校、現在は愛知県立芸術大学に在籍しており、坂本龍一さんが創設に関わった「mumyo」というチームでも音楽活動をしています。

現代芸術の潮流を、西洋音楽の分野で解釈・表現しており、
着想やコンセプトの目のつけどころと、それを現実化してしまう技術力と豪胆さが評価されているアーティストだと思います。

父親がパソコン好きで、10代の多感な時期を秋葉原で過ごしたことから、オタクカルチャーを下地にした作品が多いです。

今回は特に面白いと思った曲を3曲ご紹介します。

♪萌え²少女

後輩の女の子からの印象的な一言が、脳内で繰り返し脳内で再生されている設定の曲かなと思います。
Aメロでは「よろしくお願いします先輩」が、時々縮小されつつひたすら反復されます。
反芻思考や強迫観念的な感じは、「モチーフを繰り返す」という性質をもつ音楽と相性が良く、
初めて聴いた時は、Bメロで笑ってしまったのでぜひご一聴ください笑

全体的な感想は、「純文学を読んだときの特有の不快感」が音楽で表現されていて、多感な思春期の脳内を想像して、少し切ない気分になりました…

この曲にはピアノ版もあるのですが、チェロのような弦楽器の方が、より生々しい表現力があるなと思いました。


♪スーパーバッハボーイ

チェロの独奏曲で、チェロ曲では1番有名であろう「バッハの無伴奏チェロ組曲第一番」と、任天堂の某アクションゲームの組み合わせた曲です。
「バッハの無伴奏チェロ組曲第一番」のモチーフを使って、某ゲームのプレイ中の様子を描写しています。

楽譜には1-1、1-2…と面数らしきもの書かれており、1UPしたり、裏ルートに行ったり、ゲームオーバーになったり、クリアすると原曲のように優雅になったりと、ネタ的で面白いです。

この曲は楽器を習ったことがあり、マリオをプレイしたことがある人は、より面白がれると思います。
クラシックは決められたことをノーミスで弾く必要があるので、「マ○オみたいだな」と思ったことがあるのは、きっと私だけではないでしょう😇

♪いんちき音楽

あの超有名曲たちに似ているような…というのは錯覚で、「著作権法に引っかからない範囲で作曲」されているそうです。着眼点がすごいですよね!

作曲者本人によるプログラムノート(Youtube概要欄)の一部を引用します。

…元となった音楽(原曲)の創作性のある部分は、今回発表する3曲では引用ないし依拠していない。仮に、聴衆が3曲を聞いて、原曲の内容や形式について知覚又は推知できたとしても、それは、聴衆が原曲の知識を用いて、新曲の聞こえない部分を脳内で補っているにすぎない。  

これからも、音楽の新しい姿を見せてくれる天才、梅本さんの動向を追っていきたいです✨


○ラヴェルの「水の戯れ」(1901年)

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